新車で買えるストラトス!? レプリカを超えるクオリティの「the STR」が国内でお披露目

2月8日(金)、東京墨田区で“あるクルマ”のお披露目がありました。あるクルマとは、今を遡ること48年前にトリノショーでデビューした名車ランチア・ストラトスのレプリカ「the STR」です。有限会社ジェイブランディングの自動車事業「UKクラシックファクトリー」が日本国内の独占契約を結び、今回のお披露目となりました。

それまでのレプリカのクオリティをしのぐ1台を

「the STR」は、少量生産で車両製造を行う英国「Lister Bell automotive社」により、それまでのストラトス・レプリカのクオリティをしのぐクルマを送り出すべく、作られたモデルです。

Lister Bell automotive社は、英国・ノッティンガー州北部を拠点とする2010年創業の企業。1989年よりスポーツカー業界に携わり、20年以上もこうした車両の製造に関わってきたクレイグ・ホワイト氏が満を持して起こした会社です。キットカーの製造やシャーシ・サスペンションの設計も行うほか、GRP(要はプラスチック)成形など、キットカー製造業者へのサービスも行っています。

CAD設計によるスペースフレームのシャーシにはロールケージが一体で組まれ、アルファロメオ製のV6エンジン(2.5L、3.0L、3.2L)が載せられます。フェラーリ製V8エンジンを搭載したGr4仕様のボディを持つ、「STR—M」もラインナップ。ステアリング位置は左/右ともに用意され、ヒーターはもちろんエアコンも設定されます。その性能やハンドリングは英『AUTOCAR』誌の編集者、スティーヴ・サトクリフも絶賛しているそう。

気になるお値段は、為替の関係もありその都度、微妙に変動するそうですが、概ね1200万円とのことです。レプリカを超えたクオリティを持つthe STRは、世界各国から注目されており、現在2年の予約待ちだそうですが、それだけ待っても手に入れたい逸品だと言えるのでしょう。なんたって、新車でエアコンつきのストラトスに乗れるのですから。

自動車ライター武田公実さんのトークショーも

この日は、カーライフエッセイストの吉田由美さんの司会により、実際に英国にわたってthe STRをドライブした経験を持つ自動車ライター、武田公実さんのトークショーも行われました。

英国ではこうしたレプリカモデルが、レプリカ以上の価値を持ち「当時のモデルが正常進化していたら、こうなっているのではないか?」と模索される文化があるそう。このthe STRも、フレームの強化など、現代技術を駆使してアップデートが行われており、「当時のストラトスよりも剛性感の高い走りを見せてくれる」と話していました。

the STRがお披露目されたUKクラシックファクトリーには、ACコブラのレプリカ「AK427」も展示されていました。

こちらは「AK sportscars」という主にキットカーの製造・販売を手掛ける英国のメーカーのもの。UKファクトリーは、こちらとも完成車両の輸入・販売を行っており、すでに愛好家たちの手にわたって街中に走り始めているとのこと。

希少なヒストリックカーは、手に入れるだけでも莫大な費用がかかり、さらに後世に残していく義務のようなものも、半ば発生してきます。純粋にその走りを楽しみたい人にとって、こうしたクオリティの高いレプリカの存在は、実にありがたいものでしょう。

▼UKクラシックファクトリー
URL:https://www.ukclassicfactory.com/
▼Lister Bell automotive
URL:https://www.listerbell.com/
▼AK Sportscars
URL:https://www.aksportscars.co.uk/

(取材・文・写真:きもだこよし 編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

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