国境越えはフリーパス。ドライブで感じた、スイスの交通事情

運転好きなら、いろんな国でドライブしてみたいですよね。
先日、スイスを訪れる機会があったので、せっかくなのでとレンタカーを借りてドライブしてきました。そこで今回は、実際にクルマを運転して感じた、スイスの交通事情を紹介しましょう。

ジュネーブのタクシーはバリエーションに富んだ車種に驚き

訪れたのはスイスを代表する都市のひとつ、ジュネーブ。ジュネーブ駅の前にはタクシーがズラリと並んでいるのですが、その車種の多さに驚きです。手前からミニバン(メルセデス・ベンツVクラス)、SUV(トヨタRAV4)、ステーションワゴン(トヨタ・オーリスツーリングスポーツ)、そしてセダン(メルセデス・ベンツSクラス)。それにしてもベンツSクラスのタクシーってスゴイ!

ナンバープレートが小さい!

スイスのナンバープレートはとってもコンパクト。こんなに小さなサイズのものは、ほかでは見たことがありません。クルマ好きとしては、ナンバープレートが小さいことでクルマのデザインを邪魔しないのはうらやましいですね。

トロリーバスもたくさん走ってる!

ジュネーブ周辺は「トラム」と呼ぶ路面電車のほか、架線を通じて電気を受け取ってモーターで走るトロリーバスもたくさん走っていました。ところでこの場所の架線、まるで蜘蛛の巣のようですね。なんだか芸術的。

それではレンタカーでGO!

それではレンタカーでドライブへ。今回は「一番安い車」を借りてみましたが、あてがわれたのは「フィアット500」。走行距離わずか7kmの新車でした。
ところでジュネーブ空港はスイスとフランスの国境に位置し、レンタカーの窓口もスイス側とフランス側にあります。料金が安いフランス側で借りたのですが、スイスの高速道路を走るにあたっては年間パスを買う必要がある(スイスで借りれば車両に備わっているので不要)という落とし穴が。とはいえ、日本円にして4000円ちょっと(40スイスフラン)で1年間乗り放題と考えれば高くはない、というか安いですね。

なんと、カーナビは日本語で表示してくれる!

借りたクルマにはナビがついていませんでした。しかし、手持ちのスマホを接続すると……なんと連動して画面にスマホのナビが表示される仕掛け(Android Auto)。日本語で操作できるし、表示も音声案内も日本語なので心強い! 便利な時代になったものです。

最初は戸惑うけどすぐに慣れる、ラウンドアバウト

ヨーロッパで運転するにあたって避けて通れないのが、ラウンドアバウト。日本語で言う「円形交差点」ですね。クルマは反時計回りの一方通行で通過。右折したいときは1/4回転だけ、左折したいときは3/4回転するのです。
最初は緊張しますが、すぐに慣れますよ。回っているクルマが優先、ということを頭に入れておきましょう。

主要交差点は、こういう案内図があります。ちなみにカーナビは「ひとつめで出る」とか「3つめで出る」という音声案内をするんですよ。

国境もあるけれど、フリーパスで通過可能

道路上にあるこの施設、一体なんだと思いますか? 実は国境。ジュネーブはスイスですが、ちょっと離れるとフランスと国境を接しています。写真は手前側がスイスで、奥はフランスです。
クルマでの国境越えは日本では絶対に体験できないのでちょっと緊張……と思いきや、なんと止まる必要すらなくフリーパスで拍子抜け。その理由は「シェンゲン協定」という、加盟しているヨーロッパの国家間は国境検査なしで行き来できる協定が結ばれているから。欧州での飛行機移動時に、最初に到着した国で入国審査を受ければ、ほかの国へは国内旅行と同じ感覚でパスポートコントロールなしで移動できるのと同じことですね。なので、この国境も感覚としては「形だけ」です。
こんな体験は、海外ならでは!

スイスは風景が美しすぎる!

それにしても、風景の美しいことと言ったら。湖(レマン湖)があり、その奥には雪化粧をした険しい山があり、まるで絵葉書の世界です。あまりにも美しい風景なので、見とれてわき見運転注意ですよ!

駐車場の使い方だって臨機応変に!

ずいぶんワイルドな駐車方法……と思いきや、このクルマを駐車するにはこれが最善の方法という判断なのでしょう。杓子定規になりがちな日本だったら白い目で見られそうですが、欧州では普通のこと。臨機応変に対応するのです。個人的には、このくらいフレキシブルに対応できる雰囲気があったほうが、みんなが生活しやすいと思いますけどね。

制限速度も実際の流れも日本よりも高い! でも走りやすい

フランス側に戻ってきました。ところでこの道、制限速度はどのくらいだと思います? やや峠道なので、日本だと40km/hとか50km/hくらいでしょうか。でも、なんと70km/h。日本の感覚だとかなり速いですね。ただし、街中に入ると50km/hとなります。
欧州はほとんどそうですが、日本のようにゆっくり走っているクルマは見かけることがなく、みんな制限速度にきっちりあわせて走っています。ここで70km/hなんて日本だと「飛ばす人」の速度域ですが、運転していてストレスが少ないですね。
もうひとつ感じたのは、右左折する際にはかなり早くからウインカーを出して後続車にアピールすること。クルマの流れが速いこともあり、事故を防ぐためのマナーなのでしょう。いずれにしろ、日本の道路よりもかなり走りやすいです。
ちなみに、フランスの一般道の制限速度は県によって異なり、90km/hの場所も。高速道路では130km/hです。スイスは市街地で50km/h、郊外の一般道が80km/h、高速道路120km/hです。

ガソリンはいくらくらい?

レンタカーを返却する前に給油。1Lあたりのガソリン代は、消費税抜きで180円弱でした。日本よりも少し高いですね。

(文:工藤貴宏 編集:ミノシマタカコ+ノオト)

[ガズー編集部] 

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