鹿沼を舞台に旧車が走るラリー形式のイベント「マロニエ・オートストーリー春2019」

4月28日(日)、栃木県鹿沼市の「出会いの森総合公園」にて、「マロニエ・オートストーリー 春」が開催され、1984年までに生産開始された約80台のクルマが集まりました。

「マロニエ・オートストーリー」はラリー形式のカーイベントで、地域の観光資源や名産を紹介しつつクルマとのコラボレーションを行っているもの。主催するマロニエ・オートストーリー・フォーラムは、クルマを末永く楽しめる環境づくりと、自動車文化を通じての社会貢献を目指して企画された組織です。

写真:T.Ohkawa
写真:T.Ohkawa

タイムも順位も関係ない!

イベントは春と秋の年2回開催され、今回で18回目、春のイベントとしては9回目になります。春のイベントはより地域振興色が強く、ラリーといってもコマ地図に沿ってドライブをして、その地域の観光を楽しむ志向のもの。イベント参加資格は、1984年までに生産が開始された公道走行が認められている4輪車両。このクルマたちが、新緑の栃木県の街並みや山間部を地図に従って、ラリー形式で駆け抜けます。

ラリー形式である以上、ドライバーとナビゲーターが乗って走りますが、あくまでもコマ地図に沿って目的地へ向かうだけで、特にタイムを競ったり順位を争ったりはありません。もっとも例年、ほぼ同じコースで行われますが、今年は大掛かりなコース変更が行われたため、コマ地図をほとんど確認しなかったベテラン参加者の中には、ミスコースをされた方もいらしたようです。ちなみに、イベントの特色から同乗者がいても何ら問題はなく、この日も後席に家族や友人を乗せて走るクルマをたくさん見かけました。

最大の見どころは桜並木を走るクラシックカーたち

こんな傾向のイベントなので、参加しているクルマもさまざま。クラシックカーやスポーツカーの姿が多い中で、大型のサルーンモデルも幾台か見かけました。たとえば、メルセデス・ベンツSクラスやシトロエンCX、ルノー25(ヴァンサンク)など。「こんなクルマも来ているんだ!」と、その珍しい姿にシャッターを押す人の姿も見かけました。

栃木の山間部ではこの時期、まだまだ桜が楽しめます。途中、休憩所の古峯神社よりのルートでは、この桜の咲く街道を駆け抜けていきました。桜舞う並木道を走り抜けるクラシックカーに、カメラの放列が並びます。

ラリーは午前中で終了し、参加者たちは午後、バーベキュー大会へと移ります。これこそが、このイベントのもうひとつの顔といえるかもしれません。グループ分けされた会場では、各々が参加車両を愛でながらバーベキューを楽しみますが、空腹が満たされてくると他所の車両を見に行く人も多く、グループの枠を超えてクルマ談議に華が咲いていました。

このイベントには15時30分までという大まかな終了時刻はありますが、特に閉会式のようなものはありません。各々が自分の決めた時間で帰路に着いていきます。それは好きな時間に帰路に着いてもらうことで、地元の観光も楽しんでほしいという地域振興に基づいているのかもしれません。桜の中を駆け抜けたクラシックカーたち、秋にはどんな姿を見せてくれるのでしょうか?

▼マロニエ・オートストーリー
https://autostory.jp/

(取材・文・写真:きもだこよし 編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

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