「空飛ぶクルマ」が行き交う時代がやってくる! 気になる実用化はいつから?

人を乗せたクルマやバイクが、大空を自由に移動する……SF都市にでてきそうな光景ですよね。そんな「ずっと先のもの」と思っていた夢のようなことが、にわかに現実味を帯びてきました。

2018年に経済産業省は、国土交通省と合同で「空の移動革命に向けた官民協議会」を設立し、12月には「空飛ぶクルマ」の実現に向けたロードマップを完成させました。官民がタッグを組んで進める「空飛ぶクルマ」の早期実現のための取り組みをご紹介します。

世界中で加速する「空飛ぶクルマ」の実現に向けたプロジェクト

現在も、飛行機やヘリコプターなど空飛ぶ乗り物を使い、人や物の輸送が行われています。ただ、やはり手軽さや身近さという面では十分とは言えません。もっと容易な手段があれば、空を利用する可能性はもっと大きく広がっていくことでしょう。世界でもベンチャー企業から大企業まで、人を乗せて自由に空を移動する「空飛ぶクルマ」の研究・開発を進める動きがどんどん大きくなっています。

日本国内においても、ドローンによる離島や山間部での物流サービスを始めようとしているところも出てきているのです。今後は、物の輸送ばかりではなく、人を乗せて自在に移動ができる機体やサービスの実現が大いに期待されています。

このような世界的な動きから、始動したのが「空の移動革命に向けた官民協議会」です。

出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181220007/20181220007.html)
出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181220007/20181220007.html

「空飛ぶクルマ」の実現に向けたロードマップ作成に向けて

「空の移動革命に向けた官民協議会」は経済産業省と国土交通省が合同で設立しました。2018年8月から12月のまで全4回が開催されました。オブザーバーとして総務省や消防庁からの参加もあり、民間からは、航空宇宙工学の研究者、「空飛ぶクルマ」の開発・製作を目指すメーカー、サービス提供を目指す企業など、多岐の分野に渡る人たちが参加しました。

「空飛ぶクルマ」と言っても、実際に運用するためには多くの課題をクリアしていかなければなりません。そこで、いつまでに、どのような用途で、どのようなことを達成していくかを、それぞれの立場から意見を交わし、「空飛ぶクルマ」の実現に向けて構築していくことが必要とされたのです。

出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181220007/20181220007.html)
出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181220007/20181220007.html

第1回、第2回では各団体の現在の取り組みや今後の展望の発表が主に行われ、第3回にはロードマップの素案が示された上での、意見交換が行われました。そして、12月の第4回の会議で取りまとめられたロードマップには未来の日本の空の可能性が今後の具体化を導く形で描かれました。

2023年の事業開始が目標!

「空飛ぶクルマ」が実現したら、解決すること、できることは多彩です。都市部では移動にかかる時間を大幅に短縮することができるでしょう。地方、特に離島や山間部ではきめ細かな移動手段や物流の確保につながります。災害時には迅速な救急搬送や物資輸送も可能にします。その他、観光や娯楽への利用も……と可能性は尽きません。

出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181220007/20181220007_01.pdf)
出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181220007/20181220007_01.pdf
出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181220007/20181220007.html

それらを夢に終わらせないためのロードマップです。「制度や体制の整備」と「機体や技術の開発」の大きく2つの課題に分けた上で、それぞれに順を追って考え、開発すべきところや整えていくべき点が整理されています。

「制度や体制の整備」では、試験飛行の許可など法的な面、利用者利便の確保のあり方検討などのサービスとして考えなければならないこと、離発着場所や空のどこを飛ぶのかといったインフラ面の整備に関することが盛り込まれています。保険加入をどうするのかといったことも課題です。

「機体や技術の開発」では、もちろん航空機と同レベルの安全性の確保を第一に、飛行に伴う音の問題、環境に配慮した動力として電動としていくための技術開発、将来的には自動飛行や地上からの遠隔操縦も目指します。

出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181220007/20181220007.html)
出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181220007/20181220007.html

今年2019年から飛行実験・実証実験がスタートし、事業開始の目標はなんと2023年から。これは現在開発を進めている多くの事業者が掲げている目標であるため、実現の可能性は極めて高いものなのです。物の輸送から始まり、地方での人の輸送、そして都市部へと、2030年代以降に向けて段階的に実用化を進めていくのが最終的なゴールとなっています。

出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181220007/20181220007.html)
出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181220007/20181220007.html

空を自由に飛び回り、どこへでも簡単に行ける時代はそう遠いものではないようです。そこにたどり着くための具体的な動きの方向性がはっきりと示されました。「空飛ぶクルマ」が、より安全で、誰にもわかりやすい利便性の高い交通・輸送手段として実現するのを、大いに期待して待つことにしましょう。

(文:わたなべひろみ 編集:ミノシマタカコ+ノオト)

<参考>
「空の移動革命に向けた官民協議会」を設立します
https://www.meti.go.jp/press/2018/08/20180824001/20180824001.html

空の移動革命に向けた官民協議会
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/air_mobility/index.html

“空飛ぶクルマ”の実現に向けたロードマップを取りまとめました
https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181220007/20181220007.html

[ガズー編集部]

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