【D1GP】チャンピオン奪還へ!川畑真人選手のドリフト専用GRスープラがついにアンベール

ドリフト競技の最高峰「D1GPインターナショナル・ドリフト・チャンピオンシップ」。過去3回シリーズチャンピオンを獲得した川畑真人選手が今年、新型マシン「GRスープラ」で参戦するのは、すでに報道されているとおり。その最終完成形がシーズン開幕直前の6月25日(火)にシェイクダウンされたので、その気になる新型車の内容をご紹介しましょう。

体制変更等に伴いNISSAN GT-RからGRスープラへ

川畑選手といえば、昨年までR35型のNISSAN GT-Rでシリーズに参戦し、大型のボディを縦横無尽に振り回すダイナミックな走りでファンを魅了してきました。

川畑選手が昨シーズンまでドライブしていたGReddy 35RX SPEC-D(2号機)/昨年のエビス・ドリフトで撮影
川畑選手が昨シーズンまでドライブしていたGReddy 35RX SPEC-D(2号機)/昨年のエビス・ドリフトで撮影

ですが今年は、川畑選手が所属するチームが「Team TOYO TIRES DRIFT – 1」へと体制を一新。さらに今シーズンからタイヤの太さなどが、車体重量に応じて規定されるなどのレギュレーションの変更も行われました。これを機に川畑選手は、マシンを一新することを決断。今年話題のスポーツカー「GRスープラ」(A90型)をいち早く手に入れると、今年3月末にお台場の特設会場で行われたD1グランプリのエキシビジョンマッチ「D1GP ALL STAR SHOOT-OUT」に間に合わせるべく、わずか数週間でドリフト仕様に改造。会場でお披露目するだけでなく、実際に走行してポテンシャルの高さを実証し、会場をおおいに沸かせました。

今年3月に行われたD1グランプリのエキシビジョンで走行した様子/RISA撮影
今年3月に行われたD1グランプリのエキシビジョンで走行した様子/RISA撮影

あれから約3か月の間、川畑選手とチームはGRスープラをより一層、磨きあげました。それがここで紹介する今シーズンの参戦車両です。

2JZ-GTEをさらにチューニング

エンジンは2JZ-GTEをベースにHKSの3.4リットルキットが組み込まれているのは、お台場の時と同様です。

3.4リットル化された2JZエンジン
3.4リットル化された2JZエンジン

一方で、カムシャフトを変更したほか、インタークーラーやエキゾーストなどの配管はすべてやり直し。タービンもIHI製からボルグワーナー製へと変更されて、より一層パワーアップ。併せてエアーフィルターもK&N製からHKS製へと換装されています。ちなみにタービン近くからボンネットへと垂直に伸びている配管はウェイストゲートバルブにつながれています。

より大型のインタークーラーを搭載。パイプ径もかなり太いものを使用する
より大型のインタークーラーを搭載。パイプ径もかなり太いものを使用する
ボルグワーナー製のタービン
ボルグワーナー製のタービン

ラジエーターは前後重量バランスの適正化を図ったるべくリアに配置。これは近年のD1グランプリ参戦車両のトレンドでもあります。

リアガラス部分をカーボン製として軽量化を実現するとともに、ラジエーターへの導風孔を設けている
リアガラス部分をカーボン製として軽量化を実現するとともに、ラジエーターへの導風孔を設けている

足回りはワイズファブ製アームとHKSの単筒式サスペンションという組み合わせは、お台場の時と同じです。

サスペンションを取り外されたときに撮影。ブレーキはエンドレス製で、eスリットタイプのローターを採用する。
サスペンションを取り外されたときに撮影。ブレーキはエンドレス製で、eスリットタイプのローターを採用する。
取り外されたリアのサスペンション。HKS伝統の単筒式だ。
取り外されたリアのサスペンション。HKS伝統の単筒式だ。
フロントサスペンションは、メインスプリングのほかヘルパースプリングが設けられていた。
フロントサスペンションは、メインスプリングのほかヘルパースプリングが設けられていた。
タイヤは昨年に引き続きTOYOのPROXES R888Rをベースに、ドリフト競技向けにチューンしたR888R Driftを採用。ホイールはGRAM LIGHTS(RAYS)/写真はフロントタイヤ
タイヤは昨年に引き続きTOYOのPROXES R888Rをベースに、ドリフト競技向けにチューンしたR888R Driftを採用。ホイールはGRAM LIGHTS(RAYS)/写真はフロントタイヤ

外観は、開幕戦と同様にPANDEMのエアロを採用。大きく張り出したフロントフェンダーや、サイドスカートとリアフェンダーが一体化されたスタイリングは迫力があります。カラーリングは一新され、TOYO TIRESらしい清潔感のあるものへと変更されました。

ストレートを加速する川畑選手のGRスープラ
ストレートを加速する川畑選手のGRスープラ

リアには大型のウイングが取り付けられていますが、レーシングカーのような角度調整はできないようです。

迫力のあるリア回り
迫力のあるリア回り
ウイング端にガーニーフラップは設けられてないようだ
ウイング端にガーニーフラップは設けられてないようだ

川畑選手のGRスープラで特徴的なのは、サイドミラーの代わりにCCDカメラを利用した「デジタルアウターミラー」が採用されたこと。これはレクサスESにオプション設定されるものと同等のもので、死角が減るほか、空力面で有利に働くと言われています。またモニターの取り付け位置によっては、運転中の視点移動距離が少なくなるのもメリットに上げられます。

サイドミラーの代わりに取り付けられたデジタルアウターミラー
サイドミラーの代わりに取り付けられたデジタルアウターミラー

ちなみに今年のニュルブルクリンク24時間レースにTOYOTA GAZOO Racingから参戦したレクサスLCでも、このデジタルアウターミラーは使われていました。

ニュルブルクリンク24時間レースに参戦したLEXUS LC車両(昨年12月、富士スピードウェイで行われたテスト時に撮影)
ニュルブルクリンク24時間レースに参戦したLEXUS LC車両(昨年12月、富士スピードウェイで行われたテスト時に撮影)
LEXUS LCテスト車両のAピラーには、デジタルアウターミラーが取り付けられていた
LEXUS LCテスト車両のAピラーには、デジタルアウターミラーが取り付けられていた

コクピットを覗くとルームミラーもなく、ステアリングコラムに上に配置された3枚のディスプレイでバックカメラとデジタルアウターミラーの映像を映し出す仕組みとなっています。カメラ化により距離感がつかみにくいのでは? と川畑選手に尋ねたところ「一般的なモータースポーツの場合は追い抜きなどがあるため距離感が必要だと思いますが、ドリフトの場合は常に接近していますので大丈夫だと思います。すぐに慣れますよ」と笑顔で答えてくれました。

川畑選手のGRスープラの車内。3枚のモニターはそれぞれ後方を映し出す
川畑選手のGRスープラの車内。3枚のモニターはそれぞれ後方を映し出す

ステアリングコラムにLCDモニターを設置したため、速度計などの計器類はセンターコンソール側へと移動。センターコンソールから伸びる2本の棒のうち銀色はサイドブレーキ、黒はサムソナス製の5速シーケンシャルドグミッションへとつながれています。ちなみに開幕戦の時に使用していたミッションは不調だったため、新品交換したとのことでした。

GRスープラの車内。ダッシュボードなどはカーボン製だ
GRスープラの車内。ダッシュボードなどはカーボン製だ

このニューマシンの感触はよいようで、川畑選手はテスト中、終始笑顔。今年については「もちろんチャンピオンを狙っていくのは当然として、新しいドリフトを魅せていければと思います」と自信をみせてくれました。

川畑真人選手
川畑真人選手

川畑選手といえば、90度を超えるドリフト角度でコーナーを駆け抜ける「ケツ侵入」が有名ですが、今年はGRスープラで、どのような走りをみせてくれるのでしょうか。今シーズンはGRスープラを駆る川畑選手から目が離せそうにありません!

(取材・文・写真:栗原祥光 編集:木谷宗義+ノオト)

<関連リンク>
D1グランプリオフィシャルサイト
http://www.d1gp.co.jp/

[ガズー編集部]

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