ウミボウズ、さわやか…ユニークな「日本語グレード名」を採用したクルマたち
クルマのグレード名と言えば「S」や「R」、「GT」といったアルファベットや、「400R」「25S」のように馬力や排気量などの数字を使ったもの、あるいは「○○エディション」「○○パッケージ」といったものが多く見られます。
しかし、グレード名も千差万別。中には、日本語のグレード名を採用しているモデルもあります。今回は、ユニークな日本語をグレード名に採用したモデルたちをご紹介しましょう。
日産・バネットラルゴ 「カッパ」「ウミボウズ」
1980年代後半から2000年代初頭まで、日産の特装車両を手掛けるオーテックジャパンは、オフロードやアウトドアを意識したアイテムを装備するミニバンやワンボックス車の特別仕様を製作していました。たとえば、1988年にキャンプユーザーをターゲットとして、2段ベッドなどを装備したバネット「KAPPA」(カッパ)もそのひとつ。1992年には、バネットの派生車種であるバネットラルゴをベースに、グリルガードやシビエ製大型フォグランプなどを装備した「ウミボウズ」を販売しました。
そのほかにも、セレナに「キタキツネ」「ヤマアラシ」、リバティに「キタキツネ」、ホーミー「フウライボウ」という日本語グレード名を採用したモデルが販売されていました。
スバル・サンバー 「さわやか」「かろやか」
- ※写真は現行型サンバーバン
1990年から1999年まで販売されていた5代目スバル・サンバーには「さわやか」と「かろやか」という特別仕様車が存在しました。「さわやか」は車内をさわやかにするエアコンを標準装備、「かろやか」はエアコンと、軽やかな操作を実現するパワステを装備したモデルです。エアコンとパワーステアリング(パワステ)は今や当たり前の装備ですが、1990年代当時、サンバーのような経済性を求められる商用車ではオプションであることが一般的。そこで、エアコンがほしいというユーザーの声に応えて生まれたのが「さわやか」でした。さらに、1995年の一部改良でエアコンに加えてパワステを標準装備した「かろやか」が追加されました。
トヨタJPNTAXI「匠」「和」
街で見かけることが増えてきたJPN TAXI(ジャパンタクシー)。車名に「ジャパン」とつくだけあって、グレード名はもちろん日本語。上級グレードは「匠(たくみ)」、標準グレードは「和(なごみ)」という名称がつけられています。また、インテリアカラーや一部のボディカラーにも日本語を採用。海外から「ジャパンブルー」とも評される、古くから日本で愛されてきた「深藍」というボディカラーや黒琥珀や琥珀といったインテリアカラーが用意されています。
ルノー・ルーテシア、カングー「ゼン」
日本語のグレード名がつけられているのは、日本車だけではありません。フランスのルノーにも日本語グレード名を採用したクルマがあります。日本でも販売されているルーテシアとカングーに設定されている「ゼン」です。日本だけでなく、海外でも「ZEN」のグレード名で販売されています。名前の由来はもちろん日本語の「禅」。精神を落ち着かせ、心を無にするとも言われるこの言葉がフランス車のグレード名に使われているなんて、ちょっと意外ですね。
グレード名には、ほとんど必ず意味や由来があるもの。日本語だけにアルファベットのグレード名よりも、イメージしやすいかもしれません。「匠」や「和」のように、日本らしさを感じられる名前もいいものですよね。ちなみに、レクサスに設定されている「F」は、「富士スピードウェイ」に由来するそうですよ!
(文:西川昇吾 編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
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