自動車税はいくら? 高速と一般道、燃費がいいのはどっち? 意外と知らない電気自動車の基礎知識

環境にやさしい自動車として、これからどんどん増えることが予想されている電気自動車(EV)。でも実際に運転したり、所有したりしたことがある人はまだまだ少ないかもしれませんね。

そこで今回は、電気自動車に関する意外と知られていないトピックを紹介しましょう。

走る速度によって航続距離が変わってくる?

エンジンで走るクルマの場合、高速道路を走ると市街地よりも燃費がいいですよね。だから電気自動車でも同じこと……と思ったら、そうではないんです。なんと、電気自動車は速度を上げると電費(エンジンでいう燃費)が悪化する乗り物。だから、速度が低ければ低いほど航続距離を伸ばすことができ、逆に車速を上げると航続距離はどんどん短くなります。電気自動車が市街地走行に向いていて、高速移動には向かないといわれる理由はここにあるのです。

その違いはどこにあるのか? エンジンと電気モーターの得意な領域の違いが原因です。

エンジンは低回転での効率が悪く、ある程度回転を上げることで効率が良くなり、さらに変速ギヤを組み合わせることでエネルギー効率を高めるから、高速度走行時に燃費が良くなります。

いっぽう電気モーターは、回転数にかかわらずエネルギー効率はほぼ一定。それなら高速で走っても効率が悪化しないように思えますが、忘れてはいけないのが空気抵抗。

空気抵抗は速度の二乗で大きくなるので、走る速度が高まれば高まるほど増えるのです。そしてこれがけっこう大きな力なんです。速く走るクルマの窓から手を出してみると、とても強い力で押されるのでよくわかります。

エンジンで走るクルマも速度が高まれば電気自動車と同じように大きな空気抵抗を受けますが、高速域はエネルギー効率がいいので差し引きすると燃費が向上(とはいえ限度があって速度を上げすぎると燃費は落ちていくので、もっとも燃費がいいのは60~70km/hくらい)。

電気モーターで走る場合、高速走行ではパワートレインの効率は変わらず純粋に空気抵抗が増えるだけなので、電費が落ちてしまうというわけ。だから、電気自動車で高速道路を走るときに、航続距離を伸ばしたいなら速度を上げすぎないのがなによりのコツといえるでしょう。

とはいえ、あまりにも速度が低いと交通の流れを乱して事故を誘発する原因にもなるので、100km/h制限の高速道路であれば安全のために下限は80km/h程度と考えたいですね。

エアコンやヒーターが燃費を悪くする? だからシートヒーターが重要

電気自動車もやっぱり気になる、燃費ならぬ電費。あちこちにガソリンスタンドがあるガソリン車と違って、電気自動車はバッテリーがなくなる前に充電場所までたどり着かないといけませんからね。

というわけで、電気自動車で航続距離を伸ばしたいのであれば、エアコンやヒーターを使うのは最低限にしたいところ。なぜなら、空気を温めたり冷やしたりするために多くの電気を使うので、そのぶん航続距離が短くなってしまうからです。

特にヒーターは、大気中へ捨てることになるエンジンの熱を利用するエンジン車と違ってわざわざ空気を温めないといけないので、ガソリン車よりもエネルギー消費量が多く航続距離を大幅に短くしてしまいます。

そこで活躍するのは、シートを温めるシートヒーターなどの装備。多くの電気自動車にシートヒーターが備わっている理由は快適性もそうですが、暖房を使うよりはエネルギー消費が少なく、航続距離を延ばせるためでもあるのです。

もしもシートヒーターが備わっていない場合は、電気毛布などを使って暖房使用を控えると航続距離を伸ばせますよ。

高速距離を伸ばすにはバッテリーを大きくする

電気自動車の航続距離はクルマによって違いますが、短いタイプでは150kmくらいのこともあるし、長いものでは400kmというものもあります。その違いはどこにあると思いますか?

最大の違いはバッテリー容量です。たとえば携帯電話でも、バッテリーが大きなタイプだと電池が長持ちしますよね。電気自動車だって同じなのです。

たとえば日産リーフは、航続距離が322km(WLTCモード)のモデルと458kmの仕様がありますが、その違いがバッテリー。前者が容量40kWhなのに対し、後者は62kWhと1.5倍も大型化しているのです(単純に航続距離が1.5倍にならないのは、車体が重くなったことなどが影響)。

電気自動車にとってのバッテリーの大きさは、エンジン車でいうと燃料タンク容量のようなもの。大きければ大きいほど、航続距離を伸ばせるのです。

自動車税はいくらくらい? 実は驚くほど安い

では、最後のクエスチョンです。そんな電気自動車の自動車税はハウマッチ?

自動車税はクルマを所有すると毎年払う必要がある税金です。そして、自動車税額は基本的に車両区分とエンジン排気量で決まるのですが、電気自動車はエンジンを積んでいないので排気量で決めようがありません。

答えは、2万9,500円。これは軽自動車程の車体(かつては軽自動車として販売していた)の三菱アイミーブも、大きな車体に大きなモーターを積んだテスラも同じ。そしてこの税額は、ガソリン乗用車でいえば排気量1リットル以下のエンジンを積んだクルマと同じ額で、乗用車(軽自動車を除く)の区分ではもっとも安い税額なのです。これは意外ですよね。

しかも、エコカーを優遇するため購入翌年の電気自動車の自動車税は免除となり、都道府県によっては5年間免除という場所もあるんですよ。ご自分の自治体はどうなっているか、気になる人は確認してみてくださいね。

(文:工藤貴宏 編集:ミノシマタカコ+ノオト)

[ガズー編集部]

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