「西部警察」放送開始年に登場したクルマは? 2019年に40周年を迎える国産車たち

今から40年前となる1979年(昭和54年)は70年代最後の年であり、今でも多くのファンを抱える刑事ドラマ「西部警察」や、学園ドラマ「3年B組金八先生」の放送がスタート。現在でも駄菓子の代表格である「うまい棒」が発売された年でもありました。

そんな1979年に登場した日本のクルマたちを振り返ってみましょう。

日産 ガゼール

シルビアの兄弟車と言えば、今では180SXが知られるところですが、それ以前の兄弟車として登場したのが同年3月に登場したガゼールでした。もともとシルビアは日産サニー系の販売店で取り扱われており、こちらのクルマは日産モーター系の販売店向けに用意されたというのが最大の理由となります。

販売チャネルのキャラクターからシルビアよりやや高級路線に位置付けられており、シルビアに比べてメッキパーツを多用して若干雰囲気を変えていましたが、基本的にはシルビアと共通のボディラインナップやエンジンラインナップとなっています。

そんなガゼールの名前を一躍有名にしたのは、同年から放送を開始した刑事ドラマ「西部警察」に登場した石原裕次郎演じる木暮課長の愛車、ガゼールオープンでしょう。2ドアハードトップモデルをベースにラインナップにはないオープン化の改造がなされた同車は、強烈な印象を残し、今なおレプリカを作って所有するファンもいるほどなのです。

スズキ アルト

現在でもスズキのベーシックカーとしてラインナップされているアルトも1979年にデビューした車種のひとつです。当時の自動車には物品税と呼ばれる税金が存在しており、3ナンバーの乗用車ではなんと23%、軽乗用車でも15.5%もの高い税金が課されていたのです。

一方で、トラックやバス、バンといった商用車は非課税となっており、そこに目を付けたスズキは、軽自動車がほとんど1~2名乗車であることを考慮して、フロントシート優先の軽ボンネットバンとしてアルトをリリースしたのでした。

また車両本体価格も極限までコストを切り詰めた結果、新車価格で47万円という驚異的な低価格を実現。当時の軽乗用車が60万円程度(ダイハツ クオーレで62.2万円~)だったことを考えるとその安さが際立ちますが、これによってアルトは一躍人気車種となり、他メーカーもこれに追従するようになったのでした。

日産 サニーカリフォルニア

当時の日産のベーシックカーであったサニー(4代目)をベースに、より使い勝手のよいステーションワゴンタイプとして登場したのがサニーカリフォルニアでした。それまでも同様のボディ形状を持ったサニーは存在していましたが、すべで商用バンであり、乗用専用モデルとしてはこのサニーカリフォルニアが初だったのです。なお、発売当時はステーションワゴンではなく、5ドアハッチバックと呼ばれていました。

当時のステーションワゴンはどちらかというと“商用バンの延長線上にあるクルマ”というイメージが強いものでした。しかし、オプションとして当時北米で流行していたウッド調デカールを用意したり、イエローのボディカラーをイメージカラーにしたりと、そのイメージから脱却するプロモーションが行われ、RV(レクリエーションビークル)としてステーションワゴンが受け入れられるきっかけとなった1台でもありました。

40年前は簡素な日常の足だった軽自動車も今やコンパクトカーを超える豪華装備を持つ車両が増えてきたり、ステーションワゴン人気はすっかり下火になったりと時代の流れを感じてしまうラインナップとなった1979年デビュー組。そういえば最近は登場するクルマが話題になるドラマも少なくなりましたね。また心をときめかせてくれるようなクルマが登場するドラマは、今後作られるのでしょうか?

(文:小鮒康一 編集:ミノシマタカコ+ノオト)

[ガズー編集部]

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