最新車種のカットモデルや輸入車も展示！　埼玉自動車大学校の文化祭

10月20日、整備士などを目指す生徒が在籍している埼玉自動車大学校で「埼自大祭」と呼ばれる文化祭が開催されました。クルマに特化した講義をする学校の文化祭というのはどういうものなのか、埼玉県北足立郡伊奈町にあるキャンパスにお邪魔しました。

同校は、主に二級自動車整備士や一級自動車整備士の資格取得を目指す専門学校です。一級自動車整備士を目指す場合は4年制の一級自動車整備科に、二級の場合は基本2年間、二級自動車整備科に在籍します。

二級自動車整備科の場合は3年目の選択が可能で、そこから2年間より専門的な科に移るか、就職するかを選択できるそうです。7つの学科が存在し、在籍生徒は約600人。県内はもちろん、全国で最大規模の自動車学校になります。

大きな学校ということで、学校が所有するクルマも見応えがあります。

入り口前に展示してあったのは、NISSAN GT-RやトヨタGRスープラなど話題のクルマたち。これは、ただの展示ではなく、実際に教材として使用する車両。学生募集室長に話を聞くと、なんとGRスープラに関しては県内への納車第1号で、これからあと数台調達するのだそうです。最新の車両を教材として導入する理由に関しては「常に新しいクルマを触って構造を理解してもらいたいから」とのことでした。

校舎内に入ると、学校活動の紹介と共に、2年生が「走行試験運転」という課題に使うシボレーカマロの展示もありました。

「走行試験運転」とは、生徒だけで整備したカマロやコルベットで、関東圏を長距離運転するという課題とのこと。普段の生活ではなかなか触ることのない輸入車を整備し、運転できるということで、来場者の活動を紹介していた二級自動車整備科2年の生徒さんは「学生のうちから高級なクルマに触れるというのは、かなり楽しいです。これが目的で入学を考える人も多いと思います」と話していました。

埼自大祭で重視している活動がカットモデルの展示です。エンジンカットと、車体カットモデルの2パタ-ンがありました。

エンジン単体のものは二級自動車整備士の資格を持つ生徒が、車体全体に関しては一級自動車整備士を持つ生徒が中心となって担当するそうです。

2代目日産リーフのハーフカットモデルの製作と担当した一級自動車整備科の生徒さんは「構造はエンジン車より簡単な印象を受けたのですが、カットしてみると薄い鉄板や多数のコイルが内蔵されていて大変でした」と明かしてくれました。

そして、埼自大祭のメインイベントといってもいいのが「クラス対抗技能コンテスト」です。

資格の有無は関係なしに7学科24クラスから選抜者3人を決めて、自動車整備の正確さを競う大会となっています。正午過ぎに開催されるのですが、開始前から席は埋まり、立ち見も多くいる状態でした。

課題車両には複数のトラブルが隠されており、そのトラブルをいかに早く探して、整備を終了するかが採点ポイントになります。

コンテストの進行などをしていた先生に話を聞くと、自動車メーカーのディーラーの方も、自社に就職が決まった生徒の動きを観察するために、イベントを観戦するそうです。

ちなみに、会場内ではダイハツやスバル、BMW、フェラーリといった名だたる国内外の自動車メーカーの新車の展示が印象的でした。

同校では、毎年夏に「オートジャンボリー」というクルマとバイクの祭典も開催しています。地元の消防署や警察、自衛隊、カースタントチームなども参加する大規模なイベントになるのだそうです。気になる方は、ぜひ学校のホームページをチェックしてみてください。

（取材・文・写真：斎藤雅道　編集：ミノシマタカコ＋ノオト）

＜関連リンク＞
埼玉自動車大学校
http://www.saijidai.ac.jp/

[ガズー編集部]