電気自動車のスポーツカーもたくさん! LAオートショーで感じたアメリカ西海岸の空気感
アメリカ西海岸の大都市、ロサンゼルスで開催された「LAオートショー」というモーターショーを見に行ってきました。今回は、会場でお披露目された新型車を中心に日系メーカー以外の注目すべきモデルにスポットを当てて紹介しましょう。
ポルシェは電気自動車の新バージョンをお披露目
あのポルシェがついに発売した電気自動車(EV)として話題の「タイカン」。環境保護的な側面から電気自動車を出さなければ時代に取り残されてしまう……というのがスポーツカーメーカーであるポルシェまでも電気自動車を発売した理由ですが、ポルシェらしいといえるのは単にエコだけをアピールしないこと。むしろ、環境保護性能にはほとんど触れず、速さを徹底的に強調するあたりがブランドにあわせた戦略と感じます。デザインも、ひとめでポルシェだとわかるものですしね。
タイカン自体は、一足先にドイツで世界初公開されていますがロサンゼルスで新たにお披露目されたのが「タイカン 4S」という仕様。動力性能的にはこれまで発表されていた「タイカン ターボS」や「タイカン ターボ」の下となりますが、とはいえパワーは標準タイプで530psと驚異的。停止状態から100km/hまでの加速はわずか4.0秒と驚きの速さです。航続距離はタイカンシリーズで最長の463kmと、足も結構長いですね。
ちなみに、「タイカン ターボS」は最大で761psもあって、0-100km/h加速はたったの2.8秒。高性能電気自動車の加速力のすごさにあらためて驚きます。
ポルシェにとってアメリカ西海岸は世界最大の市場。だからLAオートショーでは毎回必ず、ポルシェはニューモデルをお披露目します。今年のそれは、電気自動車の新バリエーションだったというわけ。
これがあのマスタング? アメリカ人もびっくりの電気自動車が登場
「マスタング」といえば、アメリカ人にとっては「日本におけるトヨタ86や日産シルビア」のような感覚の手軽なスポーツカー。老若男女を問わず大人気で、ロサンゼルスでもたくさん走っています。
そこからまさかの派生車種が登場するとは……フォード「マスタング マッハE」です。
何に驚いたかといえばまず、マスタングなのに車体形状がクーペやコンバーチブルではないこと。まさかのSUVです。日本車で例えるとしたら「86のSUV」といえば、その“まさか”っぷりがわかりますよね。確かに、フロントやテールランプのデザインはマスタングをモチーフとしているのが理解できます。でも……斜め上を行く展開ですね。
さらに驚きなのは、マスタングの定番である大排気量のガソリンエンジンではなく電気モーターを積んだ電気自動車だということ。SUVで電気自動車のマスタングなんて……10年前に想像できた人はいないでしょうね、きっと。こういうのを見ると、時代は急速に変わっているんだとあらためて実感するのはボクだけでしょうか。
これをベースに量産化! フォルクスワーゲンのEVワゴン
電気自動車拡大路線へ大きく舵を切ったフォルクスワーゲンの提案は、「ID.スペース ビジョン」という名の電気自動車ラージワゴン。まだまだコンセプトカー的な雰囲気もありますが、これをベースにした市販モデルを2021年後半から発売するといいます。
北米では広い室内と大きな車体が好まれるので、こういう選択はありかもしれません。アメリカでは短いと話にならない航続距離も590km(WLTP計測モード)と長めで、ドイツで発表されたゴルフサイズで大きくない量産電気自動車「ID.3」と違って北米で求められる方向性としているのがよくわかります。
インテリアの素材の一部には、リンゴジュースの生産過程で出る廃棄物を使っているのだとか。とことんエコロジィですね。
スーパーカーだってEV! なぜなら時代が求めるのだから
アメリカにある新興EV&プラグインハイブリッドカーメーカーの「カルマ」。同社が初公開したのが「カルマ SC2」と呼ぶスーパーカーです。
スタイルからして、いかにもスーパーカー。シザースドア(ガルウイングドア)の採用も華やかでいいですね。
パワーユニットは2基搭載するモーターで、同社の発表によると合計すると最高出力は驚きの約1000ps! 停止状態から96km/hまでの加速は2秒を切るそうです。スーパーカーまでもEVの時代になりつつあるようですね。ただここまでくると、EVだから環境にやさしいかといえば、一概にはそうとはいえなさそう……(性能をフルに使うと電気をたくさん使うので)。走行中のCO2発生こそありませんけれど。
新型コルベットが大人気。現地のカー・オブ・ザ・イヤーを受賞
アメリカを代表するスポーツカーのシボレー「コルベット」が新型になりました。そして、その変化が驚くべきもの。これまでは車両前部へ搭載していたエンジンを、乗員の後方へ積む「ミッドシップ」へと変更したのです。
だから、プロポーションも欧州のスーパーカーに近づきましたね。
そしてこのカッコよさ。実際に実物を見ると、デザインは細部にわたってアメリカ人の好みにバッチリとあうものだとわかります。
エンジンは6.2リッターのV8で495ps。EVでもハイブリッドでもありません。
インテリアの質感だって大幅に高くなりました。
それでいて凄いのは価格。ベーシックモデルなら約6万ドル(700万円程度)と、互角の性能を持つ欧州ライバルたちの1/3から半分ほどと、信じられない設定なのです。
シボレーはミッドシップ化にファンが付いてこられるか不安視していたようですが、ふたを開けてみたらまさかの(というか当然の)人気炸裂。アメリカにおいてスポーツカーは偉大な存在なのです。
EVも気になるけれど、やっぱりスポーツカーが忘れられない⁉
かつてクルマの排気ガスによる大気汚染に悩まされたことがあるカリフォルニアは、北米では珍しく環境保護意識の高い場所。だから、自動車メーカーはLAオートショーでここぞとばかりに電気自動車をアピールしているのを実感します。
しかし、それだけでは納得できないのが現地のクルマ好き。やっぱり、大パワーのスポーツカー、そして大型エンジンのピックアップトラックやSUVが気になるようです。LAオートショーの会場ではそんな両極端がせめぎあっていたように感じました。建前と本音……なのでしょうか?
(文:工藤貴宏 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
[ガズー編集部]
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