トヨタ「クイックデリバリー」をパニーニのキッチンカーに!「SANDWICH MOMENT」

愛知県豊橋市を中心に営業するパニーニ専門のキッチンカー「SANDWICH MOMENT」。凛とした青色をベースに白で店名が書かれたキッチンカーは、どこか潔さを感じるシンプルで美しい佇まいです。そこには店主・金原慶造さんのこだわりが詰まっていました。

旅好きだからこそ、キッチンカーを選択

20代前半、ヨーロッパ各地を旅したという金原さん。冬、イタリアで食べた熱々のパニーニのおいしさに感動し、「このおいしさと、食べたときに満たされた気持ちを届けたい」との想いから、2018年、勤めていた飲食店を退職し、27歳で独立されました。

店主・金原慶造さん
店主・金原慶造さん

「コンセプトは、作り置きは一切せず、どんなシチュエーションでも焼き立てのパニーニを提供すること。もともと旅好きということもあり、フットワーク軽く、営業場所を変えながら、より多くの人に出会えるキッチンカーで出店したいと思いました」(金原さん)

イタリアのプロシュート(生ハム)やモッツァレラチーズ、地元農家の有機野菜や特注のパンなど、厳選した食材のみを使用。本格的なパニーニを、イベントや趣ある場所など印象的なロケーションで食べた、という“おいしい記憶”をお客さんに刻んでほしいという。

「ミラノサラミのパニーニ」850円(税込)
「ミラノサラミのパニーニ」850円(税込)

選んだのはトヨタの「クイックデリバリー」

2018年9月にオープンした「SANDWICH MOMENT」。当初はテントでのイベント出店や、知人店舗の間借りでコツコツ営業していました。MOMENT号は、2018年10月~2019年3月までの半年間で構想を練り、じっくり製作したそうです。

「大きなイベントでのオペレーションも想定し、大人2~3人がストレスなく仕事ができる車内空間がほしいと考えました。同時に、業務用コールドテーブル(冷蔵・冷凍)や、備品の収納にも余裕が欲しかったため、ある程度の大きなクルマが必要と考えました。こうした希望をオートショップ グレイスの中川社長に伝えたところ、根気よく探してくださり、このクイックデリバリーと出合いました」(金原さん)

金原さんが即購入したトヨタ「クイックデリバリー」ハイブリッド車/平成23年式
金原さんが即購入したトヨタ「クイックデリバリー」ハイブリッド車/平成23年式

配送会社の運搬車として需要の高いクイックデリバリー。現在は生産が中止されている車両なので、市場でもなかなか出回らなくなっています。大きくて広々とした車体は、作業効率とデザインの両立を図る上でもイメージにぴったりだったそう。

清潔感と“品”を重要視

車体購入後も中川社長の協力のもと、内装・外装を詰めていった金原さん。イメージを具現化するため、2カ月間念入りに打ち合わせを重ねてデザインを考え、図面に起こしたそうです。

「色は最初から青一択。他の色の選択肢はありませんでした。一般的に飲食店では寒色を避ける傾向にありますが、イタリアやフランスの街角を連想させるような、少し緑がかった上品な青にしたかったので、特注で配色してもらいました。青 / 白 / シルバーを基調に、ブランドカラーとして記憶されやすいということも意識しました」(金原さん)

MOMENT号の背面。凛とした美しさのある青に白い文字が目立つ
MOMENT号の背面。凛とした美しさのある青に白い文字が目立つ

移動販売車製作会社の「眞空」が内装を担当。お客さんに「安心感のある移動販売店」と認識してもらうため、金原さんのこだわりは細部にまで渡ります。

「新鮮な食材を扱う移動式店舗だからこそ、パリッとした清潔感のある店構えにして、安心してパニーニを楽しんでもらえるようなキッチンカーを目指しました。車内の清潔感と明るさを生み出すために、照明はすべて白色LEDに統一。背面の壁にはアルミ縞板を貼り、備品などはできるだけステンレスでシンプルな物を採用しました」(金原さん)

MOMENT号の内部(製作途中)
MOMENT号の内部(製作途中)

デッドゾーンをなくすため、コールドテーブルやシンクなど厨房什器は幅・高さ・奥行きを特注で合わせ、ピタッとハマる設計にしたり、床も掃除しやすいよう水洗いできるアルミ縞板を敷いたりと、清潔感と機能性をとことん追求した内装です。

ちなみに、パニーニに肝心なパニーニクッカー(焼き台)は、電力1500wの業務用を搭載。もちろん専用の電源を確保しています。また、プロパンなどは持ち込まず、すべてオール電化というから驚きです。

しっかりパンが焼けるパニーニクッカー
しっかりパンが焼けるパニーニクッカー

「品のあるキッチンカーにしたかったため、予算を抑えるためのDIYは一切せず、すべてプロにお任せしました。ベースの車両費や厨房什器、8ナンバー登録などの総額は、520万円ほどです」(金原さん)

予算を考えて自らDIYするという店主が多い中で、徹底的に“品”にこだわり、プロフェッショナルに任せるという潔さ、脱帽です。

MOMENT号のデザイン。どこまでもシンプル
MOMENT号のデザイン。どこまでもシンプル

このクルマで営業して1年弱。幅広い年齢層のお客さんに「青色のパニーニのクルマ」と浸透し、また「安心感がある」というお声をいただいているそうです。着実にリピーターも増えていて、「お店はどこですか?」と聞かれることもしばしば。

「実店舗を構える準備もしていますが、これからもひたむきに、常に今よりおいしいパニーニを追求しながらこの青いクルマと生きていきます」(金原さん)

こだわりにこだわり抜いたMOMENT号。金原さんのまっすぐな心意気が具現化したキッチンカーです。

(取材・文:別役ちひろ 写真:SANDWICH MOMENT 編集:奥村みよ+ノオト)

<取材協力>
SANDWICH MOMENT
https://www.sandwich-moment.com

[ガズー編集部]

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