もうすぐスマートフォンがキーの代わりに。便利に進化している最新キー事情
ドアロックを解除したりエンジンを始動したりと、「キー」はカーライフに欠かせないもの。そんなキーが、ここ20年ほどでかなり進化していることにお気づきでしょうか?しかも最近は進化度合いがますますアップ!そんなキーの最新事情を紹介しましょう。
今では当たり前のリモコンキーの普及は1990年代中盤から
25年ほど前までは、キーといえばどの高級車でさえも電気仕掛けのないシンプルな機械式が当たりまえでした。鍵穴に鍵先を差してガシャ!とドアロック/アンロックしていましたね。
しかし、1990年代中盤になると離れた場所からリモコンでドアロックを操作できるリモコン式のキーが普及し始めます。ちなみにリモコン式が国産車に初採用されたのは1985年のホンダ「アコード」で、その年にはカードを所持するだけでドアロック/アンロックができる(エンジン始動はできない)電波式機構の「カードエントリーシステム」も日産「スカイライン」に設定されています。いずれも普及のずっと前のことです。
いまでは、携帯するだけでOKの非接触式タイプが一般的に
2000年を過ぎたころから、電波を利用し身に付けているだけでドアロック/アンロックやエンジン始動ができる非接触式のキーが普及し始めます。クルマに乗り込んでから降りるまで、まったくキーに触れなくていいというのは画期的でした。一般的に「スマートキー」と呼ばれるタイプです。
日本車での初採用は、2000年に登場した3代目トヨタ「セルシオ」。その後2003年にはコンパクトカーの日産「マーチ」に採用されるなど、急速に広まっていきました。
非接触式キーの登場は、キーのデザインそのものを変えました。いまでは、箱型や楕円型のキーが“普通”に。ちなみに、電池切れなどのトラブルに備えて箱の中に機械式のキーが備わっているのが一般的です。
スライドドアだって離れた場所からキーを使って開閉できる
また、非接触式キーの普及とともにキーの多機能化も進行。電動スライドドア装備車では、写真のようにスライドドアの開閉ボタンが組み込まれているのが一般的ですね。電動テールゲート装備車はその開閉スイッチがあるのも、珍しいことではありません。
遠隔操作でエンジンをかけられるキーもある
写真はホンダ「シビック」用のキーですが、矢印が弧を描いているボタンがあります。これは離れた場所からエンジンを始動するボタン。暑い日や寒い日に、乗り込む前にエアコンを効かせておけるというわけです。
こちらは北米で販売している日産「マキシマ」のキー。いちばん下に、スピーカーが音を出しているようなイラストが描かれたボタンがあります。果たしてこれは?
なんと、緊急時に車両のアラームを鳴らすボタン。「パニックボタン」と呼ばれ、クルマの近くで襲われた際などに押して身を守るための、防犯ブザーと同様の機能です。
カードタイプは財布にも収まり携帯に便利
クルマによっては、携帯に便利なカードタイプのキーもあります。写真は少し古いタイプの「ルノー」車用で、残念ながら非接触式キー(スマートキー)ではありません。「レクサス」など、クルマによってはカードタイプの非接触キーもあります。
キーにディスプレイを内蔵。ついにクルマも遠隔操作できるように
数年前に「これは新しい!」と話題になったのがBMWの高機能のキー。キーに液晶画面が組み込まれていて、航続距離など車両の状態がわかるようになっています。さらに、このキーを使って車外から遠隔操作でクルマを前進させたりバックさせたりもできるのです。
余談ですが、メルセデス・ベンツの一部車種には、スマホ操作で車外から車を動かして駐車&車庫入れ/出庫ができる機能も付いています。
安全のために制限速度を設定できるキーも存在
安全のための機能を盛り込んだキーも存在します。その代表がボルボの「ケア・キー」。クルマの上限速度を設定でき、このキーを使ってエンジンを始動すると設定された速度以上は出なくなります。他人にクルマを貸し出す際や、免許を取得直後にクルマを運転することなどを想定し、国によってはこのキーを使うことで保険料を安くする動きもあるとか。ボルボは2021年以降に本国で発表されるすべての市販モデルに標準装備するそうです。
ついに、スマートフォンがキーの代わりになる時代がやってくる
そして、最新といえるのはキーそのものが不要になるタイプ。キーの代わりにスマートフォンを活用するのです。写真はスマートフォンをクルマに近づけてドアロックを解除する様子ですが、もちろんエンジン始動(EVやハイブリッドではシステム起動)もキーを使うことなくスマートフォンだけで可能。
欧州ではすでに市販されていましたが、これまでスマートフォンをキーとして使う(エンジンやシステム始動までおこなう)ことが認可されていなかった日本でも2019年秋から認められることになりました(スマホによる通信やNFC機能でドアロック/アンロックを行えるクルマはそれ以前から認められていて日本でも存在します)。日本国内向けでは、2020年後半に発売されるホンダの電気自動車「ホンダe」が搭載第1号になる見込みです。
(文:工藤貴宏 編集:奥村みよ+ノオト)
<関連リンク>
インテリジェントキーシステム | 日産|技術開発の取り組み
https://www.nissan-global.com/JP/TECHNOLOGY/OVERVIEW/iks.html
ボルボ公式サイト ドライビングの未来
https://www.volvocars.com/jp/why-volvo/human-innovation/future-of-driving
[ガズー編集部]
あわせて読みたい!
最新ニュース
-
-
高性能4シーターオープン、メルセデスAMG『CLE 53カブリオレ』発売、価格は1400万円
2024.11.22
-
-
-
【ラリージャパン 2024】開幕!! 全行程1000km、SSは300kmの長く熱い戦い
2024.11.22
-
-
-
「GT-R」の技術が注ぎ込まれたV6ツインターボ搭載、日産『パトロール』新型が中東デビュー
2024.11.22
-
-
-
「高いのはしゃーない」光岡の55周年記念車『M55』、800万円超の価格もファン納得の理由
2024.11.22
-
-
-
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
2024.11.22
-
-
-
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
2024.11.22
-
-
-
日産のフルサイズSUV『アルマーダ』新型、ベース価格は5.6万ドルに据え置き…12月米国発売へ
2024.11.21
-
最新ニュース
-
-
高性能4シーターオープン、メルセデスAMG『CLE 53カブリオレ』発売、価格は1400万円
2024.11.22
-
-
-
【ラリージャパン 2024】開幕!! 全行程1000km、SSは300kmの長く熱い戦い
2024.11.22
-
-
-
「GT-R」の技術が注ぎ込まれたV6ツインターボ搭載、日産『パトロール』新型が中東デビュー
2024.11.22
-
-
-
「高いのはしゃーない」光岡の55周年記念車『M55』、800万円超の価格もファン納得の理由
2024.11.22
-
-
-
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
2024.11.22
-
-
-
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
2024.11.22
-