地域限定デザインもいっぱい! 道路で見かけるアニマルガード
ドライブ中、道路工事の現場で動物の形をしたガードを見かけます。これらは「単管バリケード」というアイテムで、動物デザインのものは「アニマルガード」と呼ばれています。
今回は工事現場で目を引く「アニマルガード」を生み出した仙台銘板に、そもそも「単管バリケード」とはどういうものか、そして「アニマルガード」が生まれたきっかけなどを伺いました。
「単管バリケード」とは?
- 仙台銘板東京営業所所長の千葉洋臣さん
今回、アニマルガードについて教えてくれたのは、仙台銘板東京営業所所長の千葉洋臣さんです。そもそも「単管バリケード」とは、どういうアイテムなのでしょうか?
「道路工事の現場で、工事現場と道路や歩道の境目などを明確にするためのアイテムです。子どもがまたげないくらいの高さで、進入を防止する役割を果たします。」(千葉さん、以下同)
構造は単管バリケードの本体に3~4mの鉄パイプをつけてつなげるだけ。大きな現場では1,000基ほど並ぶこともあるそう。
「動物のバリケードもシンプルなバリケードも、プラスチック樹脂でできており、中には空気が入っています。レンタル品なので、もしクルマにひかれても壊れないほど丈夫な作りになっているんです」
さらにキャラクターの「アニマルガード」の場合、白い部分が反射板になっているとのことで、かわいいだけでなく、夜も目立つように気配りがされているのだそうです。
アニマルガードでクレームが減った!
- サルに続いてカエル、ゾウなど多くのアニマルキャラが生まれた
では、今回のメインテーマ「アニマルガード」は、いつ、どのようなきっかけで生まれたのでしょうか。
「生まれたのは2006年、弊社旭川営業所です。旭川動物園が話題になっているところからヒントを得て、サルのデザインのアニマルガードを工事現場に置くようになりました。目的は工事現場のイメージアップです」
工事現場=「きつい」「汚い」「危険」の「3K」のイメージが強い場所。だからこそ、イメージをよくしたいという思いが動物バリケードの誕生につながりました。
「動物のバリケードをおくことで、『うるさい』『土埃が気になる』といったクレームが減りました。また、『心が和む』という声も寄せられたのです」
サルでイメージアップに成功した仙台銘板さんは、次にカエル、そしてゾウのガードも作り出していきました。
地域密着でデザイン展開中
サルやカエルといったアニマルガードは全国に展開していますが、地域限定のデザインも多くあります。そこには、意外な意図がありました。
- カタログに掲載されているアニマルガードたち。地方オリジナルも多数
「現在アニマルガードは20~30種類はあるでしょうか。ご当地キャラクターもあります。実は地域密着のデザインにすることで、自治体としても地域のアピールにもなりますし、我々は地方に参入するきっかけにもなるんです」
千葉さんが以前、岐阜の営業所にいた頃はなかなか地元企業に切り込めなかったそうです。しかし、「ぎふ清流国体・清流大会」のマスコットキャラクターのミナモをバリケードにしたところ、多くの発注がもらえるようになりました。
さらに、アニマルガードが増えるにつれ、アニマルガードファンも増えたと言います。
「アニマルガードストラップを作って、工事現場の近隣の学校に配ることもあります。これも地域密着や工事現場のイメージアップにつながればと思って行っています」
- キャラクターを使ったアニマルガードストラップ。営業所まで買いに来たファンもいたとか
地方に行ったときは、その場所だけのアニマルガードをドライブがてら探すのも楽しそうです。
より汎用性の高いデザインも登場
最近はシールを貼るだけでカスタマイズできるバリケードも作っているとのことで「より手軽に、地域や企業のPRに使えます」とのことです。今後も、まだまだ新しい形や種類が増えそうです。
- シールを貼るだけで簡単にオリジナル単管ガードが作れる
最後に、GAZOO.comを見ているドライバーのみなさんにメッセージをいただきました。
「自分もついつい助手席にいるときは、アニマルガードがあると見てしまいます。でも安全運転が第一。見てもらえるのはありがたいですが、事故だけには気をつけてくださいね」
地域によって異なるアニマルガード。気になるところですが、運転中のよそ見は厳禁! ぜひ、同乗者のみなさんにアニマルガードをチェックしてもらってください。
(取材・文:ミノシマタカコ 編集:奥村みよ+ノオト)
<関連リンク>
仙台銘板
https://www.s-meiban.com/
[ガズー編集部]
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