「セパレートシート」と「ベンチシート」の違いはなに? 知っているようで知らないクルマ用語
いま、日本では軽自動車やハイトワゴンタイプのコンパクトカーが人気ですが、そういったクルマのカタログを見ると、装備欄に「フロントセパレートシート」や「フロントベンチシート」と記載されていることがあります。果たして、それらはどんなシートなのでしょうか?
違いは、左右が離れているか、それともつながっているか
フロントシートとは運転席や助手席のこと。そして「セパレートシート」とは、左右が離れているシートのことです。一般的なセダンやミニバンなどの運転席や助手席をイメージすればいいでしょう。運転席と助手席の間には“溝”があります。
- 運転席と助手席の間にドリンクフォルダーやコンソールボックスなどがあるタイプの「セパレートシート」
いっぽう「ベンチシート」とは、左右がつながったシートのこと。運転席と助手席の間に溝がない形状のシートです。ただし、一般的なクルマの場合は左右が完全に一体化しているわけではないので、シートの前後調整やリクライニング調整は左右それぞれ独立して行えます。
- 運転席と助手席の間に溝がないタイプの「ベンチシート」
ちなみに、一般的な乗用車の場合はベンチシートで左右がつながっていても、座れるのは3人ではなく2人です。
セパレートシートのメリットはどんなところ?
セパレートシートのメリットは、まず左右の座席の間に隙間があることによって解放感が高まること。そしてセダンやSUVなどはそこを収納スペースとして利用できることです。
軽自動車やコンパクトカーでは、運転席と助手席の間にトレーを設置し、小物などを置くスペースとして活用していることも。また、ミニバンでは左右の座席の間を通り抜けて前席から後席へ移動できるクルマもあります。そのような使い方を「ウォークスルー」と呼んでいます。
ベンチシートのメリットはどんなところ?
ベンチシートの実用面での最大のメリットは、助手席から運転席、もしくは運転席から助手席への座り替えが楽にできること。たとえば、運転席側のドアがしっかり開けられないような駐車スペースにクルマを止めた際に助手席側から乗り降りするのが楽になります。
また、駅まで家族を送っていくようなシーン。
駅までの道を運転していたドライバーが駅で降りた後、助手席の人が運転席へサッとスムーズに移ることができるのも便利。特に雨の日、そして寒い日や暑い日は、車外に出ることなく楽に座り替えできるのがうれしいですね。
では、どっちのシートがいいの?
軽自動車やコンパクトカーの中には、前席をセパレートシートとベンチシートから選択することができる車種もあります。どちらを選ぶかは、好みや使い方次第。運転席の横にドリンクフォルダーや小物を置きたいならセパレートシートが便利ですが、座り替えを優先するならベンチシートがいいでしょう。それぞれ長所があるので、自分の使用シーンと照らし合わせるのがポイントです。
かつては、セダンにもベンチシートがあった
日本ではなくなってしまいましたが、かつてはセダンでもフロントにベンチシートを備えたクルマもありました。タクシー用車両でも多く使われていたので「タクシーで見たことがある」という人もいるかもしれませんね。
それらセダンのベンチシートは、中央にも人が座れ、前席だけで合計3人が乗れる車種もありました(写真は2人掛けです)。
ミニバンや一部のSUVでは2列目でセパレートシートとベンチシートを選べることもあります。その場合は、乗車定員や3列目への移動方法が大きく変わることや、フルフラットにしたときの使い勝手が変わるなどの違いがあり、使い方や選び方は前席とは異なります。
ベンチシートとセパレートシートの違いは、実際に使ってみないとメリットを実感しにくいかもしれません。だからこそ、クルマを買う際は違いをしっかり理解しておくといいでしょうね。
(文:工藤貴宏 編集:奥村みよ+ノオト)
[ガズー編集部]
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