「ドライブレコーダーつき自動車保険」ってどんなメリットがあるの？

急速に普及が進むドライブレコーダー。メーカー純正もアフターマーケット品も、さまざまな機種が販売されています。では、それとは別に保険会社が提供するドライブレコーダーがあることをご存じでしょうか？

2004年に実走行距離連動型自動車保険として始まった「テレマティクス自動車保険」と呼ばれるもののひとつで、通信機能つきドライブレコーダーがセットされた自動車保険です。この保険はあいおいニッセイ同和損保や損保ジャパン日本興亜、三井住友海上などが導入しています。

たとえば、あいおいニッセイ同和損保では、2015年より英国のInsure The Box Limitedが持つ、地球約19万周分におよぶ膨大なドライブデータを元にテレマティクス技術を活用したサービスに着手。データを利用したさまざまなサービス展開を始め、ドライブレコーダーつきの「タフ・見守るクルマの保険プラス」を2019年8月にスタートしました。

あいおいニッセイ同和損保を例にすると、2015年からトヨタの「T-Connect」と連動する運転支援機能を搭載した保険「つながる自動車保険」を販売。もっともこの頃はまだ黎明期で、映像を記録するドライブレコーダーがついていたわけではなかったため、それほど普及しなかったそうです。

しかし、ジャイロのついた支援システムを追加して、運転状況をモニターするサービスの提供を開始すると、高齢者の運転の様子を遠方の家族が知ることができるなど、新しいニーズが生まれました。そして、この「第三者が運転をモニターする」という観点から、ドライブレコーダーつきの保険が誕生します。

ドライブレコーダーがクルマに装着されていれば、その映像が交通事故の客観的な物証になり、警察や保険会社は対応を迅速に行えるようになります。さらに、ドライブレコーダーに通信機能があれば、事故直後の対応はさらに素早くなります。交通事故を起こしてしまったドライバーは、気が動転していることも多いですから、すぐに警察や保険会社に連絡ができれば、ドライバーにとっても大きな安心となります。

ドライブレコーダーには、映像だけでなく位置情報も記録されるため、不慣れな土地での事故でも確実に場所を伝えられるメリットも。また大きな事故で、自力で連絡できない場合には、モニターシステムが判断して、自動的に保険会社に非常事態を連絡する「事故緊急自動通報サービス」も備えています。そのわずかな時間が、命をつなぐ可能性もあるでしょう。

あいおいニッセイ同和損保では、ドライブレコーダーつき保険の新サービスとして、運転チェックにより割引サービスも行っています。具体的には、モニターシステムがドライバーの運転を評価し、A～Cにランクづけ、運転のたびに音声でアナウンス。運転スキルの把握や改善に役立つだけでなく、高評価（＝安全運転）が続けば、保険の料金が最大8％割引されるというものです。

筆者はこのドライブレコーダーつき保険を2019年から利用しています。実際に保険会社から貸与されたドライブレコーダーを使ってみると、実にさまざまなアドバイスや注意を受けました。

たとえば、急発進や急ブレーキ、速度超過、ふらつきを走行中に指摘されるのです。また、起動時には先のドライブ評価のほかにも、その日の天候や交通状況からの注意も知らせてくれます。また、位置情報からオービスを教えてくれることもありました。音声をオフにすることもできますが、さまざまなアドバイスや注意が流れることで、無意識に運転への気が入るように感じます。

交通事故はもちろん、最近ではあおり運転などからも注目されるドライブレコーダー。これから装着を考えているならば、こうした自動車保険とセットになっているタイプも候補に入れてみてはいかがでしょうか？

（取材・文：きもだこよし 取材協力：あいおいニッセイ同和損保代理店(株)シーエムオー熊谷伸彦　編集：木谷宗義＋ノオト）

＜関連リンク＞
あいおいニッセイ同和損保「タフ・見守るクルマの保険プラス」
https://www.aioinissaydowa.co.jp/corporate/service/telematics/plus.html

[ガズー編集部]