解体寸前の蔵を「クルマ好き」が集まるカフェに!「Revival CAFE(リバイバルカフェ)」

神奈川県三浦半島の西側を通る国道134号線。「Revival CAFE(リバイバルカフェ)」は、この134号線沿い、横須賀市から三浦市に入ってすぐのところにあります。存在感のある蔵の前の駐車場には、いつもきれいなクルマとバイクがとまり、店内やデッキではお客さんが思い思いの時間を過ごしています。

入り口に配置された白いトライアンフ「TR4」と、フォードの赤いボンネットバスのおかげで、見落とすことはありません。SNSでは「クルマ好きやバイク好きが集まるカフェ」と評判で、取材に訪れたこの日も、駐車場には多くのクルマとバイクが止まっていました。

入り口の脇に描かれたシトロエン「Hトラック」は、オープン当初からお客さんを出迎えたカフェのシンボル的な存在。グリルのダブルシェブロンには本物のエンブレムが用いられ、近寄ると立体的な作りの力作であることがうかがえます。

店内には時代やブランドを問わずクルマに関わるグッズ、ミニカー、実物のパーツが所狭しと飾られています。実はカフェのスタッフや関係者が飾ったアイテムは少なく、半分以上はお客さんから寄贈されたものとのこと。眺めているだけで、楽しい時間が過ごせます。

代表の三﨑由湖(みさきゆみ)さんに、クルマをテーマにしたカフェをオープンした経緯をうかがいました。

当初のコンセプトは「英国車が集まるカフェ」

三﨑さんがこの場所にカフェを作ろうとしたきっかけは、もともと建っていた蔵(現在の店舗)が印象に残っていたからだそう。

「10年くらい前から、前の道(134号線)を通るたびに『立派な蔵だな、なにかに利用できないかな」って思っていたんです。縁があって蔵の所有者のお子さんと知り合いになることができ、『蔵は今日にも取り壊す』と教えてもらい、急いで駆けつけました」(三﨑さん)

蔵に到着すると、まさに取り壊す直前の状態。慌てて業者に中断をお願いし、所有者の元へ談判に向かったそう。

取り壊される寸前の蔵
取り壊される寸前の蔵

「こうなったら、もう引き返せませんよね。その場で買い取ることを決めました」(三﨑さん)

こうして蔵の所有者になった三﨑さん。当初は、当時の本業である美容(エステ)に関わるお店に改装するつもりでしたが、蔵を生かすことができないため断念。親しい友人達と蔵の活用法を話し合い、クルマをテーマにしたカフェを始めることに決めました。

自らリノベーションをする三﨑さん
自らリノベーションをする三﨑さん

「当時の私はイギリスのクルマが好きで、1974年製の『MGB』に乗っていたんです。それで最初は『英国車が集まるカフェ』のイメージを目指しました」(三﨑さん)

当初、改装には半年ほどを予定していたそうですが、台風の被害を受けて工事は停滞。水回りに悩まされながら、最終的には2年を費やすこととなりました。

「蔵は築100年近くが経っていると聞いています。内装や壁など、貴重で魅力ある部分は極力、残す方向でリノベーションしました。工事は5~6人で始めたのですが、人が人を繋いでくれて、50人以上の人たちが何らかの形で手伝ってくれましたね」(三﨑さん)

新たにカフェに生まれ変わった蔵
新たにカフェに生まれ変わった蔵

「Revival CAFE」の命名とロゴの製作は、三﨑さんによるもの。2階に登る螺旋階段は、ロンドンの2階建てバスと同じ角度と段差(回転方向は逆)にするなど、あちこちに細かいこだわりが込められています。

2018年5月、いよいよリバイバルカフェがオープン。スタッフも、これまでに築いてきた人脈により、自然と集まりました。

「クルマ好き」と「これからクルマ好きになる人」が、繋がることのできるカフェへ

カフェで提供されるサンドイッチやパスタは、地産の三浦野菜を使用したもの。朝、仕入れた野菜で、その日のおすすめメニューは決まります。こういったスタッフのこだわりが反響を呼び、それまでクルマに興味のなかった地域の人たちも、足を運んでくれるようになったそうです。

「駐車場にクラシックカーやスポーツカーがとまっていると、興味を抱いたお客様が来店してくれるんですよ。この前も女の子が『このお店って、なんのお店ですかーっ!』って、元気よく飛び込んでくれました。男性はおとなしく静かに、女性は積極的に興味を隠すことなく入店してくれる傾向がありますね」(三﨑さん)

クルマやバイクをきっかけとしたお客さん同士の交流も盛んで、「クラシックカーを買いたいけれど、果たして維持は大変なのか?」といった疑問や悩みを抱えた若い人が、先達に意見を聞きたくて訪れることもあるそう。

「話しかけられた常連のお客様は、自分が分からなくても『あの人なら知ってるんじゃないかな?』と、適任者を教えてあげています。常連さんからも『若い人との会話は新鮮で発見が多く、楽しい』とよく聞きますね。一見さんが、いきなりほかのお客様に話しかけるのは勇気がいると思うので、まずはカフェのスタッフに話しかけてもらえればと思います」(三﨑さん)

オープン後も店舗のアップグレードは怠りません。ほどなくして来店するお客さんが増え、店外で待たせてしまう機会が増えてしまったそうですが、法律の関係で蔵を増築することは難しい。そこでクルマをテーマにしたカフェならではの打開策を見いだします。

「知り合いの紹介でフォードのクラッシクな型のボンネットバスを購入し、客席として使用できるよう改装したんです。これで雨の中や冬の寒い中、お客様を待たせてしまうケースを少なくすることができました。ボンネットバスではなくアメリカの大型のスクールバスの導入も考えたのですが、大きすぎて敷地に入らなかったんですよ」(三﨑さん)

 

カフェのスタッフ、そしてさまざまなお客さんが気持ちよく交流できるリバイバルカフェ。これからも三浦半島をツーリングした際の定番スポットとして。またクルマ好きや、クルマが気になる人がふれあえる場として、多くのお客さんを招くことでしょう。

<関連リンク>
Revival CAFE
http://www.revivalmiura.com/

(取材・文・写真:糸井賢一、Revival CAFE 編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

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