トヨタ アルファード 先代アルファードと、どう違う?

さらなる存在感を実現

2015年1月、アルファードが3代目にフルモデルチェンジした。人気の高い最高級ミニバンとして、これまで評価されてきた基本路線を継承しながらも、新しい高級車の概念を創造することを目指し、大幅な進化が図られている。
エクステリアは、堂々としていながら華やかさのあるフロントビューや、独自の存在感を主張するリヤビューが見どころ。また、内装はより上質なものとなり、快適性や便利さについても改善。パワートレーンやサスペンションなどの機構にも手が加えられている。先代からどこがアップデートされたのか、比較して検証した。
(写真はすべて上が現行モデルで、下が先代モデル)

エクステリア(外観)

フロントまわり

エクステリアは、既存の高級車を圧倒する、揺るぎない存在感とスタイリングを目指してデザインされている。先代のハイノーズデザインは押しの強さの中に端正さをたたえていたが、新しいフロントグリルは大胆でアクの強いもの。アッパー部を下に伸ばしてロア部と一体化し、縦に分厚い形状を作り出した。バンパーで左右からはさむこむ構成で、迫力と華やかさを表現している。

サイドビュー

全長(標準ボディ)は先代から45mm伸びて4915mmとなった。ホイールベースは+50mmの3000mmである。特徴的なセンターピラーは引き継がれ、Z型メッキモールでダイナミックさがさらに強調された。フロントからリヤに向かって放射状に変化する立体的な造形で、威勢のよさを表現している。

リヤまわり

全幅を+20mmの1850mm、全高は-10mmの1880mmとしたことで、従来のハコ型ミニバンの領域を超えた斬新・活発なスタイルを作り上げた。リヤコンビネーションランプはメッキガーニッシュと組み合わせてU字形とし、ハの字に構えたバンパーとの対比で力強さとワイド感を強調した。

インテリア

インストルメントパネル

3代目アルファードのインテリアは、斬新さの中に新しい高級感を生み出すことを意図してデザインされている。センタークラスターは先代よりも幅が広がって独立形状となり、削り出しの金属のような加飾で堂々とした車格感を演出した。木目調の加飾は3種類を用意し、ホログラム層の採用や3Dプリント技術の導入で、光の表現を取り入れている。

メーター

先代は大小の4眼タイプだったが、現行モデルは燃料計と水温計を大きなメーターの内側に含め2眼タイプに。全車でオプティトロンメーターを採用し、中央には4.2インチTFTの大型カラーマルチインフォメーションディスプレイを配している。

シフトレバー

ガソリン車もハイブリッド車も、シフトレバーはゲート式を踏襲。現行モデルではセンタークラスターの幅が広がり、シフトレバーの横に各種スイッチが配置される。

シート

1列目

10mm低床化したものの、ミニバンのよさである視点の高さはキープ。シート表皮には、ファブリック、ファブリック+合成皮革、本革、セミアニリン本革の4種が用意されている。

現行モデルのリラックスキャプテンシートでは、助手席をセカンドシートと同じレール上に設置することで、最大1160mmのロングスライドが可能になった。2列目の位置まで下げることで、広大な足元スペースが得られるのはもちろん、後席の乗員と容易にコミュニケーションが取れるようになる。

2列目

リラックスキャプテンシートでは、2列目も先代に比べて+30mmとなる最大830mmのロングスライドが可能に。さらに、より簡単なレバー操作で左右のスライドができるようになった。独立型のセカンドシートには、ほかにエグゼクティブパワーシートとエグゼクティブラウンジシートがあり、快適なおもてなし空間が提供される。8人乗り用のベンチ式シートもラインナップされるのは先代と同様。これには、6:4分割のチップアップ機構が備わる。

3列目

サードシートは5:5分割スペースアップシートを継承。中央席ヘッドレストは、床下収納スペースのポケットに入れることができる。座席を跳ね上げた際の荷室幅は、35mm広がって890mmになった。

シートアレンジ

多彩なシートアレンジはさらにバリエーションが広がった。フルフラットモードやスーパーリラックスモードに加え、スーパーロングスライドを利用して助手席と左側シートを後方にスライドさせたダブルトライアングルモードなども可能に。

エンジン

3.5LのV6エンジンは従来通りだが、直列4気筒エンジンは2.4Lから新しい2.5Lに変更された。ハイブリッド仕様も、専用の2.5Lエンジンとモーターの組み合わせとなる。写真は、現行モデル、先代モデルともにハイブリッド車のもの。

収納

コンソールボックス

現行モデルでは、コンソールボックスは大型と小型の2種が用意される。写真は大型のもの。前席の下にバッテリーを搭載するハイブリッド車でも十分な容量を確保している。

折りたたみ式サイドテーブル

リラックスキャプテンシートの2列目には、折りたたみ式サイドテーブルが用意される。ボトルホルダーが前後2本ずつになり、前方には買い物袋などを吊り下げるためのフックも加えられた。

運転席ロアボックス

運転席の前方右下には、ふた付きの小物入れスペースを確保。現行モデル、先代モデル共通のディテールである。

グローブボックス

より上質な質感となったグローブボックス。

オーバーヘッドコンソール

サングラスなどを入れられるオーバーヘッドコンソールは、先代から踏襲される。

シートバックポケット

運転席、助手席ともに、その背面には冊子を収納するためのシートバックポケットが付く。

1列目ドアポケット

1列目のドアポケットには、従来通りボトルホルダーと冊子の入るスペースが設けられている。

スライドドアポケット

冊子が収納できた先代に対して、現行モデルのスライドドア内側にあるのは、ボトルホルダーのみ。これは、ドア開閉時における物の干渉に配慮してのこと。

クォータートリムサイドボックス

3列目の側面にも、ボトルホルダーや小物入れが用意されている。

3列目ヘッドレスト収納場所

3列目中央席のヘッドレストは現行モデル、先代モデルともに着脱可能。不要なときは取り外し収納することで、ドライバーの後方視界確保を優先できる。収納スペースは、先代では右側シートの背面に、現行モデルはラゲージ床下収納内に確保されている。

ルーフ照明

天井のイルミネーションは、先代では間接照明だったが、現行モデルでは16色で4段階に調光できるLEDのカラーイルミネーションとなっている。

2列目シート操作レバー

現行モデルの2列目キャプテンシートは、前後・左右方向それぞれのスライドレバーを持つ先代と異なり、1本のレバーで前後左右のスライドが可能となっている。下方に見える小さなレバーは、オットマンの調整用。

[ガズー編集部]