漫画「カウンタック」の作者 “梅澤春人” に聞いたクルマの魅力
数多くある漫画の中で、クルマを題材にした作品ってたくさんありますよね。今回は、カウンタックLP400を通して、様々な人との交流やバトルを描いた「カウンタック」の作者 梅澤春人(はると)先生にインタビューしてきました!
プロフィール
漫画家 梅澤春人(うめざわはると)
週刊少年ジャンプ特別編集増刊 1988年Summer Specialに掲載されデビュー。代表作品に週刊少年ジャンプで連載された「BØY」「無頼男-ブレーメン-」、週刊ヤングジャンプで連載された「カウンタック」など。最新作「ビーストホイラー」の単行本が絶賛発売中。
最初に買ったクルマは「ポルシェ」!
- めったに取材などで顔を出さない梅澤先生が、特別に登場!!取材場所は地下に仕事場が併設されたご自宅です。
- 漫画「カウンタック」。主人公の空山 舜(そらやましゅん)がカウンタックLP400を手に入れて、これまでの退屈な人生と決別するというストーリー。
―大変なクルマ好きと伺っています。そもそもクルマに興味を持ったキッカケは?
周りの大人の影響ですね。小さい頃におじさんたちがアメリカ車の話ばかりしていて、聞いているうちに大好きになりました。それからしばらくして僕が小学5年生の時にスーパーカーブームがやってきた。見たこともないようなクルマたちに衝撃を覚え、「カッコイイ」「時速300km」を合言葉に大興奮でしたね。
―最初に買ったクルマは何でしょう?
実は……「ポルシェ928」です。
―最初からポルシェ!
免許を取得してすぐに購入したわけじゃないですよ。これでも随分と我慢したほうだと思います。「漫画家になってヒット作品を誕生させたら、乗りたいクルマを買おう」と決めていて、それは僕の夢でもありました。
当時は景気が良かったから、ローンを組んでクルマを買おうと思えばいくらでも買えた時代です。でも「自分が心から欲しいクルマを買う」を目標にしてずっと我慢。手元のお金は、映画観賞や資料収集など、漫画への投資に使っていました。ポルシェの写真を机に貼っていたのを覚えています。あれが漫画を描くモチベーションのひとつになっていましたね。
ちょっと意外な、漫画「カウンタック」誕生秘話
- カウンタックLP400は世界で150台しか生産されなかった希少なクルマ。
- 梅澤先生が乗ってきたクルマの数々。とにかく根っからのクルマ好きだと感じました。
―その後はどのようなクルマを購入しましたか?
子どもが生まれたのをキッカケにファミリー向けのベンツを買って、それからはトヨタのMR2など。MR2は高校時代に一番欲しかったクルマで、僕にとって憧れであり初恋の相手のよう。
多い時は5台所有していました。手放したクルマもありますが、ランボルギーニ・カウンタックLP400は今でも大切な宝物です。縁があって購入でき、本当に運が良かったんだと思います。
―漫画「カウンタック」が誕生した経緯は?
実は「カウンタック」は当初、連載の予定がなかったんですよ。というのも、ヤングジャンプの担当さんと他のテーマの漫画の打ち合わせをしていて、それを連載することになっていました。だけどその頃は「失敗したらどうしよう」と作品作りに悩んでいて……。
クルマが好きすぎて……世界に1台のクルマを製作!
- 2009年の東京モーターショーのガイドブックに描いた、梅澤先生の考える夢のクルマ。
- こちらが「カウンタック」にも登場したHIEROの実車! 未来的なデザインがクール!
―「カウンタック」は約8年間の長期連載でしたね。
カウンタックをデザインしたガンディーニ氏に会えたり、大好きなコルベットの工場に取材できたり、とにかく幸せな時間でしたね。「カウンタックを読んでクルマが好きになった!」というファンレターもいただきました。そんな声は漫画家冥利に尽きます。「カウンタック」で登場したHIERO(ヒエロ・作中に登場するオリジナルのスーパーカー)もそう。僕の夢を叶えてくれた漫画でもありますね。
―そのHIERO! 実車には驚きました。
2009年の東京モーターショーのガイドブックで「夢のクルマを描いてもらえないか」という企画を打診され、「やります!」と即答しました。それがHIEROのデザインの原点です。それからしばらしくて風洞実験(人工的に風を作って風の影響を調査する実験。クルマでは空力性能の向上を追求するため行われる)などを行っている方と取材で会い、HIEROのことを話すと「模型だったらいつでも作るよ」と言ってもらえたんです。
そして、「どうせなら1/1の模型を作ろう。いや、1/1だと今度は走らせたくなるよな~」と想像が膨らんで……最終的には、いろいろな方の協力を得て実車の製作を実現させることができました。
HIEROは完成まで2年かかりました。デザインは「カウンタック」で登場したものを忠実に再現しています。登録の関係上公道は走れませんが、サーキットであれば問題ありません。世界に1台だけの宝物です。
これからも「カッコイイ」クルマと出会いたい!
- 「カウンタック」の原画。クルマ漫画はディテールまで忠実に描かなければならないので大変!
- 現在はデジタル原稿が主流のよう。取材で梅澤先生のファンになってしまった編集部。次回作が楽しみ!
―普段からドライブしたりするのですか?
ポルシェを買った当初は、仕事を終えてから夜明け前の首都高速をドライブするのが楽しみでしたね。あ、でも、どちらかと言えば、僕はクルマを運転していることよりも、クルマのデザインを眺めているほうが好きなタイプです。漫画を読んで、走り屋と期待されていた方はすいません。(笑)
―これから乗ってみたいクルマはありますか?
現行で一番好きなクルマはシボレー・コルベット。今度C7型が出るので乗ってみたいですね。あと、TOYOTAのピンクのCROWNがあるじゃないですか?あのカラーのままで発売されると聞いて非常に興味がわきました。ああいうアプローチは素敵だと思います。
―今後の目標を教えてください。
仕事のことではすぐに思い浮かばないですね……。プライベートですと、許されるならHIEROでアメリカ横断とかしたいかな。ルート66をのんびり走りたいです。
―最後にクルマ好きな方々にメッセージを。
僕はクルマの見た目が一番好き。デザイン、カタチ、そしてカラー。スーパーカーブームも「カッコイイ」をキーワードに始まったと思っています。だからクルマを見て「カッコイイ」という感情が生まれたら、それを大切にしてもらいたいですね。そしてメーカーの方々には、これからも魅力的なデザインのクルマを作ってもらえたらなと思います。
―梅澤先生、貴重なお話ありがとうございました!
- 「カウンタック」の原画。クルマ漫画はディテールまで忠実に描かなければならないので大変!
- 現在はデジタル原稿が主流のよう。取材で梅澤先生のファンになってしまった編集部。次回作が楽しみ!
[ガズー編集部]
最新ニュース
-
-
JAOS、レクサスLXで「BAJA 1000」参戦、過酷なオフロードレース制しクラス優勝
2024.11.25
-
-
-
ワゴン専用になったVW『パサート』、524万8000円で日本発売 PHEVはEV航続142kmに
2024.11.25
-
-
-
VW ティグアン 新型発表、米国はひと回り大きい『タイロン』ベースに…ロサンゼルスモーターショー2024
2024.11.25
-
-
-
『危ねぇ知らなかった!』危険回避! 知らないと怖いブレーキパッドの交換タイミング~カスタムHOW TO~
2024.11.25
-
-
-
ダイハツ『タフト』安全性能向上で仕様変更、138万6000円から
2024.11.25
-
-
-
エンブレムが立ち上がった! メルセデスベンツ『EQS』が「電気自動車のSクラス」らしく進化 1535万円から
2024.11.25
-
-
-
マツダのフラッグシップといえば『センティア』があった【懐かしのカーカタログ】
2024.11.25
-
最新ニュース
-
-
JAOS、レクサスLXで「BAJA 1000」参戦、過酷なオフロードレース制しクラス優勝
2024.11.25
-
-
-
ワゴン専用になったVW『パサート』、524万8000円で日本発売 PHEVはEV航続142kmに
2024.11.25
-
-
-
VW ティグアン 新型発表、米国はひと回り大きい『タイロン』ベースに…ロサンゼルスモーターショー2024
2024.11.25
-
-
-
『危ねぇ知らなかった!』危険回避! 知らないと怖いブレーキパッドの交換タイミング~カスタムHOW TO~
2024.11.25
-
-
-
エンブレムが立ち上がった! メルセデスベンツ『EQS』が「電気自動車のSクラス」らしく進化 1535万円から
2024.11.25
-
-
-
ダイハツ『タフト』安全性能向上で仕様変更、138万6000円から
2024.11.25
-