トヨタ・カリーナED (1985年~) バブル時代の名車たち9話
- 生産:1985年 ~1990年
1985年にセリカがフルモデルチェンジを受けFF化された際に、同時に誕生したフロアユニットを共有する兄弟車種がコロナ・クーペと初代カリーナED。ファストバックの3ドアハッチバッククーペだったセリカに対して、前者がノッチバックの2ドアクーペ、後者がセンターピラーレスの4ドアハードトップだった。
今なら決して命名しないであろうEDの名は、「エキサイティング・ドレッシー」の頭文字で、4ドアながら車高はカリーナ・セダンより55mm低く、セリカ/コロナ・クーペより15mm高いだけ。当然ながら居住性は普通の4ドアセダンより劣るが、2ドアクーペよりは使い勝手がいいし、なによりスタイリッシュで他に類を見ない新鮮な存在だったことから、3兄弟のなかで一番人気のヒット作となった。
二匹目のドジョウを狙って他社も続々と「背が低い4ドアハードトップ」を企画するが、最も早かったマツダ・ペルソナでさえ登場は3年後で、それまではカリーナEDの独り勝ち状態だった。90年代前半の最盛期には5社から出そろったこの種のモデルを、一部の自動車評論家は軽佻(けいちょう)浮薄で非合理的と酷評したが、それから約20年たった今、欧州のプレミアムブランドを中心に背の低い4ドアクーペが大流行。カリーナEDは、20年時代を先取りしていたのかもしれない。
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