トヨタ・ブレイド…一代限りとなったクルマ

今回は、光る個性があるにも関わらずモデルチェンジされなかった車種や、目的をもって市場に投入されながらもその後開発が継続されなかった、“一代限りのクルマ”を取り上げます。

トヨタ・ブレイド

「大人しくない大人に、ショート・プレミアム」というキャッチコピーを掲げて2006年に登場したプレミアムコンパクトハッチバック。かつてのカローラFX、カローラ ランクス/アレックスの血を引く、Cセグメントのハッチバックである初代オーリスの5ドアをベースに、大排気量エンジンを搭載するなどしてアップグレードが図られていた。

オーリスに対してエクステリアの意匠を変え、インテリアには高級な素材を使い、装備もより充実。シャシーはリアサスペンションをトーションビームからオーリスの4WD仕様と基本的に同じダブルウィッシュボーンに変更。パワートレインは、連続可変バルブタイミング機構(VVT-i)付き2.4リッター直4エンジンにCVTを組み合わせていた。翌2007年には、フォルクスワーゲンのゴルフR32やアルファ・ロメオのアルファ147GTAばりのプレミアムホットハッチともいうべき、3.5リッターV6エンジン+6AT搭載のブレイドマスターが追加された。

主なターゲットは団塊世代とされ、マークXやクラウンなどからのダウンサイジング需要も狙っており、発売当初の出足は好調だったが、その後は伸び悩んだ。マイナーチェンジや車種追加によるテコ入れも功を奏さず、2012年に生産終了。同年にベースとなったオーリスは世代交代するが、2代目ブレイドが登場することはなかった。だがプレミアムコンパクトハッチというコンセプトは、2011年にレクサスからデビューしたCT200hへと受け継がれている。

[ガズー編集部]