トヨタ・セリカ リフトバック2000GT(1973年~) トヨタ 歴代スポーツカー<1970年代>3話
第3話 セリカ リフトバック2000GT
1973年には、セリカにテールゲート付きのリフトバック(LB)が加わる。そのトップグレードであるLB2000GTは、コロナ・マークⅡGSSに使われていた直4DOHC2リッターの18R-G型を搭載。トヨタにとって、日産のフェアレディZやスカイライン2000GTに対抗し得る、久々の2リッター級の本格的なスポーティーモデルだった。
デビュー当初はもっぱら若年層に向けてファッション性と高性能を訴求していたセリカのプロモーション戦略も、LBの発売後は対象年齢層をやや高めにシフト。ラゲッジスペースにレジャー用具を積み、余暇を楽しむ中年男性をフィーチャーしたテレビCMのBGMにフランク・シナトラの『マイ・ウェイ』を使うなどして、実用性をも備えた「大人のスペシャルティーカー」をアピールするようになっていった。
だが、その年の秋に第一次石油危機が勃発(ぼっぱつ)、世間は一気に省資源ムードに覆われ、燃料消費の多いスポーツカーや高性能グレードに対する風当たりが強くなった。さらに75年には、本格的な排出ガス規制が始まる。それまで右肩上がりで成長してきた日本の自動車産業が、未曾有(みぞう)の試練を迎えたこの時期、続々と高性能モデルが姿を消したが、18R-Gを積んだセリカ/カリーナ/コロナの2000GTは、一時もカタログから外れることなく作り続けられたのだった。
1973 セリカ リフトバック2000GT
セリカのルーフをノッチバックからファストバックに改め、「第3の扉」と呼んだテールゲートを設けたセリカ・リフトバック。トップグレードの2000GTは2リッターDOHCエンジンを搭載していた。
生産:1973~1977年
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