日産スカイラインGT-R…日本生まれのターボ車特集

エネルギー効率の観点から、ターボ付きエンジンを採用するクルマが増えています。そこで今回は、1980~90年代のモデルを中心に、代表的な日本のターボ車を振り返ります。

日産スカイラインGT-R

「超感覚スカイライン」をキャッチフレーズに掲げ、1989年に登場した8代目スカイライン最大の話題が、16年ぶりに復活したGT-R(型式名BNR32)だった。初代GT-Rと同様にレース参戦を目的に生まれ、エンジンは、2.6リッター直6 DOHC 24バルブにツインターボを装着。その排気量はグループA規定で争われていた全日本ツーリングカー選手権で、過給係数1.7をかけて4.5リッタークラスとなるよう決定されたものだった。

最高出力は自主規制枠いっぱいの280psだったが、レーシングチューンした場合は600ps以上まで高められるポテンシャルを有するといわれた。その強烈なパワーを、タイヤサイズが限られるグループAで無駄なく路面に伝えるために、アテーサE-TSと呼ばれる電子制御アクティブトルクスプリット型フルタイム4WDを導入。そのほか、後輪操舵機構のスーパーHICASなどのハイテクを満載した、電子立国日本ならではのスーパーカーだった。

そのパフォーマンスはすさまじく、自動車専門誌のテストでは0-400m加速13.8秒、0-100km/h加速5.6秒という、日本車としては未曾有(みぞう)のデータを記録。国産高性能車のレベルを一気に引き上げ、翌1990年から参戦開始した国内レースは、もくろみどおり完全制覇。チューニングカーの世界でも、それまでの勢力図をすっかり塗り替えてしまった。

[ガズー編集部]