このイベントの一体感が好き ~鈴鹿サーキットファン感謝デー~

あ~、この写真素敵ですね…。みなさん、こんにちは!春を迎え、このイベントの告知が佳境に入ると、国内のモータースポーツシーンの開幕も近いと毎年感じますが、「2018モータースポーツファン感謝デー」(鈴鹿サーキット)に、今年もお邪魔して参りました。今回は、星野(星野一義監督)vs中嶋(中嶋悟監督)ラストバトル!というサブタイトルもついておりましたが、このタイトルを目にしたら、やっぱり行かない訳にはいかないでしょう。

毎年、ビッグネームを呼んでくださる本当にありがたいイベントもありますが、今年は常連の元F1ドライバーのジャン・アレジ親子に加え、ジャンカルロ・フィジケラ氏の登場もありまして、2日間で5万700人の観客を動員しました。あの寒さ、特に土曜日は冬へ逆戻りで、しかも風も強く心がバキバキ折れる寒さだったにも関わらず、夕方のエンディングまでしっかりお客様が残っているという光景。日曜日もフィナーレまでスタンドが埋まっている様には、驚きでした。

F1から2輪まで網羅し、国内トップカテゴリーのデモレースも見せてくださる事、まさにファン感謝デーです。持ち上げるという感覚は全くなく、このイベント、わたくしリスペクトしかありませんので…。そして、メーカーが入り混じっていることのスゴさを評価しなきゃです(上から目線ではないよ)。毎年びっくりさせられますホントにね。

でもって、どこで書こうかとずっと思っていましたが、常々思っている大事なことを付け加えさせていただきますと、お客様の拍手がピットロード側にもよく聴こえるのが、鈴鹿サーキット。拍手するシーンが多いのかなあ? スタンドのみなさんを向いてトークショーをやるからかな。しっかり、こちら側に拍手が届くんですよね。今回も素敵な拍手の音で、ファンの方の気持ちを勝手に受け止めていました(笑)。他のサーキットがダメな訳ではないので、揚げ足取らないでね。あの響きが好きなのよ。

さて、前置きが長くなりましたが、スーパーGTと星野vs中嶋ラストバトルについて少し感想を。今年は、スーパーGTにフル参戦するF1ワールドチャンピオンのジェンソン・バトン選手もこのイベントに登場しました。こりゃあ毎レース大変だろうなあと思う、問答無用の人気の高さですが、少し見方が変わりましたよ!

なぜって? バトン選手が参戦される事、もちろんうれしいです。スーパーGTの海外での認知度向上にかなり貢献してくださっていると誰もが思っていますよね。ありがたい! しかし、今回は何か違った感情が芽生えました。フル参戦される事で、もうゲストではないなと。このイベントではゲストですけどね。

同じ場にいた同じく元F1ドライバーで、今季スーパーGTへ参戦する小林可夢偉選手が、ヘイキ・コバライネン選手と話しているのを見ていて、もうシーズンは始まっているんだなと、改めて自分も確認しましたが、昨年末のセパンテストから、水面下で時は進んでいるのもみなさんもお判りだと思います。ですので、F1ワールドチャンピオンがみんなと同じGTドライバーに見えたんです。当たり前ですが、当たり前にやっと見えたんですよ。イケメンだしオーラもあるのですが、私の中ではもうみんなと同じ。独自の感覚なのでいいの…(笑)。

イベントの前のタイヤテスト明けからの参加という事で、GT500クラスは新しいエアロを装着したクルマたちがサーキットにいました。ガン見ですね。GT300クラスの車両もチャンピオンのグッドスマイル初音ミクAMG 0号車を中心に参加。今年は、鈴鹿10時間レースもあるのでそれにも参加される車両も。そして、デビューしたばかりのGT3車両もあり鈴鹿は華やかでした。GT大好きなので、久しぶりのクルマとの対面に、ひとり喜んでいました。

そして、イベントの目玉の星野中嶋対決は、2日間に渡りF1カーでデモラン、入門カテゴリーのフォーミュラカーで対決するなど、お二人の出番はたくさん。

いざ、競争になるとフライングスタートは、星野さんの十八番(おはこ)。いつも場内を沸かせてくれます。でも本気で勝ちたいところが、男のかわいさ。いくつになられても、男のロマンを持っていてかわいらしいのです。今回は、最後ということで、フライングの星野さんの勝ちに中嶋さんから泣きのもう一回があった様子で再レース。まさかの中嶋さんが勝ちに行きフライングスタートを決め(笑)、最後にふさわしい番狂わせで、中嶋監督の勝ちとなりました。

みなさまご存じのように、勝ち負けはどうでも良いのよね。この光景をみんなで微笑ましく観る!誰もが笑顔になる!あの一体感が大事ですよね。お二人の登場だけでも、笑顔になる…。この魔力は、この業界、他にどなたが持っているんだろう?と、鈴鹿で考えていました。

最後に、星野監督がドリフトで会場を盛り上げてくださいました。70歳のエンターテイナーによるパフォーマンスです。自分がかっこよく〆るというよりも、お客様に喜んでもらいたいという思いの方が強かったのでは?と、思います。トークショーも楽しくなくちゃと、常におっしゃっていらっしゃる星野監督。尊敬しかないです。

怖い表情を見せるのは、何事も本気だから、しわしわの笑顔は心から楽しいから…。素敵ですね。中嶋監督も、ヘルメットを被ると、現役時代を思い出すまなざしと、みなが口を揃えます。やっぱり見ていたい“目”ですよね。でも、よくお話されるようになったとの事ですが、お孫さんのせいかしらね?と、あくまでも推測ですが。

来年は、どうなっちゃうのかな。今回のバトルは最後でも、イベントにいらして欲しいですね。わたしたちの為にもね! 鈴鹿ファン感、お疲れさまでした!

(写真、折原弘之)

[ガズー編集部]