家電ライターのクルマ選び <第2回 ミニバン編>
こんにちはデジタル&家電ライターのコヤマです。中国に出張に行った際、日本にはないような、IoT機能を搭載した最新の冷蔵庫にたくさん触れて興奮しています。家電業界でも中国の勢いはスゴいですね。今やシャープと東芝が海外メーカーの傘下に入ってしまいました。そう考えると日本勢の多い自動車メーカーにはこれからも頑張って欲しいと考えています。
2回目となる、デジタル&家電ライターのクルマ選び、カテゴリーはミニバンです。
大きいことはいいことだが……ミニバンに求めるマスト機能は?
クルマの走り、いわゆる走行性能にほとんど興味がない筆者にとって、大切なのは多くの荷物を載せられることです。これまでも、免許を取った20歳頃に実家のクルマだったカローラワゴンを始めとして、アコードワゴン、リバティ、セレナ、エスティマハイブリッドとたくさんの荷物が載せられる大きなクルマに乗ってきました。だからミニバンは大好きです。
ただし、ミニバンの欠点だと思っている点もあります。
矛盾しますがそれは、「ボディが大きいこと」です。ミニバンは好きなのですが、たまに擦ってしまうので、車内は大きく、外観は小さい方が好ましいのです。
例えば家電でも、同じ庫内容量30Lクラスのスチームオーブンレンジとはいえ、外観のサイズには大きな差があります。一応キッチンにも規格サイズがあるので、本体幅などはそのサイズ内に収まっていることが多いのですが、ドアのハンドルなどが飛び出しているモデルも少なくありません。クルマに当てはめると、駐車場でいつも鼻先が出ている状態でしょうか。これってかっこ悪いですよね。
さらに横幅が大きなクルマは、狭い道でのすれ違いが難しいのも難点です。ラグジュアリーな大型ミニバンにも興味はあるのですが、駐車場での入れにくさなどを考えると、車内の快適さや、積載量は保ちつつも、車両サイズはできるだけ小さいモデルに惹かれます。
家電ライターが求める機能性を持つ「フリード」
3列目のシートを使うと最大7人が乗れて、それでいてコンパクトという点で評価したいのがホンダの「フリード HYBRID G・Honda SENSING」です。
- ホンダの「フリード HYBRID G・Honda SENSING」。2016年発売なので割引もかなり期待できそう。
<家電ライター的魅力ポイント(1)>
家電もクルマもでかけりゃいいわけじゃない!
たっぷり載る大容量×コンパクトボディ
省エネ性能の高い、ハイブリッドタイプが選べるのもポイント。運転支援機能として「Honda SENSING」を搭載しているので安心して乗れます。
<家電ライター的魅力ポイント(2)>
100Vコンセントをつければ、
低電力家電やスマホの充電も可能に!
デジタル&家電ライターとして取り付けたいオプションがあります。ひとつは100Vのコンセント。電力は100Wまでですが、車内で家電製品が使えるようになります。スマートフォンの充電はもちろんのこと、高い電力を使わない家電やデジタルガジェットなら問題なく使えそうです。
<家電ライター的魅力ポイント(3)>
LGの最高級冷蔵庫にも搭載!
ハンズフリースライドドア
そしてもうひとつが、ドアの下に足を入れると自動的にスライドドアが開くハンズフリースライドドアです。実は同様の機能が、韓国の家庭メーカーLGエレクトロニクスの最高級冷蔵庫にも搭載されています。手がふさがっている状態で、ドアが開けられる機能は、クルマも冷蔵庫も同じように便利です。
ホンダ「フリード」の家電ライター的評価は以下の通りです。
大人数乗れて、コンパクトという部分を実用性の高さとして評価しました。残念だったのはオプションでつけられるAC電源が100Wまでだということ。せっかくハイブリッドなのですから、1500Wまで対応していれば、より多くの家電やガジェットが使えてさらに高評価でした。
クルマはいつ「ルンバ」のスゴさ越えるのか
今、ミニバンカテゴリーの中で最も気になっているのが、日産の「セレナ」です。
実は2015年頃、セレナに乗っていました。低床でウォークスルー構造もあり、小さな子どもがいる家庭に向いたクルマだと感じていました。その後、わけあって別のクルマに買い替えたのですが、その直後、発売された新型のセレナに自動運転技術プロパイロット搭載されたのです。このときはしまった! と頭を抱えました。
- 日産「セレナ ハイウェイスター G」。e-POWER車を選ばなかった理由は後述。
実は我々、家電ライターが、自動運転技術に親近感を抱いている家電があります。それが「ロボット掃除機」です。自動運転技術を研究しているクルマなどでは、カメラを使ったSLAM技術も採用されていますが、同じ技術がロボット掃除機でも採用されているのです。
アイロボット社のルンバシリーズ(ルンバi7など)を始め、ダイソンのロボット掃除機「Dyson 360 Heurist」など、カメラを搭載したロボット掃除機は室内を見て、障害物をよけて掃除してくれます。これこそ、自動運転技術。最新のロボット掃除機の走行性能は本当にスゴいんです。室内をマッピングして効率良く掃除してくれます。
掃除は家電の登場により、ほうきから掃除機になり、今やロボット掃除機の時代になりました。洗濯機も炊飯器も今や全自動があたりまえです。そう考えると、クルマが自動運転に向かって行くのは必然だと言えそうです。
ルンバほどの便利さにはなっていませんが、セレナには自動運転技術のひとつ「プロパイロット」が採用されています。
<家電ライター的魅力ポイント(1)>
ルンバに負けない(?)便利な自動運転技術
プロパイロットが採用されている。
- セレナプロパイロットのイメージ。前のクルマとの車間を保ちながら追従してくれる。
実際にセレナのプロパイロット運転を体験したことがあります。高速道路でプロパイロットをオンにすると、先行者を追跡するかのように走行。車間が狭くなると自動的に減速しますし、カーブも回ってくれます。ハンドルを握っていればいいという感覚は不思議でした。これなら関西までの帰省も楽々できそうだと感じました。
残念ながらまだロボット掃除機のように、ボタンを押せば自動的に動いてくれたり、スマートフォンで目的地をセットするだけで走ったりはできません。ただし、自動運転レベル2で高速道路がこれだけ楽になるのなら、現時点では十分です。完全な自動運転の実現も近づいてきているなと感じます。
家電好きなのに「e-POWER」を選ばない理由は?
プロパイロットが魅力のセレナですが、悩ましい点があります。それかシート配置の問題です。以前乗っていたセレナは8人乗りでした。「スマートマルチセンターシート」を2列目にセットすると3人掛けになり、子ども達が3人座ることができました。一列目に移動させると、2列目から3列目にウォークスルーが可能となります。これがスゴく便利で、シーンによって使い分けていました。
ところが、一番の売りのモデルである「セレナ e-POWER」ではこの「スマートマルチセンターシート」が採用されておらず、7人乗りしか選べないのです。これは非常に残念。
基本はモーターで走るので静音性が高いため、車内で映画などのエンタメ視聴時を考えると「e-POWER」の方が魅力的。さらに気になる燃費も e-POWER車が26.2km/Lなのに対して、S-HYBRID車は17.2km/Lと大きな差。プロパイロットを活かしてロングドライブを楽しむとなると、この差は非常に気になるところです。
とはいえ、我が家の3人娘が2列目と3列に分かれて座るのは喧嘩の原因。ここは泣く泣くS-HYBRID車を選ぶことになります。性能よりも使い勝手を重視するべきなのは家電選びもクルマ選びも同じです。
<家電ライター的魅力ポイント(2)>
冷蔵庫だってカスタマイズ重視の時代。
使い勝手抜群の「スマートマルチセンターシート」
- セレナの魅力のひとつである「スマートマルチセンターシート」はe-POWER車では選べない。
以上の理由から、デジタル&家電ライターが選ぶミニバンは「セレナ ハイウェイスター G」です。
シートアレンジが多彩で、使用シーンによってその都度カスタマイズできるのが非常に便利。最新の冷凍冷蔵庫の多くが棚の位置を自由に変えられるようになっていたり、中には、複数の引き出しを冷蔵庫、冷凍庫、野菜室に自由に設定できたりするモデルがあります。クルマも同じようにカスタマイズ性が大事だと言えます。
「セレナ ハイウェイスター G」の評価は上記になりました。ミニバンでプロパイロットを搭載している唯一のクルマということで、先進性は満点。e-POWER車が調べれば省エネ性能も高評価にできたのですが、公称値で20km/Lを切るためあまり高評価はできませんでした。シートアレンジがデザインできることから、実用性も高く評価しています。
- スライドドアを足で開けられる「ハンズフリーオートスライドドア」も標準装備
なお、ホンダの「フリード」で紹介したドアの下に足を入れると自動的にスライドドアが開く機能ですが、「セレナ ハイウェイスター G」なら標準搭載されているのもうれしい点です。
<家電ライター的魅力ポイント(3)>
セレナならLG高級冷蔵庫と同じ機能が標準!
「ハンズフリーオートスライドドア」
プロパイロットを始めとする先進性と居住性の良さなど、使い勝手に優れたミニバンだと言えるでしょう。
(文:コヤマタカヒロ 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
[ガズー編集部]
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