【SEMA特集】米に進出する日本のアフターパーツメーカーがアメリカ人を虜にする理由

日本以上にDIY文化の浸透したアメリカ市場では、日本のような車種専用品よりも、汎用品のほうが圧倒的に多い。
「いろんな種類のタービンを用意してるぜ。フランジは自分のクルマに合わせて加工してくれよな」ってな感じのノリだ。
また、アフターパーツへの交換作業も自分でおこなうユーザーが多いという。
ただし作業レベルはまちまちなので「製品に関する問い合わせがあり、よく聞いてみると装着ミスが原因だった」なんてことも少なくないそうだけど、総じて装着しやすく設計されている日本製アフターパーツは高い評価を得ているという。
また、とあるブーススタッフによると、インターネット通販や安売り店で商品を購入してショップに取り付け作業を依頼する『持ち込み作業』も、日本ではお店によっては敬遠されがちだけれど、アメリカではあたりまえに行われているという話も。
製品価格も総じて日本製品よりリーズナブルな傾向で、コストパフォーマンスに対するシビアさは日本以上!?

■日本の「合法チューニングパーツ」にアメリカ市場の反応は?

カリフォルニアに現地拠点を置くサスペンションメーカーのテイン(本社:神奈川県)。New PRODUCTとして展示されていた『Endura Pro』シリーズは、純正サスペンション形状のアイテム。スタンダードモデルは105ドルからとリーズナブルな価格設定で、パフォーマンスアップはもちろん「純正ショックがヌケてきたから交換したい」というユーザーにも対応する。

最低地上高の制約がないので、おなじ車種用ならできるだけ車高を落とせるメーカーのものが好まれるというアメリカ市場。そのため、テインでは日本仕様よりも車高が下がるように設計変更している車種もあるという。また、減衰力の仕様も変更している車種が存在するとのことだ。

車高調や調整式アームなどの足まわりパーツから補強パーツまで、さまざまな製品を扱うCUSCO。汎用品が多いアメリカ製品に対して、車種専用で親切な取扱説明書が付属する日本製品に対し「メイドインジャパンはボルト穴を加工しなくても装着できるところが良い!!」というユーザーの声に、うれしいけれど少し複雑な気持ちになったと笑うキャロッセ長瀬代表。

現状では日本仕様のアイテムを販売しているというエキゾーストパーツメーカーFUJITSUBO。藤壺さんによると「カリフォルニアでは排ガス以外に排気音量に関する規制があります。今回、音量計測器を持ち込んで現地車両などで試してみたのですが、日本より少し規制が緩いです。アメリカ仕様を作るならギリギリを狙って迫力あるサウンドの製品にしたいですね」とのこと。

日本のドリフトイベントD1GPで装着率95%、スーパーGTなどでも高い装着率を誇るスポーツシートメーカーのブリッド。「日本の情報をよく見ていて、日本車にはブリッドだよね、と選んでくれるユーザーさんが多いです」とのこと。日本ではフルバケットシートとリクライニングシートの販売比率が5:5なの対し、アメリカでは9割がフルバケットシートだという。

アメリカで日本ブランドのアフターパーツを販売する『バレットプルーフ』。代表のBen氏いわく「日本製品は精度が高く、デザインも洗練されていると思います。日本車では特にランエボ、インプレッサ、R35などは人気ですね」と評価。

余談ではあるが、Ben氏も日本車・日本製品のファンであり、所有している2.2ℓ仕様でおよそ800psを発揮するというランエボXは、VARIS製エアロにアミューズ製マフラーなどを装着。内装も赤と黒に張り替えられている。実はこの車両は、東京オートサロン2018に展示を予定している。SEMAで注目を浴びたランエボXが東京オートサロン2018で日本の来場者からどのような声が聞けるかは今から気になるところだ。

[ガズー編集部]