【SEMA特集】ハコスカ・Z・GT-R、アメリカで愛される日本の名車たち

アメリカのカスタムシーンで人気の日本車といえば、JDMの印象が強いインプレッサやランサーエボリューション、GT-R、シビックなどなど。そして、旧型のフェアレディZなども高い人気を誇っている。

今年のSEMA会場では、数年前まで一世風靡したサイオンFR-S(86)やR35 GT-Rは人気がひと段落した感があるいっぽうで、比率を増していると感じたのがS30やGC10といった昭和生まれのクラシックカーたちだ。
西海岸ではクラシックカーイベントが多く、日本の旧車が集まるJDM限定ミーティングなども定期的に開催されるという。
日本との違いを感じるのは、そういった希少車をベースとしていながらも、エンジンスワップやワンオフメイキングなど、大胆なカスタマイズを行っているところ。

というわけで、大胆かつ美しく仕上げられた日本車たちをピックアップしてきたので、日本式カスタムと比較しながらご覧いただきたい。

アメリカで人気のミニカーにも日本車が!

純正車両がベースの一般的なミニカーと違い、ホットロッドマシンなどカスタムカーがベースになっている『HotWheel』。日本でもおもちゃ屋さんやイベントなどでみかけたことがあるという人も少なくないはずだ。
カスタム車の文化が一般的なアメリカらしいこのミニカーのデザインを手がけるのは、世界でわずか18人のカーデザイナー。そのチームを率いるのが42歳のJun Imai氏だ。
日系人の彼はデザイン学校を卒業後、HotWheelやバービー人形などを作るマテル社に入社し、これまで数え切れないほどのミニカーを世に送り出してきた。
日本車のカスタムも大好きで、今回のSEMA SHOWでは、みずからの愛車でもあり、それをベースにミニカー化もおこなったS30を展示していた。

エンジンはストックのL28に載せ換えられている。日本ではキャブ仕様にこだわる傾向が強いが、アメリカではインジェクション化も積極的におこなわれていて、このZも今後はインジェクション化をおこなう予定。

クルマ好きが高じて繋がった仲間たちの協力を得ながら、これまでもさまざまな実車とミニカーを作り出してきたというImai氏。今回の展示車も『CUSTOM DATSUN 240Z』としてミニカー化している。

ワイドフェンダーやリヤスポイラー、カラーリングなども実車をトレース。「カスタムカーにはオーナーや作り手のこだわりが詰まっています。それを忠実に再現することで、ミニカーにも魅力が生まれるんです」とImai氏。

街道レーサーふうハコスカや西部警察仕様DR30も

フェアレディZはアメリカでも発売されていたため、現存する個体も少なくない。しかし、日本でZと人気を2分するハコスカは、輸出仕様がなかったためアメリカではとても貴重な存在だ。

オーナーが日本から購入し、縁あって今回のSEMAでホイールメーカーのブースに展示されることになったというこのハコスカ。
ロンシャンRX-4やスターシャークとった懐かしのホイールの復刻版をPRするための展示だったが、通る人が必ず写真を撮っていくというほど注目度が高かったとのこと。

沖縄の在日米兵がアメリカに持ち込んだというDR30スカイラインも、ホイールメーカーブースで注目を集めていた。オーナーは西部警察が好きで、当時のイメージに近づけるべくゴールドのホイールをチョイスしているとのことだった。

展示車輌が走行シーンを披露するSEMA IGNITEDでは、2台のスカイラインが連なって走行。観客からは大きな歓声があがっていた。

エンジンスワップや大胆カスタムも豊作

日産・シルビアなどに搭載されるSR20DETは、手軽にハイパワーを得られるターボエンジンということで人気。4気筒なのでフェアレディZに搭載するとフロントミッドとなり、運動性能向上につながるとして定番手法になりつつあるとか。

最近、人気が高まってきたという510ブルーバード。ハコスカ顏&SR20DETエンジンスワップや、シボレーのV8エンジン換装など、チューニング度も高い傾向!?

『TUNER BATTLEGROUND』という人気投票企画で争っていたのは、S2000とアキュラTSX(アコード)。

フォーミュラD参戦予定のFD3Sは3ローターエンジンを搭載予定。V8エンジンに載せ換えられたFC3Sも発見。

ドリフトシーンで人気の日産S15シルビアには、GT-RのRB26DETTエンジンが搭載されていた。

“THE ROTSUN”と名付けられたフェアレディZ。見た目はボロボロだけど、フォードの5Lターボチャージャーエンジンを搭載!!

[ガズー編集部]