【動画】トヨタ・ライズ 試乗インプレッション 試乗編
トヨタの新型コンパクトSUV「ライズ」に森口将之が試乗。新開発プラットフォームや1リッターのターボエンジンがどんな走りを実現したのか? 動画でリポートする。
「ライズ」のパワートレインは1リッター直列3気筒ターボのガソリンエンジンとCVTの組み合わせのみ。前編でも記したとおり、ハイブリッド仕様はない。
したがって燃費の面はハイブリッドほど期待できないが、扱いやすさの点では高い評価をつけられる。最近のターボエンジンの例に漏れず、アクセルを踏み込んだ直後から十分なトルクを発生してくれるので、先にエンジンの回転だけが上がるというCVT車の悪癖はなく、あらゆるシーンで必要な力を的確に取り出せるのだ。
しかも車両重量は、前輪駆動では1tを下回る。電動用バッテリーを積んでいないことが効いている。限られた力でもリニアな加速が手に入るのは、車体の軽さのおかげもある。
車幅感覚のつかみやすさは、外観から予想する以上だった。高めの運転席は見晴らしが良いし、インパネの向こうに広がるフロントフードは四角形に近く、サイドの張り出しは少ないので、見切りのしやすさは抜群。これも売れる理由のひとつに数えられる。
さらに驚いたのは、乗り心地とハンドリングが高次元でバランスしていることだ。筆者が乗ったのは中間グレードの「G」で、ホイールおよびタイヤが最上級グレード「Z」の17インチに対して16インチになっているせいもあって、“当たり”が柔らかい。それでいて大きめのショックはしっとり吸収する。
ハンドリングについては軽量ボディーの良さが前面に出ていて、キビキビと向きを変えてくれる。しかも、しっとり動くサスペンションは信頼できるグリップを発揮してくれるので、安心してキビキビ感が味わえる。新世代プラットフォームが車体の軽量化と高剛性を両立していることが確認できた。
以前トヨタに聞いた、発売1カ月時点でのライズの購入層は、個人ユーザーに限ると約7割が男性で、年齢別に見ると10~20代が約1割、30代が約1割、40代が約2割、50代以上が約6割とのことだった。コンパクトな車種でありながら男性が3分の2以上を占め、50代以上が過半数にのぼることが目を引いた。
つくり手側の狙いとは異なる結果になっているのかもしれない。しかし、ベテランドライバーに着実に支持されるライズのような車種があることは、高齢化が進む日本のような国では大切なことだと思う。
(文:モータージャーナリスト・森口将之)
[ガズー編集部]
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