【動画】レクサスLC500コンバーチブル 試乗インプレッション 試乗編
「レクサスLC500コンバーチブル」の魅力は走りだけじゃない。まず目を引くのは、そのスタイリングだろう。クローズ時のソフトトップはコンパクトにまとめられており、フォルムにはクーペとは違った魅力がある。ほろの骨が浮き出ないスマートなシェイプを実現するのは簡単ではなかったそうである。
そしてオープンにすると、真横から見た時、ちょうど前席のすぐ後ろくらいから開口部が一段キックアップしている。クーペのウィンドウグラフィックスに倣ったデザインなのだが、これのおかげでいい意味でリアシートの存在感が薄まって、2シーター的なパーソナル感が強調されて見えるのが面白い。
思えばドイツのライバルたちでは、4座のカブリオレ/コンバーチブルは開口部を徹底的にフラットにする傾向がある。言葉は悪いが偏執狂的と言っていいほどのこだわりだ。周囲にクロームの縁取りを施すのも忘れない。なぜだろうと、「LC」のプロジェクト・チーフ・デザイナーを務めた森 忠雄氏と考えたら、おそらくそれは高級ボートへの憧憬(しょうけい)の反映なのではないかという考えに行き着いた。
四方を海に囲まれたわれわれ日本人と比べて、ドイツの富裕層の海に向ける視線、それこそマリンレジャーへの憧れは、より強いものがあるのかもしれない。それをオープンカーに投影しているわけである。単なる仮説だが、そういう目で見るとなかなか興味深くはないだろうか?
一方で特に日本には今も何とか四季があり、コンバーチブルのオーナーだって当然、季節を問わずクルマを楽しんでいる。夏はおそらくルーフを閉じて、冬は気分が乗れば開けて。でも夏の夜には開けるかもしれないし、冬は雪山に行くこともあるかも……。そんなことを考えてつくられたオープンカーは、おそらく世界のどこに行っても、素晴らしく快適に違いない。
個人的には、冬のオープンカーが大好き。LCコンバーチブルにはエアコン、シートヒーターに加えてネックヒーター、ステアリングヒーターも備わり、またそれらをルーフの状態等に応じて自動調整する「レクサス クライメイト コンシェルジュ」も装備されているから、きっと快適なドライブを楽しめるに違いない。今回の試乗も大いに満喫したけれど、真冬になったらあらためてステアリングを握ってみたいと考えている。それこそ、冬のマリーナなども似合うのでは?
(文:モータージャーナリスト・島下泰久)
[ガズー編集部]
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