レクサスLX600 セカンドシートの豪華さに圧倒された
さまざまな本格オフローダーを知る寺田昌弘が今回試乗するのは、レクサスのフラッグシップSUV「LX600」。大人気となっている新型LXのなかでも注目される“EXECUTIVE”グレードの装備について、詳しく解説する。
ホンダのアキュラ、日産のインフィニティとともに、北米市場から展開されたレクサス。1989年に発売された「LS400」は初月で約3000台を受注し、1991年にはかの地で顧客満足度ナンバーワンのブランドという評価を獲得。そして1996年に「LX450」が登場しました。
その後、「LX470」(1998年)、「LX570」(2007年)へとモデルチェンジを重ねるなかで、レクサスのSUVの頂点としての地位は確かなものになりました。製品名の“L”は、セダンの「LS」、クーペの「LC」、ミニバンの「LM」、ヨットの「LY」にも見られるとおり、各カテゴリーのフラッグシップモデルに与えられる称号なのです。
14年ぶりのフルモデルチェンジで登場したLX600は、新型「NX」やBEV専用車として開発された「RZ」と同様に、レクサスの新世代フロントマスクを持つスタイリングとなり、リアのエンブレムも新たなものに変更。これからのレクサスSUVの方向性をアピールしています。
またリアウィンドウの傾斜が強められ、後ろから見ると大柄なクルマには見えないほどクオーターピラー部も絞られており、空力性能への配慮をうかがわせます。そして、今回の試乗車“EXECUTIVE”に採用されている大径22インチホイール。圧倒的な存在感で、オンロードでのレスポンスのよさも予感させてくれます。国内ではベーシックなLX600のほか、後席の快適性を高めたこのLX600“EXECUTIVE”と、悪路走破性を高めた国内専用グレード“OFFROAD”の3タイプをラインナップ。パワーユニットはいずれも3.5リッターV6ツインターボガソリンエンジンとなっています。
コックピット周辺のデザインは、オフロード走行の際にも平衡感覚を把握しやすい水平基調。温度調整スイッチや走行系のスイッチはグローブをしたままでも操作ができるプッシュ式やトグル式、ダイヤル式なのですが、これはオフロード走行時はもちろん、高速走行時に目線を前方から変えたくないときなども操作がしやすい装備といえます。インテリアの本革仕立ては、ハンドクラフトでとても上質。アウトステッチも非常に繊細で、レクサスならではの質感のよさが伝わってきます。
閃光(せんこう)を発するかのような直線的なスタイリングが印象的だったLX570に対して、やや丸みを帯びたデザインとすることで、深みを増し、より上質なモデルとなったLX600。その威風堂々たる存在感や懐の深さもまた、LXの持つ唯一無二の性能のひとつといえるでしょう。
(文:寺田昌弘)
[GAZOO編集部]
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