新型ホンダ・ステップワゴンに竹岡圭が試乗。バランスのとれた走りに驚き。走りについて易しく解説します
皆さんはホンダという自動車メーカーに対してどんなイメージを持っていますか? 時代によって変わると思うのですが、私のなかでは、F1に象徴されるような“走り”のイメージがやはり強いんです。「VTEC」とか「タイプR」とか、「チャンピオンシップホワイト」とか、なんとなくそういった熱い走りのイメージなんです。平たく言うと、エンジンすごいぞ~! みたいな感じです(笑)。
なので……。誤解を恐れずに言っちゃいましょう。これまでの「ホンダのミニバン」に対する私のイメージは、「運転している人だけが楽しい~♪」でした。個人的にミニバンに一番必要な要素は、全席の人が楽しいことだと思っているので、運転している人が楽しくて、どんどんその楽しみにはまってしまうと、ほかの席の人は大変だろうな~なんて、思っていたのです。
もちろん、ドライバーがジェントルな心を持っていて、運転を楽しむのはひとりの時。人を乗せている時は、その人に気遣って走るという方なら、これはこれでベストな選択だと思うのですが、必ずしも人間いつでも満点状態でいられるわけじゃないですからね。ついつい、後ろがシェイク状態なんてこともあるかもしれません。
というわけで、正直言うと、ホンダのミニバンの走りに対しては、少々「ムムム」なところがあったわけですが、今回は違いました! ドライバーだけでなく、というよりも「完全に主役は2列目&3列目になっている」と感じられたんです。逆に、走りが楽しくないか? というと、そんなことはなく、ちゃんとバランスがとれているな~と思えました。これはなかなか!
例えば、これまではどちらかというとアレンジ性優先で、座り心地は二の次感があったシートが、アレンジ性はきちんと確保しつつ、クッションストロークもバッチリの座り心地のよいものになっていたり、3列目のユーティリティーもきちんと考慮されていたりといった具合。それでいながら、広さを生かしてシートアレンジも簡単に巧みにできちゃうときたら大賛成ですよね~。
3列目シートの収納方法に関しては、ミニバンでは跳ね上げ式やらダイブダウン方式やらいろいろありますが、ステップワゴンは5世代目から左右分割のうえ床下に、しかも着座位置より後ろ側のくぼんだスペースに、ストンと落とし込む方式が採用されています。
これがね、また簡単なの! アレンジしにくいシートアレンジは結局使わなくなっちゃうものですから、これは、気軽に、スッキリとしたお部屋のようなスペースとして荷室を使いたいという派には、アリ! だと思いました。スッキリ度で言えば、やはり跳ね上げ式よりも上ですからね。
(文:モータージャーナリスト・竹岡 圭)
[GAZOO編集部]
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