新型「日産セレナ」。代々受け継がれてきた美点と最新型の特徴を丁寧に解説
子どもが生まれた友人を前に「もう名前は決めたの?」「うん! セレナちゃんにしようかな~と思ってるんだ~」なんていうやりとりをして驚いたのは数年前のこと。
「えっ!? なんで?」と思わず聞き返したところ、「うん、旦那さんとドライブしているとね、周りに『セレナ』っていう名前のクルマが走っていることが多くて、なんだか縁を感じちゃったんだよね~」とのお答え。それだけセレナというクルマは皆に愛されているんだなぁと、あらためて感じた出来事でした。
誤解を恐れず正直に言っちゃうと「クルマの名前をヒトにつけるならば、もっと高級なクルマのほうがいいんじゃない?」なんて思ったわけです。確かにセレナは人気があって、一時はたくさんの車種が存在した“5ナンバーサイズミニバン”のなかで、「トヨタ・ノア/ヴォクシー」「ホンダ・ステップワゴン」と並んで、しっかり生き残ってきたクルマ。でも、そのトリオのなかでは、セレナは「ママが子どもの送り迎えなどでチョコッと運転するタイプのクルマ」というイメージが強かったから。
でもそうした特徴はそのままに、ブレることなく進化し続けてきた結果、「奥さま方が連れ立ってゴルフに出かけるクルマ」にもなっていったんです。というのも、荷室にゴルフバッグを立てて積もうとした場合、かつてはこのトリオのなかで一番積み下ろしがしやすかったのがセレナだったからなんだとか。特に女性の場合は腕力の関係もあって、大きな荷物の積み下ろしは簡単にできたほうがいいに決まってますからね。
さらに、サイドのシュプールラインのおかげでサイドウィンドウの下端が低く、特に運転席の斜め前あたりの視界がしっかり確保されているために交差点での不安感が少ないというのも美点。1列目と3列目の乗員が会話しやすいようにマイクが仕込まれていたり、ガラスハッチだけが開くバックドアを持っていたり、3列目シートが前後にスライドしたり……と、セレナにしかない特徴ってたくさんあったんですよ。
そういったチャレンジングな姿勢と、「毎日乗って、お迎えからゴルフまでいろんなシーンで使うなかで便利な機能を、しっかり進化させていく」という思いが、しっかりクルマの機能として表れているセレナ。だからこそ、いまや日産のなかで“ブランド認識ランキング4位のクルマ”になったのかもしれません。「GT-R」「スカイライン」「フェアレディZ」「エクストレイル」「リーフ」「ノート」など人気のクルマをたくさん持っている日産のなかで4位というのは、スゴイことですよね。
さて、みんなから愛されてすくすく育った前述のセレナちゃんは、もうすぐ小学生。時が流れるのは早いものです。
(文:モータージャーナリスト・竹岡 圭)
【動画】「日産・セレナ」試乗編
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