【ミツオカ・ビュート ストーリー】コンパクトでキュートでクラシカル(まるも亜希子)
現在は天皇となられた徳仁さまが皇太子だった時代、雅子さまとご結婚されたのが1993年。オープンカーでパレードに臨まれたその晴れやかな姿を、学生だった私はテレビで見ていました。なんとなくロイヤルブーム、ウエディングブームで、“あやかり婚”が話題となっていた頃です。
初代「ミツオカ・ビュート」は、そんな1993年に誕生。名前の由来は「美しく遊ぶ人へ。」ということで、美・遊・人からビュートと名づけられました。自分なりの生き方や価値観を大切にし、大量生産のクルマでは満足せず、つくり手の思いが伝わってくるようなクルマを求める人たちに向けて、オリジナルカーを製造・販売するというミツオカらしいモデルです。
しかもビュートの外観は、キラキラした丸いヘッドライトに、ハート型のティアラのようなフロントグリルがあしらわれていて、幼い頃に「お姫さまになりたい」と言っていたような女性たちにとっては、キュンと心をわしづかみにされるような夢のあるデザイン。1960年代の輸入ブランドにはこうしたデザインのクルマが多かったものですが、それを、信頼性が高い1990年代の国産車をベースに取り回しのいいコンパクトサイズで再現し、ほどよく現実的な価格で提供したのが、ミツオカの素晴らしいところだと思います。
「いや、ちょっと待って。ビュートのクラスで400万円は高いでしょ」と思うかもしれませんが、そこにはちゃんと理由があるのです。
光岡自動車は輸入車のディーラー事業も展開しており、海外のクルマに触れ、ヘリテージを理解し、お客さまからの要望に耳を傾けてきたという背景があります。そこでの経験を生かして、富山県内の工場で一台一台、職人たちの手作業でつくられているのがミツオカのクルマたち。ビュートもしかりです。ボディーの架装と内装のカスタマイズに限った話ではあるけれど、ベントレーやロールス・ロイスと同じような工程で……と思うと、どうでしょうか。お買い得に感じられませんか?
そんなわけで、街なかで見かけると、どんな人がオーナーさんなのかな? と、ちょっと気になってしまう。ビュートはそんな一台です。
(文:カーライフ・ジャーナリスト まるも亜希子)
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まるも亜希子さんが解説するビュート ストーリーの注目ポイント
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