スズキ・スペーシア 目指したのはひと目見ただけでわかる使いやすさ
2013年に初代が登場した「スペーシア」。その前身となったモデルとして、スズキがスーパーハイトワゴン時代の黎明(れいめい)期、2008年に送り出した「パレット」というモデルがあります。それまで、1993年から元祖ハイトワゴンの「ワゴンR」で軽自動車界に“広さ革命”を起こし、人気をけん引してきたスズキでしたが、水面下で変化していたユーザーのニーズを見逃さなかったのです。
求められたのは、ワゴンRよりもさらに広い空間を必要とする子育て世代ファミリー層が、ミニバンのように使える軽自動車。環境問題への意識の高まりや燃料費の上昇などもあって、大きなミニバンからコンパクトカーや軽自動車に乗り換えるダウンサイジングの流れも始まっていました。こうした事情を踏まえ、広さや便利さをしっかり押さえつつも内外装において上質感を表現したというのがパレットの魅力。「お父さんが胸を張って乗れるスーパーハイトワゴン」をうたっていたのです。
ところがそんなパレットのセールスは、大ヒットとはいえない結果となりました。なぜなのか、スズキとしてはとことん調査し、原因を突き詰めていったはず。そうして誕生したのが「びっくりの広さと楽しさ」「みんなのワクワクスペース」という、思いっきり生活密着型のコンセプトを掲げた初代スペーシアだったというわけです。
当時、初代スペーシアのチーフデザイナーを務めていた宮澤貴司さんにうかがったところ、「パレットはとてもよくできたクルマだったけれど、上質感にこだわりなるべく生活感を出さないようにしたせいで、ややスタイリッシュになりすぎ、良さが十分に伝わらないところがあった」とのこと。そのため、初代スペーシアはスペース重視型の箱形にして、低いフロアと両側スライドドアと相まって、ひと目見ただけで「広そうだな、使いやすそうだな」と思ってもらえるスタイリングにしたのだそう。
でもそうなると、しまいには「『エブリイ』じゃダメなんですか?」となりかねません。それに対するデザインチームの言葉が強く印象に残っています。
「スペーシアは、同じ箱でも宝石箱にしたかったんです」
今回、3代目となったスペーシアのデザインはコンテナをモチーフにしたといいますが、きっとこの宝石箱という思いは受け継がれているのではないでしょうか。
(文:カーライフ・ジャーナリスト まるも亜希子)
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まるも亜希子さんが解説するスズキ・スペーシアの注目ポイント
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