【MINI クロスオーバー 試乗】ストレートに伝わる「クーパーSD」の過激なトルク…諸星陽一
ミニ史上最大のボディが与えられた新型『MINIクロスオーバー』は、ミニらしいゴーカートフィーリングとミニらしからぬユーティリティを備えていた。
BMWではSUVのことをSAV(スポーツ・アクティブティ・ビークル)と呼ぶ。ミニブランドにもこのSAVが存在する、それがクロスオーバーだ。先代のクロスオーバーはミニらしからぬボディの大きさが受け、ヒットモデルとなった。これを受けて新型も同様に先代をしのぐ大きなボディを採用。全長は1820mmとBMW『3シリーズ』よりも広い。そしてラゲッジスペースにいたっては、先代よりも100リットルも多い450リットルを確保するに至った。
ラゲッジルームはリヤシートを折りたたむことで拡大可能だが、そのリヤシートは一般的な国産車のように6対4分割などではなく、4対2対4という方式。これなら6対4も4対6も、センターのみを倒して長尺ものを搭載することも、もちろん全部倒してフルラゲッジにすることも可能。ラゲッジスペースのバリエーションはかなり広い。さらにピクニックベンチと呼ばれるラゲッジルーム後部のクッションもオプションで設定。これがなかなかよくできていて、展開も収納もワンタッチで行える。
後席の広さは感動的。イメージとしては国産のハイトワゴンの後席といったところ。輸入車であまり車高が高くなく、こうしたユーティリティを持っているクルマが少ない(世界的にはたくさんあるが、日本は入ってきていない)だけに、輸入車で後席もラゲッジもゆったりしたクルマがほしいという方には貴重な存在となる。
「クーパーSD オール4」に搭載されるエンジンは「クーパーD」と同じ4気筒2リットルのターボディーゼルだが、セッティングが異なりスペックはクーパーDよりも40馬力、70Nm高い190馬力、400Nmを発生する。同時に試乗したクーパーDはFFモデルであったが、こちらのクーパーSDは4WD。それでもエンジンのトルクフルさはストレートに伝わってきて、かなり過激な印象。オプションで装着されていたミニドライビングモードはミッド、もしくはエコのまま乗ってもドカンと発生するエンジントルクは手に余るほどのゴーカートフィーリング。
さらにミニドライビングモードをスポーツに切り替えると、ゴーカートフィーリングはさらに強調される。試乗車にはダイナミック・ダンパー・コントロールと呼ばれる可変ダンパーが装着されていたため、エンジンやミッション、パワステのプログラムだけでなく、足まわりも硬くなる。これはちょっとやり過ぎなイメージだが、ミニをミニらしく乗りたいのであればこれもありかといういうイメージ。そのスタイリングから、ゆったりした乗り心地を想像している人はびっくりするだろうから、購入を考えているなら必ず試乗することをおすすめする。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。
(レスポンス 諸星陽一)
BMWではSUVのことをSAV(スポーツ・アクティブティ・ビークル)と呼ぶ。ミニブランドにもこのSAVが存在する、それがクロスオーバーだ。先代のクロスオーバーはミニらしからぬボディの大きさが受け、ヒットモデルとなった。これを受けて新型も同様に先代をしのぐ大きなボディを採用。全長は1820mmとBMW『3シリーズ』よりも広い。そしてラゲッジスペースにいたっては、先代よりも100リットルも多い450リットルを確保するに至った。
ラゲッジルームはリヤシートを折りたたむことで拡大可能だが、そのリヤシートは一般的な国産車のように6対4分割などではなく、4対2対4という方式。これなら6対4も4対6も、センターのみを倒して長尺ものを搭載することも、もちろん全部倒してフルラゲッジにすることも可能。ラゲッジスペースのバリエーションはかなり広い。さらにピクニックベンチと呼ばれるラゲッジルーム後部のクッションもオプションで設定。これがなかなかよくできていて、展開も収納もワンタッチで行える。
後席の広さは感動的。イメージとしては国産のハイトワゴンの後席といったところ。輸入車であまり車高が高くなく、こうしたユーティリティを持っているクルマが少ない(世界的にはたくさんあるが、日本は入ってきていない)だけに、輸入車で後席もラゲッジもゆったりしたクルマがほしいという方には貴重な存在となる。
「クーパーSD オール4」に搭載されるエンジンは「クーパーD」と同じ4気筒2リットルのターボディーゼルだが、セッティングが異なりスペックはクーパーDよりも40馬力、70Nm高い190馬力、400Nmを発生する。同時に試乗したクーパーDはFFモデルであったが、こちらのクーパーSDは4WD。それでもエンジンのトルクフルさはストレートに伝わってきて、かなり過激な印象。オプションで装着されていたミニドライビングモードはミッド、もしくはエコのまま乗ってもドカンと発生するエンジントルクは手に余るほどのゴーカートフィーリング。
さらにミニドライビングモードをスポーツに切り替えると、ゴーカートフィーリングはさらに強調される。試乗車にはダイナミック・ダンパー・コントロールと呼ばれる可変ダンパーが装着されていたため、エンジンやミッション、パワステのプログラムだけでなく、足まわりも硬くなる。これはちょっとやり過ぎなイメージだが、ミニをミニらしく乗りたいのであればこれもありかといういうイメージ。そのスタイリングから、ゆったりした乗り心地を想像している人はびっくりするだろうから、購入を考えているなら必ず試乗することをおすすめする。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
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フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。
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