【アウディ A5 クーペ&スポーツバック 試乗】上級指向へシフトしたモデルチェンジ…諸星陽一
アウディのDセグメントモデル、『A5』、『S5』がフルモデルチェンジした。このうちA5の試乗機会が与えられた。
現在導入されているA5は2リットルターボエンジンモデルのみで、FFが190馬力、4WDが252馬力の仕様。ボディタイプは2ドアのクーペ、5ドアのスポーツバック、そしてカブリオレが設定されるが、今回試乗車として用意されたのはクーペとスポーツバック。いずれも252馬力の4WDモデルとなる「2.0TFSIクワトロスポーツ」。ミッションは7速デュアルクラッチのSトロニックとなる。
ドライバーズシートに座ると、丸くボリューム感のあるセンターバッドを持つアウディらしいステアリングホイールが目につく。ステアリングスポークには多くのスイッチを装備。メーターは液晶式だが基本的な表示はアナログで全体的なイメージはコンサバティブとなっている。
エンジンを始動し動き出すとボディがかなりしっかりとしていることを感じる。それは速度を増していくとなおさら強く感じる感覚で、ボディが振動したりたわんだりという感覚がない。もともとドイツ車はこうした剛性感が高いものだが、このアウディA5についてはとくにそれを感じる。さらにクーペについてはがっちり感があり、ワインディングでスポーティに走らせても4つのタイヤの動きがしっかりと伝わってくる。
エンジンは低速からトルクフルで、気持ちのよい加速ができる。ドライブセレクトスイッチを操作することによって、走行モードをエフィシェンシー、コンフォート、オート、ダイナミックの4種に変更できる。ワインディングではダイナミックモードとの相性がいいが、流すような走り方ならコンフォートモードのまま、もしくは燃費重視のエフィシェンシモードでもいい。ダイナミックはちょっとトルクの発生の仕方が急なので、走りがピーキーになりがちだ。
ハンドリングはシャープでスポーティなのだが、若干曲がりすぎるという印象もある。ちょっと速めのペースの場合、ステアリングを切り込んでいくと、自分の予想よりもノーズがインを向いてしまうことがある。バリアブルステアリングの設定か、前後トルク配分の具合か? ちょっと不明なのだが、そこが気になってしまった。
乗り心地は快適でフラットでゆったりしたドライブを楽しむことができる。スポーツバックはリヤシートにも乗ったが、コンフォート性は十分で、ビジネス上のゲストを乗せることもできるだろう。また、クーペも意外なほどに後席が広かった。もちろん、スポーツバックのような広々感はないが、押し込められている感覚になることもない。
とはいえやはりクーペはパーソナルユースがメインとなりそう。スポーツバックは、パーソナルユースはもちろん、ファミリーユースやビジネスユースにもマッチングよさそうなマルチユース。全体的にはさらに上級指向へとシフトしたモデルチェンジと評価できる。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。
(レスポンス 諸星陽一)
現在導入されているA5は2リットルターボエンジンモデルのみで、FFが190馬力、4WDが252馬力の仕様。ボディタイプは2ドアのクーペ、5ドアのスポーツバック、そしてカブリオレが設定されるが、今回試乗車として用意されたのはクーペとスポーツバック。いずれも252馬力の4WDモデルとなる「2.0TFSIクワトロスポーツ」。ミッションは7速デュアルクラッチのSトロニックとなる。
ドライバーズシートに座ると、丸くボリューム感のあるセンターバッドを持つアウディらしいステアリングホイールが目につく。ステアリングスポークには多くのスイッチを装備。メーターは液晶式だが基本的な表示はアナログで全体的なイメージはコンサバティブとなっている。
エンジンを始動し動き出すとボディがかなりしっかりとしていることを感じる。それは速度を増していくとなおさら強く感じる感覚で、ボディが振動したりたわんだりという感覚がない。もともとドイツ車はこうした剛性感が高いものだが、このアウディA5についてはとくにそれを感じる。さらにクーペについてはがっちり感があり、ワインディングでスポーティに走らせても4つのタイヤの動きがしっかりと伝わってくる。
エンジンは低速からトルクフルで、気持ちのよい加速ができる。ドライブセレクトスイッチを操作することによって、走行モードをエフィシェンシー、コンフォート、オート、ダイナミックの4種に変更できる。ワインディングではダイナミックモードとの相性がいいが、流すような走り方ならコンフォートモードのまま、もしくは燃費重視のエフィシェンシモードでもいい。ダイナミックはちょっとトルクの発生の仕方が急なので、走りがピーキーになりがちだ。
ハンドリングはシャープでスポーティなのだが、若干曲がりすぎるという印象もある。ちょっと速めのペースの場合、ステアリングを切り込んでいくと、自分の予想よりもノーズがインを向いてしまうことがある。バリアブルステアリングの設定か、前後トルク配分の具合か? ちょっと不明なのだが、そこが気になってしまった。
乗り心地は快適でフラットでゆったりしたドライブを楽しむことができる。スポーツバックはリヤシートにも乗ったが、コンフォート性は十分で、ビジネス上のゲストを乗せることもできるだろう。また、クーペも意外なほどに後席が広かった。もちろん、スポーツバックのような広々感はないが、押し込められている感覚になることもない。
とはいえやはりクーペはパーソナルユースがメインとなりそう。スポーツバックは、パーソナルユースはもちろん、ファミリーユースやビジネスユースにもマッチングよさそうなマルチユース。全体的にはさらに上級指向へとシフトしたモデルチェンジと評価できる。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
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フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。
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