【アウディ Q2 試乗】★をたくさんつけるのは悔しいのだけれど…岩貞るみこ

アウディ Q2 1.4 TFSI
★をたくさんつけるのは悔しいのだけれど、このクルマばかりは仕方がない。このサイズ。街のなかでも使いやすく、それでいて意思を感じさせるSUV。まさに、待っていましたの一台なのである。

デザインのシャキッとしたラインの入れ方には賛否両論あるけれど、『Q2』が狙ったターゲットが20~30代という声を聞けば、バブル世代の私がとやかく言うことではない。こう、もう少し柔らかなラインのほうが…と願い評すること自体、大きなお世話であることは自覚しているつもりだ。

サイズのジャスト感、乗り降りのしやすさもさることながら、舌を巻くのはコントロールのしやすさである。背の高いSUVという先入観から、コーナリングでは自らの腹筋に力をこめてふんばる姿勢を整えるのだが、そんなことはどこ吹く風であれよあれよとコーナーをかわしてしまう。

プログレッシブステアリングで、ハンドルをきったときの角度と、行きたい方向のバランスが絶妙であること。そして、それ以上に効いているのは、トルク・ベクタリングである。コーナリング中にひとつのタイヤにタイミングよくブレーキをかけることで、コーナーの外側に引っ張られる力を少なくし、ぐいぐいと向かいたい方向に安定させながら突き進むというわけだ。おかげで、腹筋を使って遠心力に耐えることなくすいすいとコーナーをクリアできてしまう。カーブって、こんなに簡単に走れるものなの?と、バブル世代大感激なのである。

もちろん、1.4リットル+ターボのエンジンの瞬発力も、7速のミッションもスムーズで快適。でも、気になるのは、今回、試乗できなかった1リットル+ターボの存在だ(試乗は5月。日本導入は6月以降)。お値段、299万円からという戦略的価格は、一気にアウディファンを増やしそうだ。

■ 5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。

(レスポンス 岩貞るみこ)

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