【VW ゴルフR 試乗】この感覚はもはやロードカーの域を超えている…諸星陽一
『ゴルフ』には初代モデルから「GTI」というスポーティモデルが設定されているが、その上のモデルとして用意されているのが「R」。
GTIはハッチバックモデルのみの設定となるが、Rはハッチバックに加えてワゴンのヴァリアントも設定される。搭載されるエンジンは基本的にはGTIと同じ2リットル4気筒ターボだが、最高出力はマイチェン前よりも30馬力、GTIよりも80馬力パワフルな仕様。エンジンルームをのぞき込むと巨大なタービンが目に入る。
組み合われるミッションは6速のMT、もしくは新開発となる7速のDSG(湿式)となる。ミッションの種類によりエンジンのセッティングが若干違い、最大トルクが異なり、MTは380Nm、DSGが400Nmとなっている。GTIと大きく違う点は駆動方式。GTIがFFなのに対し、Rはフルタイム4WDとなり、より効率よくトラクションが掛かる仕様となっている。
試乗車はワゴンのヴァリアントで、ミッションは7速DSGが組み合わされていた。停止状態からアクセルを踏み込むと、爆発的なスタートでゴルフRは加速する。シフトアップする際にはエキゾーストノートが「バフッ」と大きな音を立てる。マイチェン前と変わらないフィーリングだが、この感覚はもはやロードカーの域を超えているといってもいい。4輪のタイヤにトルクが振り分けられるため、加速中の姿勢も非常に安定感がある。
驚くべきはその乗り心地の良さだ。RもGTIもドライブモードを切り替えることができるのだが、Rの場合はドライブモードの切り替え要素にショックアブソーバーの減衰力が含まれている。ドライブモードを「コンフォート」に切り替えると、足まわりはばつぐんにしなやかになる。タイヤははGTIのオプション仕様と同じ225/40R18サイズのブリヂストン・ポテンザS001を履くが、まるで60タイヤを履いているかのようなしなやかな足の動きになるのだ。
ところがこれをもっともスポーティな「レース」モードにすると表情はがらりと変わる。まさにレーシングカーのようにがっしりとした足まわりとなり、タイヤはつねに路面を追従し続ける。ただし、ボディはつねに上下に揺すられてしまうので乗り心地はかなり悪くなってしまうが、サーキットでも不満がないような高グリップを手に入れることが可能だ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。
(レスポンス 諸星陽一)
GTIはハッチバックモデルのみの設定となるが、Rはハッチバックに加えてワゴンのヴァリアントも設定される。搭載されるエンジンは基本的にはGTIと同じ2リットル4気筒ターボだが、最高出力はマイチェン前よりも30馬力、GTIよりも80馬力パワフルな仕様。エンジンルームをのぞき込むと巨大なタービンが目に入る。
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ところがこれをもっともスポーティな「レース」モードにすると表情はがらりと変わる。まさにレーシングカーのようにがっしりとした足まわりとなり、タイヤはつねに路面を追従し続ける。ただし、ボディはつねに上下に揺すられてしまうので乗り心地はかなり悪くなってしまうが、サーキットでも不満がないような高グリップを手に入れることが可能だ。
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