【レンジローバー ヴェラール 試乗】アドレナリン噴出系のノリである…岩貞るみこ

レンジローバー ヴェラール(写真は海外仕様)
弾丸を連想させる、まるっとしたデザイン。全高は1685mmだが、まるっとしているせいか横幅があるせいか、もう少し低く感じる。とはいえ、重厚感のある存在感は半端ない。ドアロックを解除すると前後左右4枚のドアから、しゅっと出てくるデプロイアブル・ドアハンドルなる名称のドアノブ。なんだか「さあ、開けて乗りたまえ」と命じられているような気分だ。

運転席に座り、襟を正して態勢を整えエンジンスイッチを押すと、3リットルV6エンジンの咆哮が待っていましたとばかりに車内に轟く。なんだこの挑発的な出迎え方は。ヴェラールは、ラグジュアリーな「レンジローバー イヴォーク」と、プレミアムスポーツの「レンジローバー スポーツ」の真ん中に位置するというけれど、この猛々しさは完全にスポーツ、しかもアドレナリン噴出系のノリである。

特に、今回の試乗車である2018年モデルでのみ設定される「ファーストエディション」は、22インチタイヤというやんちゃぶり。SUVのいで立ちでありながら、こんなうすっぺらなタイヤってありなんですかと目を疑う仕様なのである。

アクセルを踏むと、エンジンがさらに唸りをあげる。とはいえ、これはまだ走行モードは標準に設定されたままだ。さらにダイナミックモードへと切り替えると、めくるめく大暴走の世界…じゃなかった、4WDの強靭な足腰に支えられた加速の世界へと突入していく。それは、突き飛ばされるような軽い加速ではない。アクセルを、ちょんと踏んでも挙動に浮ついたところはなく、右足でぐっと踏み込んでこそ反応する、大地を踏みしめて突き進む心地よさだ。

もちろんエコモードや、レンジお得意の砂やら草やら、泥やら轍やらのモードへの切り替えも可能である。ただ、この切り替え作業は、タッチプロデュオなるカーナビ画面の下に設定された画面を切り替えて行うため、エアコン画面に切り替えたあと、モード設定画面に戻したのを忘れて、うっかり車内温度調整をしようとダイアルを回すと、走行モードをいじってしまう可能性がある。おっちょこちょいの私など、なんどもやらかしてしまうので落ち着いて操作するよう心掛けたい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。9月よりコラム『岩貞るみこの人道車医』を連載。

(レスポンス 岩貞るみこ)

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