【スズキ スペーシア 試乗】クラスレス、年齢問わずな道具感覚…島崎七生人
20歳台の若者、30~40歳台のファミリー、50~60歳台の子離れ世代。要するに全年齢層をターゲットに開発されたという新型『スペーシア』。なるほどそんな説明を聞くまでもなく、クラスレスな道具感覚が持ち味のクルマだ、と思えた。
スタイリングは“スーツケース”がモチーフ。なので全高1800mm(2トーンルーフパッケージ車)とヒョロッとしていても、ギュッと堅牢な箱に見え、安心感があるのがいい。非カスタムのこちらは、ランプ類などディテールもシンプルな点も好感がもてる。ボディカラーも写真のグリーン始め、ブルー、アイボリーなどその色域のなかで割と褪めた発色のカラーが選ばれており、どれもセンスの良さが目を惹く。
インテリアも粋なデザイン。インパネのアシスタント側はまさに市販のポリカーボネート製のスーツケース(とアルミのフレーム)を思わすデザインで、クリーンなルックスと機能(ポケットなど)を両立させている。機能でいうと天井に備わるサーキュレーターが優れものだ。後席で試すと十分すぎる風量を実感するし、ボリューム2程度(最大は4)なら、その作動音は前席でも気にならない小ささ。さらに運転席からでも、左腕を後頭部に伸ばして探ればスイッチに手が届き操作可能なのはありがたい。ついでながら“頭寒足熱”で、リヤヒーターダクトが足元に備わるもの嬉しい。
インテリアではひとつだけ、シフトレバーの角度が気になった。Dポジションは下から2番目で最下段がLだが、上から見下ろしながらの操作ではこのDとLのポジションの判別に自信が持ちにくいからだ。レバーを少し前方にくの字に折り曲げて傾け、Dの位置が感覚的に自然になるようにすれば改善されそうに(現状では下に傾き過ぎていると)感じたが、いかがだろうか?
走りは、動力性能、乗り味ともにサラッとしたもの。スイッチで最大30秒間モーターアシストが得られるのは心強い。155/65R14 75Sタイヤの標準空気圧は240kPaの指定ながら、バネとダンパーの設定により、路面へのタイヤのアタリがマイルドな乗り味に仕立てられていた。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
スタイリングは“スーツケース”がモチーフ。なので全高1800mm(2トーンルーフパッケージ車)とヒョロッとしていても、ギュッと堅牢な箱に見え、安心感があるのがいい。非カスタムのこちらは、ランプ類などディテールもシンプルな点も好感がもてる。ボディカラーも写真のグリーン始め、ブルー、アイボリーなどその色域のなかで割と褪めた発色のカラーが選ばれており、どれもセンスの良さが目を惹く。
インテリアも粋なデザイン。インパネのアシスタント側はまさに市販のポリカーボネート製のスーツケース(とアルミのフレーム)を思わすデザインで、クリーンなルックスと機能(ポケットなど)を両立させている。機能でいうと天井に備わるサーキュレーターが優れものだ。後席で試すと十分すぎる風量を実感するし、ボリューム2程度(最大は4)なら、その作動音は前席でも気にならない小ささ。さらに運転席からでも、左腕を後頭部に伸ばして探ればスイッチに手が届き操作可能なのはありがたい。ついでながら“頭寒足熱”で、リヤヒーターダクトが足元に備わるもの嬉しい。
インテリアではひとつだけ、シフトレバーの角度が気になった。Dポジションは下から2番目で最下段がLだが、上から見下ろしながらの操作ではこのDとLのポジションの判別に自信が持ちにくいからだ。レバーを少し前方にくの字に折り曲げて傾け、Dの位置が感覚的に自然になるようにすれば改善されそうに(現状では下に傾き過ぎていると)感じたが、いかがだろうか?
走りは、動力性能、乗り味ともにサラッとしたもの。スイッチで最大30秒間モーターアシストが得られるのは心強い。155/65R14 75Sタイヤの標準空気圧は240kPaの指定ながら、バネとダンパーの設定により、路面へのタイヤのアタリがマイルドな乗り味に仕立てられていた。
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オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
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