【ジャガー E-PACE 試乗】ねらうは「プレミアムエコノミー」市場の開拓…諸星陽一
ジャガーは『F-PACE』でSUVカテゴリーへの参入を果たした。続いて狙っているのはミドルクラスSUVのジャンルで、このクラスへの第一弾として『E-PACE』を投入した。
E-PACEはミドルクラスSUV試乗の開拓とともに、もうひとつの役目を担っている。それはプレミアムブランドの少し下のブランド、言ってみれば“プレミアムエコノミー”のような市場の開拓だ。プレミアムイメージの強いジャガーはそれが元でユーザーが獲得しづらくなっている側面があり、その切り込み隊長というわけだ。
E-PACEには「ベイビージャガー」というニックネームが与えられ、インターネット上では複雑なイラストのなかに隠れた「ベイビージャガー」の姿を探すというイベントも行われている。この「ベイビージャガー」は、フロントウインドウの周囲に印刷されるドットのなかにも隠されている。
さて、そのベイビージャガーだが、ベイビーと呼ぶにはけっこう大きい。とくに全幅は1900mmとけっこうな広さだ。全長は4410mm、全高は1650mmなのでそれほどの大きさではないが、全幅についてはかなり広い。
E-PACEには2リットルディーゼル1種、2リットルガソリン2種のパワーユニットが用意される。今回試乗車として供されたのは2リットルガソリン249馬力仕様の「P250」。ミッションは9速AT、駆動方式はフルタイム4WDとなる。
走行モードは「コンフォート」「エコ」「ダイナミック」「雨/氷/雪」の4種が選べる。もっとも走りやすいのはエコだった。どのモードでも加速中にアクセルペダルを離すと、一瞬少し加速してしまうようなクセがあるが、それが一番抑えられるのがエコ。定常走行からのアクセルオフではそうしたことも少ないが、加速中からのアクセルオフでは頻繁に発生した。日本では加速中からの減速への移行は多いのでこれはちょっと困る。
ハンドリングはシャープでワインディングなどで走りを楽しめるタイプのセッティング。ステアリング操作に対するタイヤのレスポンスもよく、連続するコーナーもスイスイクリアしていくタイプ。このハンドリングはサスペンションやタイヤなどのシャシー性能だけから生み出されるものではなく、エンジンのピックアップや駆動配分などすべての要素が合わさって実現されている。
乗り心地はちょっと硬めで突き上げ感も大きいがこれは速度を上げていくと改善される。アクセルを離した際の加速といい、低めの速度で乗り心地の硬さといい、まだ日本の環境とのキャリブレーションが済んでいない印象が残った。
価格はディーゼルモデルが451万円から、ガソリンエンジンは475万円からで、もっとも高価なモデルはガソリンエンジンの300馬力仕様「P300 Rダイナミック HSE」の759万円(※編集部注:初期限定モデルの「ファーストエディション」は764万円)。E-PACEがねらうべき“プレミアムエコノミー”は実現できているといえそうだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。
(レスポンス 諸星陽一)
E-PACEはミドルクラスSUV試乗の開拓とともに、もうひとつの役目を担っている。それはプレミアムブランドの少し下のブランド、言ってみれば“プレミアムエコノミー”のような市場の開拓だ。プレミアムイメージの強いジャガーはそれが元でユーザーが獲得しづらくなっている側面があり、その切り込み隊長というわけだ。
E-PACEには「ベイビージャガー」というニックネームが与えられ、インターネット上では複雑なイラストのなかに隠れた「ベイビージャガー」の姿を探すというイベントも行われている。この「ベイビージャガー」は、フロントウインドウの周囲に印刷されるドットのなかにも隠されている。
さて、そのベイビージャガーだが、ベイビーと呼ぶにはけっこう大きい。とくに全幅は1900mmとけっこうな広さだ。全長は4410mm、全高は1650mmなのでそれほどの大きさではないが、全幅についてはかなり広い。
E-PACEには2リットルディーゼル1種、2リットルガソリン2種のパワーユニットが用意される。今回試乗車として供されたのは2リットルガソリン249馬力仕様の「P250」。ミッションは9速AT、駆動方式はフルタイム4WDとなる。
走行モードは「コンフォート」「エコ」「ダイナミック」「雨/氷/雪」の4種が選べる。もっとも走りやすいのはエコだった。どのモードでも加速中にアクセルペダルを離すと、一瞬少し加速してしまうようなクセがあるが、それが一番抑えられるのがエコ。定常走行からのアクセルオフではそうしたことも少ないが、加速中からのアクセルオフでは頻繁に発生した。日本では加速中からの減速への移行は多いのでこれはちょっと困る。
ハンドリングはシャープでワインディングなどで走りを楽しめるタイプのセッティング。ステアリング操作に対するタイヤのレスポンスもよく、連続するコーナーもスイスイクリアしていくタイプ。このハンドリングはサスペンションやタイヤなどのシャシー性能だけから生み出されるものではなく、エンジンのピックアップや駆動配分などすべての要素が合わさって実現されている。
乗り心地はちょっと硬めで突き上げ感も大きいがこれは速度を上げていくと改善される。アクセルを離した際の加速といい、低めの速度で乗り心地の硬さといい、まだ日本の環境とのキャリブレーションが済んでいない印象が残った。
価格はディーゼルモデルが451万円から、ガソリンエンジンは475万円からで、もっとも高価なモデルはガソリンエンジンの300馬力仕様「P300 Rダイナミック HSE」の759万円(※編集部注:初期限定モデルの「ファーストエディション」は764万円)。E-PACEがねらうべき“プレミアムエコノミー”は実現できているといえそうだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。
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