【BMW X4 新型試乗】X3よりもストレートにスポーティな味わい…島崎七生人
◆初のモデルチェンジを受けたX4
一般にSUVに分類される“Xモデル”のうち、『X4』(と『X6』)は、BMWではとくにSAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)と定義。逞しい走りと実用性だけでなく、スタイリッシュさも意識したモデルとなっている。
……などと、今さらの説明は不要だろう。遡れば2000年に登場した最初のXモデル、初代『X5』はまるでラジコン4駆のシャシーにBMWのボディを載せたような、インパクトのある存在感だった。さらに『X6』ではファストバックのクーペのようなシルエットのスタイリングを纏って登場、クーペのようなSUVの先駆けとなった。
その流れを汲んで2014年に登場した初代の『X4』も、『X3』をよりスポーティに仕立てたモデルとして人気を集めた。初のモデルチェンジを受けた新型は、ホイールベースで+55mm、全長で+80mm、全幅で40mmそれぞれ拡大、Cd値は0.30と先代より10%よくするなどしている。
◆セダンやクーペのような運転席
実車は先代同様に精悍な佇まい。試乗車はMモデルということで、前:245/40R21 100Y、後:257/35R21 103Y(ピレリP-ZERO☆RSC)を装着。イメージカラーのフラメンコ・レッド・ブリリアント・エフェクトの塗装色ということもあり、乗り込む前から精悍な走りを予測させるもの……といった感じだった。
室内は紛うことなく最新のBMW車のそれで、表皮の貼り込まれたインパネやドアトリム、レザーシートなど、全体の質感、トーンが少しも違わず統一され、フィニッシュレベルの高さは安定のBMWといったところ。手首のスナッチで操作するシフトレバーはじめ、コントロール系は近年のBMWの文法どおりで、レポーターのように、オーナーの身分でなくとも知っていれば、臆することなくクルマを“動かす”ことができる。
座面高はXモデルらしく見晴らしのいい視界が得られる高さ。しかしルーフ高さが抑えられ、運転席に着座した際の印象は、同社のセダンやクーペのようなタイトな雰囲気になっている。後席も足元スペースが30mm拡大されているが、“SAV系”よりセダン的で、心地いい姿勢で着座したらその姿勢のままドライブを楽しむ、そんな印象。ルーフ形状は後方に向かってなだらかに下降しているが、頭上の空間も確保され圧迫感は少ない。
◆X3よりもストレートにスポーティな味わい
走りはMパフォーマンスの威力を存分に味わえるもの。なぜならば搭載するのは3リットルの直6で、スペックは360ps/51.0kgmを発揮するというものだからだ。むろん日常的な走らせ方ではトルクの豊かを生かし悠々としているが、ひとたびアクセルを踏み込めば、近年では懐かしいフォーン!という、BMWの直6の精緻な回転フィールと胸のすく鼓動が存分に堪能できる。走行モードを切り替えての、自在な走らせ方の選択も可能だ。
乗り味は、同じ箱根のワインディングを試乗した経験のある現行『X3』に対し、ストレートにスポーティな味わい。だが決してハード、スパルタンということではなく、ヒタッと快適な乗り味を示しつつ、無駄のない信頼のおけるロードホールディング、挙動を見せてくれる颯爽としたものだった。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
一般にSUVに分類される“Xモデル”のうち、『X4』(と『X6』)は、BMWではとくにSAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)と定義。逞しい走りと実用性だけでなく、スタイリッシュさも意識したモデルとなっている。
……などと、今さらの説明は不要だろう。遡れば2000年に登場した最初のXモデル、初代『X5』はまるでラジコン4駆のシャシーにBMWのボディを載せたような、インパクトのある存在感だった。さらに『X6』ではファストバックのクーペのようなシルエットのスタイリングを纏って登場、クーペのようなSUVの先駆けとなった。
その流れを汲んで2014年に登場した初代の『X4』も、『X3』をよりスポーティに仕立てたモデルとして人気を集めた。初のモデルチェンジを受けた新型は、ホイールベースで+55mm、全長で+80mm、全幅で40mmそれぞれ拡大、Cd値は0.30と先代より10%よくするなどしている。
◆セダンやクーペのような運転席
実車は先代同様に精悍な佇まい。試乗車はMモデルということで、前:245/40R21 100Y、後:257/35R21 103Y(ピレリP-ZERO☆RSC)を装着。イメージカラーのフラメンコ・レッド・ブリリアント・エフェクトの塗装色ということもあり、乗り込む前から精悍な走りを予測させるもの……といった感じだった。
室内は紛うことなく最新のBMW車のそれで、表皮の貼り込まれたインパネやドアトリム、レザーシートなど、全体の質感、トーンが少しも違わず統一され、フィニッシュレベルの高さは安定のBMWといったところ。手首のスナッチで操作するシフトレバーはじめ、コントロール系は近年のBMWの文法どおりで、レポーターのように、オーナーの身分でなくとも知っていれば、臆することなくクルマを“動かす”ことができる。
座面高はXモデルらしく見晴らしのいい視界が得られる高さ。しかしルーフ高さが抑えられ、運転席に着座した際の印象は、同社のセダンやクーペのようなタイトな雰囲気になっている。後席も足元スペースが30mm拡大されているが、“SAV系”よりセダン的で、心地いい姿勢で着座したらその姿勢のままドライブを楽しむ、そんな印象。ルーフ形状は後方に向かってなだらかに下降しているが、頭上の空間も確保され圧迫感は少ない。
◆X3よりもストレートにスポーティな味わい
走りはMパフォーマンスの威力を存分に味わえるもの。なぜならば搭載するのは3リットルの直6で、スペックは360ps/51.0kgmを発揮するというものだからだ。むろん日常的な走らせ方ではトルクの豊かを生かし悠々としているが、ひとたびアクセルを踏み込めば、近年では懐かしいフォーン!という、BMWの直6の精緻な回転フィールと胸のすく鼓動が存分に堪能できる。走行モードを切り替えての、自在な走らせ方の選択も可能だ。
乗り味は、同じ箱根のワインディングを試乗した経験のある現行『X3』に対し、ストレートにスポーティな味わい。だが決してハード、スパルタンということではなく、ヒタッと快適な乗り味を示しつつ、無駄のない信頼のおけるロードホールディング、挙動を見せてくれる颯爽としたものだった。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
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オススメ度:★★★★★
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1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
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