【ベントレー コンチネンタルGT 新型試乗】距離を伸ばすほどカラダに馴染む、これがベントレー…九島辰也
◆センセーショナルなデビューを飾った初代
今年ベントレーはモデルローンチが多く、この『コンチネンタルGT』の他には『ベンテイガV8』がある。それを鑑みると日本での販売台数が2006年に築いた500台オーバーを上回るのも時間の問題だろう。
ベンテイガ登場以降の販売は順調で、世界はもちろん日本でも右肩上がりが続いている。それにしても、およそ15年前デビューした初代コンチネンタルGTはセンセーショナルであった。なんたって4000~5000万円がデフォルトのベントレーが、2000万円を切って登場したのだから驚きは隠せない。当時の雑誌には“バーゲン価格!”なんてコピーが踊っていたのを記憶する。
◆すべてが新世代となった3代目
さて3世代目である。このモデルは2017年のフランクフルトモーターショーでワールドプレミアされ、同年12月にジャパンプレミアされた。そして今回メディア向け試乗会が催され、今秋からデリバリーが始まろうとしている。で、その中身は、プラットフォーム、パワートレーン、インターフェイス、すべて新世代となった。
プラットフォームは同じVWグループの中のポルシェが担当し、新型『パナメーラ』も採用している。要するに同グループ内のハイパフォーマンスFR専用プラットフォームということだ。でも個人的に注目したいのはデザイン。ベントレーらしさを保ちつつも新鮮さをアピールした。実寸はそれほど変わっていないのにかなりワイド&ローに見える。グリルの位置を低くして……なんて技法だが、まさに秀逸なデザインの成せるワザだ。
インテリアも従来型を継承しながら進化。エアコン吹き出し口横のツマミはそのままにベントレー初のデジタルメーターを採用。またローテーションディスプレイにより隠れていた液晶モニターが現れるのも新鮮。タッチ式スクリーンの登場でライバルとの差はなくなった。
◆すべてにおいて絶妙なセッティング
走りはまずエンジンに驚く。635psを発揮する6リッターW12 TSIエンジンのパワーもそうだが、900Nmの最大トルクは想像以上。アクセルを踏み込んだ時のシートバックに押し付けられる感覚は異次元だ。ここだけ抽出するとまるでレーシングカーである。
ただ、そんなモンスターユニットを持ちながらフロントヘビーにはならず、ハンドリングが軽快なのはさすが。連続コーナーをヒラリヒラリと向きを変える様は気持ちよく、ふた周りくらい小さなサイズのクルマに思える。パワステも軽すぎず重すぎず。すべてにおいて絶妙なセッティングが施されている。
またそれだけスポーティでありながら乗り心地は破綻せず、上品さを失わない。3チャンバー式エアサスの恩恵なのだろうが、そこは彼らの真骨頂。ベントレーユーザーの求める乗り味がそこにある。ドライブモードを“コンフォート”にすれば永遠に乗っていられるような気がした。
距離を伸ばせば伸ばすほどカラダに馴染む。これがベントレー。そこには英国を代表する高級車としての一日の長がある。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ:★★★★★
九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの"サーフ&ターフ"。 東京・自由が丘出身
(レスポンス 九島辰也)
今年ベントレーはモデルローンチが多く、この『コンチネンタルGT』の他には『ベンテイガV8』がある。それを鑑みると日本での販売台数が2006年に築いた500台オーバーを上回るのも時間の問題だろう。
ベンテイガ登場以降の販売は順調で、世界はもちろん日本でも右肩上がりが続いている。それにしても、およそ15年前デビューした初代コンチネンタルGTはセンセーショナルであった。なんたって4000~5000万円がデフォルトのベントレーが、2000万円を切って登場したのだから驚きは隠せない。当時の雑誌には“バーゲン価格!”なんてコピーが踊っていたのを記憶する。
◆すべてが新世代となった3代目
さて3世代目である。このモデルは2017年のフランクフルトモーターショーでワールドプレミアされ、同年12月にジャパンプレミアされた。そして今回メディア向け試乗会が催され、今秋からデリバリーが始まろうとしている。で、その中身は、プラットフォーム、パワートレーン、インターフェイス、すべて新世代となった。
プラットフォームは同じVWグループの中のポルシェが担当し、新型『パナメーラ』も採用している。要するに同グループ内のハイパフォーマンスFR専用プラットフォームということだ。でも個人的に注目したいのはデザイン。ベントレーらしさを保ちつつも新鮮さをアピールした。実寸はそれほど変わっていないのにかなりワイド&ローに見える。グリルの位置を低くして……なんて技法だが、まさに秀逸なデザインの成せるワザだ。
インテリアも従来型を継承しながら進化。エアコン吹き出し口横のツマミはそのままにベントレー初のデジタルメーターを採用。またローテーションディスプレイにより隠れていた液晶モニターが現れるのも新鮮。タッチ式スクリーンの登場でライバルとの差はなくなった。
◆すべてにおいて絶妙なセッティング
走りはまずエンジンに驚く。635psを発揮する6リッターW12 TSIエンジンのパワーもそうだが、900Nmの最大トルクは想像以上。アクセルを踏み込んだ時のシートバックに押し付けられる感覚は異次元だ。ここだけ抽出するとまるでレーシングカーである。
ただ、そんなモンスターユニットを持ちながらフロントヘビーにはならず、ハンドリングが軽快なのはさすが。連続コーナーをヒラリヒラリと向きを変える様は気持ちよく、ふた周りくらい小さなサイズのクルマに思える。パワステも軽すぎず重すぎず。すべてにおいて絶妙なセッティングが施されている。
またそれだけスポーティでありながら乗り心地は破綻せず、上品さを失わない。3チャンバー式エアサスの恩恵なのだろうが、そこは彼らの真骨頂。ベントレーユーザーの求める乗り味がそこにある。ドライブモードを“コンフォート”にすれば永遠に乗っていられるような気がした。
距離を伸ばせば伸ばすほどカラダに馴染む。これがベントレー。そこには英国を代表する高級車としての一日の長がある。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ:★★★★★
九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの"サーフ&ターフ"。 東京・自由が丘出身
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