【BMW 8シリーズ 新型試乗】FR的な挙動、この味付けはお見事と言うしかない…九島辰也
◆19年ぶりに復活した8シリーズを一足先に
BMWに『8シリーズ(8 series)』が復活した。日本発表は11月9日だが、10月末にポルトガルで行われた国際試乗会でテストドライブしたのでそれを簡潔にレポートしよう。
新型のプラットフォームは『7シリーズ(7 series)』などと共有する。もちろん、いまどきはどこもモジュラータイプなので、あとはシャシーをセッティングして個性を出すといったシナリオだ。
今回ステアリングを握ったのは日本にも導入される2ドアクーペの「M850i xDrive」。4.4リットルV8ツインパワーターボエンジンを搭載した4WD。最高出力は530psとなる。この数字だけでも十分だが、来年は『M8』が登場することも決まっている。
ボディタイプでいえば、今後カブリオレや4ドアクーペのグランクーペも追加される。これまでの『6シリーズ(6 series)』が一斉に8シリーズに引っ越しといった感じだ。ちなみに、6シリーズにはグランツーリスモだけが残るらしい。
◆BMWらしさとロー&ワイドの圧倒的存在感
目の前にした「M850i xDrive」はかなり存在感がある。ロー&ワイドのボディはBMWらしく2枚目に仕上がっている。目立つのはフロントマスクもそうだが、ルーフの低さ。フロントピラーもかなり寝ているが、リアピラーは相当なもの。リアのオーバーハングを比較的長くとっているので、そのルーフラインが突然ストンと落ちることなく自然に流れる。この辺はデザイン部門がかなりこだわった痕跡を感じる。
インテリアはすっきりしたデザインと最先端のインターフェイスが備わる。携帯電話の充電は、ポンと置くだけ。気に入ったのはヘッドアップディスプレイで、いろいろな情報が表示される。しかも色分けで。このところ操作系はステアリングホイールに、情報はヘッドアップディスプレイにという流れが強い。「手はハンドル、目は道に」の基本原則が見直されているようだ。
◆走りはスポーティを超えレーシー、挙動はFRスポーツのまま
走りはスポーティ、というかレーシー。特にドライブモードを“スポーツ”または“スポーツ+”にするとエキゾーストノートとともに大トルクでド級の加速が始まる。今回サーキット走行もあったが、その加速感は絶大であった。コーナーの出口でガバッと踏み込むとカラダがバックレストに張り付く。
その時の印象は、加速とハンドリングは満点だったが、ブレーキが若干あまく思えた。が、それはサーキット走行でのこと。その後の一般道でのワインディング走行や高速道路では強烈なストッピングパワーを発揮してくれた。
ワインディングではクセのないフットワークが印象的。というのも考えてみれば4WDなのだが、挙動はFRスポーツのままだった。BMW的トルク配分が功を奏しているのだろう。この味付けはお見事と言うしかない。
といったのがポルトガルでのファーストインプレッション。BMWの新たなフラッグシップだけに個人的に興味津々。日本でもじっくり付き合いたい一台だ。
九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの"サーフ&ターフ"。 東京・自由が丘出身
(レスポンス 九島辰也)
BMWに『8シリーズ(8 series)』が復活した。日本発表は11月9日だが、10月末にポルトガルで行われた国際試乗会でテストドライブしたのでそれを簡潔にレポートしよう。
新型のプラットフォームは『7シリーズ(7 series)』などと共有する。もちろん、いまどきはどこもモジュラータイプなので、あとはシャシーをセッティングして個性を出すといったシナリオだ。
今回ステアリングを握ったのは日本にも導入される2ドアクーペの「M850i xDrive」。4.4リットルV8ツインパワーターボエンジンを搭載した4WD。最高出力は530psとなる。この数字だけでも十分だが、来年は『M8』が登場することも決まっている。
ボディタイプでいえば、今後カブリオレや4ドアクーペのグランクーペも追加される。これまでの『6シリーズ(6 series)』が一斉に8シリーズに引っ越しといった感じだ。ちなみに、6シリーズにはグランツーリスモだけが残るらしい。
◆BMWらしさとロー&ワイドの圧倒的存在感
目の前にした「M850i xDrive」はかなり存在感がある。ロー&ワイドのボディはBMWらしく2枚目に仕上がっている。目立つのはフロントマスクもそうだが、ルーフの低さ。フロントピラーもかなり寝ているが、リアピラーは相当なもの。リアのオーバーハングを比較的長くとっているので、そのルーフラインが突然ストンと落ちることなく自然に流れる。この辺はデザイン部門がかなりこだわった痕跡を感じる。
インテリアはすっきりしたデザインと最先端のインターフェイスが備わる。携帯電話の充電は、ポンと置くだけ。気に入ったのはヘッドアップディスプレイで、いろいろな情報が表示される。しかも色分けで。このところ操作系はステアリングホイールに、情報はヘッドアップディスプレイにという流れが強い。「手はハンドル、目は道に」の基本原則が見直されているようだ。
◆走りはスポーティを超えレーシー、挙動はFRスポーツのまま
走りはスポーティ、というかレーシー。特にドライブモードを“スポーツ”または“スポーツ+”にするとエキゾーストノートとともに大トルクでド級の加速が始まる。今回サーキット走行もあったが、その加速感は絶大であった。コーナーの出口でガバッと踏み込むとカラダがバックレストに張り付く。
その時の印象は、加速とハンドリングは満点だったが、ブレーキが若干あまく思えた。が、それはサーキット走行でのこと。その後の一般道でのワインディング走行や高速道路では強烈なストッピングパワーを発揮してくれた。
ワインディングではクセのないフットワークが印象的。というのも考えてみれば4WDなのだが、挙動はFRスポーツのままだった。BMW的トルク配分が功を奏しているのだろう。この味付けはお見事と言うしかない。
といったのがポルトガルでのファーストインプレッション。BMWの新たなフラッグシップだけに個人的に興味津々。日本でもじっくり付き合いたい一台だ。
九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの"サーフ&ターフ"。 東京・自由が丘出身
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