【アルファロメオ ステルヴィオ ディーゼル試乗】愛の囁きも邪魔しない、その静粛性に感激…今井優杏
◆ワタシがディーゼルを選ぶワケはやっぱり…
いまだ終焉の気配を見せないSUVブーム。どころか、輸入・国産含めて魅力的な選択肢が追加されるばかり!ユーザーとしては嬉しい悲鳴が止まらない、といったところだろうか。そんな中でも微細なトレンドの推移はあるもので、最近ではエンジンにこだわる人々が増えているのだとか!そう、ディーゼルだ。
ディーゼルエンジンをラインナップに持っているメーカー・インポーターにおいて、実にディーゼル比率は半数にも上るという。
なぜか。
ディーゼルエンジンの特性として、トルクフルな加速を楽しめるということ。低い回転域から大きなパワーを発揮するということ。一旦エンジンが温まってしまえば、非常に低い回転域で航続が出来るということ。軽油由来のエコノミー性。ワンタンクあたりの航続距離が長い、イコール給油回数が少なくて済む、ということ。
などなど、「ワタシがディーゼルを選ぶワケ」は枚挙にいとまがないのだけど、正直、一番の理由はコレに尽きるんじゃないかな。
「乗ってて楽しい!」
日本の厳しい排気ガス規制に阻まれて、日本から市販ディーゼルが消えていた時期は長い。再上陸した圧巻のワクワクドライブフィールに開眼しちゃう人が、とても多いだろうことは想像に易い。
◆期待を裏切らない味付けのステルヴィオ・ディーゼル
そして、そんなディーゼルエンジン搭載モデルに、また新たに超絶魅力的な一台が加わった。
昨年日本市場にもデビューし、ともすれば「え、それってSUVに冠する謳い文句じゃないのでは…」と心配になっちゃうくらいに走りへの飽くなき探究心を顕にしてギョーカイをザワつかせた比類なきSUV、アルファロメオ『ステルヴィオ』だ。
そう、ステルヴィオは「極限までロール値を引き下げた」とか「ステアリングギア比12:1の鮮烈なハンドリング」など、おおよそSUVのセールストークとは思えないアレコレを、なんともイタリアらしいグラマラスな曲線に包まれたエクステリアに抱かせた、アルファロメオ初のSUVモデルだ。
そんなステルヴィオに搭載されたディーゼルエンジンだから、期待を裏切らない派手めの味付けになっていることを約束する。
新開発コモンレール式2.2リットルターボディーゼルは、最高出力210psに最大トルク470Nmとスペックも勇ましいけれど、本当の魅力はやはり走らせてこそ。他のSUV、ほかのディーゼルエンジンとはひと味もふた味も違った性格が与えられている。
◆真骨頂はハンドリングと、圧倒的な静粛性
だけど、低回転からドカンと来るトルクは当然予想の範囲内。そのトルクを受けていざコーナーに飛び込むときに驚くのが、超クイックなハンドリングなのだ。
ステルヴィオには「Q4」と名付けられた四輪駆動システムが搭載されているが、路面状況によっては最大50%のトルクをフロントに送るという、基本的にはFRレイアウトのトルク配分がなされている。
このFRレイアウト×クイックなハンドリング、そして1250rpm(!)という常用域で300Nm(!!)、さらに1750rpmで470Nmを発揮するという爆発的なトルクが加わるんだから、愉快でないわけがない。
ともすればエンジンの重量で重ったるい挙動になりがちなディーゼルだが、このステルヴィオに搭載されたものはなんと、アルミ製エンジンブロックや中空のカムシャフトを使用して、ガソリンエンジンモデルとの重量差わずか+10kgと鼻先も軽いのが素晴らしい。
ひらりひらりと身を交わしていくとき、車内には「Q4」由来の手応えあるかっちりした接地性がもたらされている。ドライバーはただひたすら、次のコーナーに視線を向けていけばいい、というわけだ。
そしてそこまでしゃかりきに踏んでも、WLTPモード燃費16km/リットルと、こちらもさすがの数字。このWLTPはより実用域で計測された数値だから、もしこれまでの計測方式だったなら、もっと伸びていたに違いない。
さらになにより私を感激させたのは、圧倒的な静粛性だ。
いかにアクセルを踏みつけていたとて、後席の乗員までも大声で会話しなくても済む。もちろん、大事な人とのデートドライブだって、このステルヴィオ・ディーゼルなら愛の囁きを邪魔しないはずだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★
今井優杏|モータージャーナリスト
レースクイーン、広告代理店勤務を経て自動車ジャーナリストに転向。WEB、自動車専門誌に寄稿する傍らモータースポーツMCとしての肩書も持ち、サーキットや各種レース、自動車イベント等でMCも務めている。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
(レスポンス 今井 優杏)
いまだ終焉の気配を見せないSUVブーム。どころか、輸入・国産含めて魅力的な選択肢が追加されるばかり!ユーザーとしては嬉しい悲鳴が止まらない、といったところだろうか。そんな中でも微細なトレンドの推移はあるもので、最近ではエンジンにこだわる人々が増えているのだとか!そう、ディーゼルだ。
ディーゼルエンジンをラインナップに持っているメーカー・インポーターにおいて、実にディーゼル比率は半数にも上るという。
なぜか。
ディーゼルエンジンの特性として、トルクフルな加速を楽しめるということ。低い回転域から大きなパワーを発揮するということ。一旦エンジンが温まってしまえば、非常に低い回転域で航続が出来るということ。軽油由来のエコノミー性。ワンタンクあたりの航続距離が長い、イコール給油回数が少なくて済む、ということ。
などなど、「ワタシがディーゼルを選ぶワケ」は枚挙にいとまがないのだけど、正直、一番の理由はコレに尽きるんじゃないかな。
「乗ってて楽しい!」
日本の厳しい排気ガス規制に阻まれて、日本から市販ディーゼルが消えていた時期は長い。再上陸した圧巻のワクワクドライブフィールに開眼しちゃう人が、とても多いだろうことは想像に易い。
◆期待を裏切らない味付けのステルヴィオ・ディーゼル
そして、そんなディーゼルエンジン搭載モデルに、また新たに超絶魅力的な一台が加わった。
昨年日本市場にもデビューし、ともすれば「え、それってSUVに冠する謳い文句じゃないのでは…」と心配になっちゃうくらいに走りへの飽くなき探究心を顕にしてギョーカイをザワつかせた比類なきSUV、アルファロメオ『ステルヴィオ』だ。
そう、ステルヴィオは「極限までロール値を引き下げた」とか「ステアリングギア比12:1の鮮烈なハンドリング」など、おおよそSUVのセールストークとは思えないアレコレを、なんともイタリアらしいグラマラスな曲線に包まれたエクステリアに抱かせた、アルファロメオ初のSUVモデルだ。
そんなステルヴィオに搭載されたディーゼルエンジンだから、期待を裏切らない派手めの味付けになっていることを約束する。
新開発コモンレール式2.2リットルターボディーゼルは、最高出力210psに最大トルク470Nmとスペックも勇ましいけれど、本当の魅力はやはり走らせてこそ。他のSUV、ほかのディーゼルエンジンとはひと味もふた味も違った性格が与えられている。
◆真骨頂はハンドリングと、圧倒的な静粛性
だけど、低回転からドカンと来るトルクは当然予想の範囲内。そのトルクを受けていざコーナーに飛び込むときに驚くのが、超クイックなハンドリングなのだ。
ステルヴィオには「Q4」と名付けられた四輪駆動システムが搭載されているが、路面状況によっては最大50%のトルクをフロントに送るという、基本的にはFRレイアウトのトルク配分がなされている。
このFRレイアウト×クイックなハンドリング、そして1250rpm(!)という常用域で300Nm(!!)、さらに1750rpmで470Nmを発揮するという爆発的なトルクが加わるんだから、愉快でないわけがない。
ともすればエンジンの重量で重ったるい挙動になりがちなディーゼルだが、このステルヴィオに搭載されたものはなんと、アルミ製エンジンブロックや中空のカムシャフトを使用して、ガソリンエンジンモデルとの重量差わずか+10kgと鼻先も軽いのが素晴らしい。
ひらりひらりと身を交わしていくとき、車内には「Q4」由来の手応えあるかっちりした接地性がもたらされている。ドライバーはただひたすら、次のコーナーに視線を向けていけばいい、というわけだ。
そしてそこまでしゃかりきに踏んでも、WLTPモード燃費16km/リットルと、こちらもさすがの数字。このWLTPはより実用域で計測された数値だから、もしこれまでの計測方式だったなら、もっと伸びていたに違いない。
さらになにより私を感激させたのは、圧倒的な静粛性だ。
いかにアクセルを踏みつけていたとて、後席の乗員までも大声で会話しなくても済む。もちろん、大事な人とのデートドライブだって、このステルヴィオ・ディーゼルなら愛の囁きを邪魔しないはずだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★
今井優杏|モータージャーナリスト
レースクイーン、広告代理店勤務を経て自動車ジャーナリストに転向。WEB、自動車専門誌に寄稿する傍らモータースポーツMCとしての肩書も持ち、サーキットや各種レース、自動車イベント等でMCも務めている。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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