【三菱 デリカD:5 新型試乗】インパクトあるデザインも「アリ」と思わせる進化…島崎七生人
◆試乗後には「これもアリかも?」
縦に2列、5灯(外側・ロービーム)+4灯(内側・ハイビーム)のLEDが並ぶヘッドランプや、ハニカムパターンがズラッと並ぶシルバーのグリル。第一印象でのインパクトは確かに絶大である。
実車を目の当たりにするまでは「こ、これは!?」と引けていた……のは事実。が、試乗会場で実車に触れ、試乗が終わるころには不思議なことに「別にいいんじゃない?」どころか「これもアリかも?」と、気持ちが寛容になっていた。そう思わせてくれたのも、クルマそのものの仕上がりぶりが上々だったから、である。
◆12年ぶりの大幅改良が実感できる
新型では標準車のほかにエアロパーツが付加された「アーバンギア」も用意される。ちなみに最低地上高はいずれも185mmだが、スタイリングの違いで、標準車の方がアプローチ/デパーチャーアングルの余裕はより大きい。
ボディ骨格は、エンジンフードが高められノーズの厚みが増している(ドライバー席から見渡せるようになった)が、4角いキャビンなど基本は従来型の姿だ。ところが12年ぶりという大幅改良モデルだけに、中身は多岐に渡って手が加えられた。
とくにフロントセクションの構造が見直されたほか、サスペンション(ダンパー、ブッシュほか多数)やステアリング系にも手が入った。また、搭載されるディーゼルターボ(2.3リットル、145ps/38.7kgf・m)のマウントは、これまでの4点式が3点式に改められているという。ロードノイズを遮断する効果のある3層構造の専用フロア待ったなども設定されている。
そうした改良の結果、まるで別のクルマのように走りに磨きがかかったのは、試乗してしっかりと実感できた。
◆車高、車重をまったく意識させないコーナリングも
とくに音・振動が少ないのは従来型から格段に進化した部分で、低速から常にフラットでスムースな乗り味とともに、上位クラスに匹敵する快適性を実現。またステアリングフィールもしっとりとしていながら、走行場面を問わず、しっかりとしたタッチ。さらにワインディングも試したが、車高、車重をまったく意識させず、コーナリング時は外側をジワッと沈み込ませ、4輪の接地感を均等に保ったままの安定した姿勢が味わえるのが心強い。
エンジンは新たに8速ATと組み合わせられ、ワイドなギヤレンジになったことで、発進から加速、高速まで的確な性能を発揮してくれ、CVTと違い変速も小気味よい。100km/hは8速でおよそ1500rpm。ディーゼルではあるが加速時でも車内の静粛性が高いのもポイントだ。
新形状のインパネ、シート(ドライバー席は電動パワーシートだった)など、室内の仕上げ、質感も現代的なレベルに引き上げられた。試乗車は8人乗り仕様だったが、サードシートの居住スペースは、さすがスクエアなボディ形状のクルマであるだけにゆったりとしているのが魅力だ。駆動方式の切り替えダイヤルなど、操作系もシンプルで判りやすい配置なのがいい。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
縦に2列、5灯(外側・ロービーム)+4灯(内側・ハイビーム)のLEDが並ぶヘッドランプや、ハニカムパターンがズラッと並ぶシルバーのグリル。第一印象でのインパクトは確かに絶大である。
実車を目の当たりにするまでは「こ、これは!?」と引けていた……のは事実。が、試乗会場で実車に触れ、試乗が終わるころには不思議なことに「別にいいんじゃない?」どころか「これもアリかも?」と、気持ちが寛容になっていた。そう思わせてくれたのも、クルマそのものの仕上がりぶりが上々だったから、である。
◆12年ぶりの大幅改良が実感できる
新型では標準車のほかにエアロパーツが付加された「アーバンギア」も用意される。ちなみに最低地上高はいずれも185mmだが、スタイリングの違いで、標準車の方がアプローチ/デパーチャーアングルの余裕はより大きい。
ボディ骨格は、エンジンフードが高められノーズの厚みが増している(ドライバー席から見渡せるようになった)が、4角いキャビンなど基本は従来型の姿だ。ところが12年ぶりという大幅改良モデルだけに、中身は多岐に渡って手が加えられた。
とくにフロントセクションの構造が見直されたほか、サスペンション(ダンパー、ブッシュほか多数)やステアリング系にも手が入った。また、搭載されるディーゼルターボ(2.3リットル、145ps/38.7kgf・m)のマウントは、これまでの4点式が3点式に改められているという。ロードノイズを遮断する効果のある3層構造の専用フロア待ったなども設定されている。
そうした改良の結果、まるで別のクルマのように走りに磨きがかかったのは、試乗してしっかりと実感できた。
◆車高、車重をまったく意識させないコーナリングも
とくに音・振動が少ないのは従来型から格段に進化した部分で、低速から常にフラットでスムースな乗り味とともに、上位クラスに匹敵する快適性を実現。またステアリングフィールもしっとりとしていながら、走行場面を問わず、しっかりとしたタッチ。さらにワインディングも試したが、車高、車重をまったく意識させず、コーナリング時は外側をジワッと沈み込ませ、4輪の接地感を均等に保ったままの安定した姿勢が味わえるのが心強い。
エンジンは新たに8速ATと組み合わせられ、ワイドなギヤレンジになったことで、発進から加速、高速まで的確な性能を発揮してくれ、CVTと違い変速も小気味よい。100km/hは8速でおよそ1500rpm。ディーゼルではあるが加速時でも車内の静粛性が高いのもポイントだ。
新形状のインパネ、シート(ドライバー席は電動パワーシートだった)など、室内の仕上げ、質感も現代的なレベルに引き上げられた。試乗車は8人乗り仕様だったが、サードシートの居住スペースは、さすがスクエアなボディ形状のクルマであるだけにゆったりとしているのが魅力だ。駆動方式の切り替えダイヤルなど、操作系もシンプルで判りやすい配置なのがいい。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
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