【ベントレー ベンテイガV8 新型試乗】最も“お手頃”なベントレーはなかなか奥行きが深い…島崎七生人
◆最も“お手頃”なベントレー
今年5月の価格変更後のプライス・タグは2004万4800円(8%税込み)。それでもベントレー車中もっとも“お手頃”なのが、この『ベイテンガV8』だ。
試乗車にはさらに総額700万5400円のオプションも装備していると、受け取ったA4サイズ1枚のスペックシートには、サラリとそう記載されていた。
ご存知のとおりベントレー初のこのSUVは、2018年秋から日本市場でもデリバリーが開始された。搭載するのは4リットルのV8ツインターボで、550ps/770Nmの性能を発揮。ZF製8速ATを組み合わせたフルタイム全輪駆動で、最高速度は290km/h、0-100km/h加速タイムは4.5秒という。ちなみに車重は2480kgだ。
◆むしろ扱いやすいほどだった
聞けば日本に導入されるベントレーの「7~8割が左ハンドル」だそうで、試乗車もそうだった。全長×全幅×全高=5150×1995×1755mm、ホイールベースもほぼ3mという豊かなボディサイズに対して、試乗前は都内の移動でさぞや手古ずるのでは……といささか気後れ気味だったことを告白しておこう。が、実際にはプレーンなシルエットと高く見晴らしのいい着座位置により、むしろ扱いやすいほどだった……というのが実感。
グリル、ウインドゥモール、ホイールなどを“黒仕様”に置き換えた試乗車は、淡いブルーのボディ色とのコントラストこそ鮮烈であるものの、全体の佇まいは控えめで、小心者のレポーターでも心拍数を上げることなくクルマに近づき、乗り込むことができた。
◆奥行きの深さが特徴
走らせて印象に残るのは、乗り味が実にスムースで悠々としたものだという点。今回は都心がメインの試乗コースとなり、工事箇所も多々あったが、路面状況がいかに変化しようとも、まったく素知らぬ風で乗り味の表情を変えないのは、ある意味でSUVならでは。だが、さらに悠々とした振る舞いはベントレーのサルーンにも共通するものだし、外苑のオーバルの“周回路”を流れに合わせて走ってみても、コーナリング中であっても、いささかも安定感を崩さずに走る。
また先に触れた高性能なスペックのV8エンジンは、ほとんどアクセルを踏む込まずとも、十分以上の動力性能を発揮してくれる。そして試しに踏み込めば、腹の底から湧き上がるような音と切れ味の鋭いパワー感を実感させてくれ、そんなスポーティな手応えはベントレーならではのもの……と思わせてくれる。
インパネやドア、センターコンソールにカーボンがあしらわれ、チャコールのシートやステアリングにはブルーのステッチが入るなどした試乗車のインテリアも、ラグジュアリーというよりスポーティなムードが高い。とは言え相当に上等な仕立てなのはいうまでもない。後席はスッと背筋を伸ばし高めの着座位置でしっとりとしたレザーシートに腰かける姿勢。
上質な時間を基本としながら、スポーティなドライブも堪能させてくれ、そんな奥行きの深さが特徴のクルマだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
今年5月の価格変更後のプライス・タグは2004万4800円(8%税込み)。それでもベントレー車中もっとも“お手頃”なのが、この『ベイテンガV8』だ。
試乗車にはさらに総額700万5400円のオプションも装備していると、受け取ったA4サイズ1枚のスペックシートには、サラリとそう記載されていた。
ご存知のとおりベントレー初のこのSUVは、2018年秋から日本市場でもデリバリーが開始された。搭載するのは4リットルのV8ツインターボで、550ps/770Nmの性能を発揮。ZF製8速ATを組み合わせたフルタイム全輪駆動で、最高速度は290km/h、0-100km/h加速タイムは4.5秒という。ちなみに車重は2480kgだ。
◆むしろ扱いやすいほどだった
聞けば日本に導入されるベントレーの「7~8割が左ハンドル」だそうで、試乗車もそうだった。全長×全幅×全高=5150×1995×1755mm、ホイールベースもほぼ3mという豊かなボディサイズに対して、試乗前は都内の移動でさぞや手古ずるのでは……といささか気後れ気味だったことを告白しておこう。が、実際にはプレーンなシルエットと高く見晴らしのいい着座位置により、むしろ扱いやすいほどだった……というのが実感。
グリル、ウインドゥモール、ホイールなどを“黒仕様”に置き換えた試乗車は、淡いブルーのボディ色とのコントラストこそ鮮烈であるものの、全体の佇まいは控えめで、小心者のレポーターでも心拍数を上げることなくクルマに近づき、乗り込むことができた。
◆奥行きの深さが特徴
走らせて印象に残るのは、乗り味が実にスムースで悠々としたものだという点。今回は都心がメインの試乗コースとなり、工事箇所も多々あったが、路面状況がいかに変化しようとも、まったく素知らぬ風で乗り味の表情を変えないのは、ある意味でSUVならでは。だが、さらに悠々とした振る舞いはベントレーのサルーンにも共通するものだし、外苑のオーバルの“周回路”を流れに合わせて走ってみても、コーナリング中であっても、いささかも安定感を崩さずに走る。
また先に触れた高性能なスペックのV8エンジンは、ほとんどアクセルを踏む込まずとも、十分以上の動力性能を発揮してくれる。そして試しに踏み込めば、腹の底から湧き上がるような音と切れ味の鋭いパワー感を実感させてくれ、そんなスポーティな手応えはベントレーならではのもの……と思わせてくれる。
インパネやドア、センターコンソールにカーボンがあしらわれ、チャコールのシートやステアリングにはブルーのステッチが入るなどした試乗車のインテリアも、ラグジュアリーというよりスポーティなムードが高い。とは言え相当に上等な仕立てなのはいうまでもない。後席はスッと背筋を伸ばし高めの着座位置でしっとりとしたレザーシートに腰かける姿勢。
上質な時間を基本としながら、スポーティなドライブも堪能させてくれ、そんな奥行きの深さが特徴のクルマだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
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