【アウディ Q8 新型試乗】ハンドリングはスポーツサルーン…九島辰也
◆スポーツサルーンのようなハンドリング
結論から言うと、アウディ『Q8』の走りは乗る前のイメージより数段よかった。試乗前はもう少し重ったるいと言うか、操作系に対しての反応が鈍そうに思えたからだ。
ところが、走り出すとあらゆる評価軸で高得点を得る。まずはエンジンパワー。340psの3リットルV6ターボはこれまでも他のモデルで動かしてきたが、スタートから高速域までよりシームレスで気持ちよく加速するように思える。表面的なスペックは何も変わっていないが、ますます磨かれた印象だ。最近もアウディ関係者から耳にしたが、公表されずともモデルごともそうだが、パワートレーンは年次改良されているらしい。
次にハンドリングだが、ステアリング操作に対するリニアなフィーリングや思いの外クイックな反応は好印象。SUVというよりスポーツサルーン的な感覚だ。ワインディングでクイクイ向きを変える動きはじつに楽しい。
そして、そこに大きく貢献しているのが、リアステア。要するにステアリングに対して低速では逆位相、高速では同位相にリアタイヤが切れる。これでけっこうなタイトコーナーもクルリと回転するのだ。全長5m、全幅2mに届きそうな巨体を小さく感じさせるのはそのおかげである。
◆乗り心地と静粛性は、さすがアウディ
そんなスポーティな動きを可能にしておいて乗り心地が良いのも特筆ポイント。エアサス装備のドライブモードを“コンフォート”にすればそのまま高級サルーン。特にリアシートの乗り味は数段変わるからぜひお試しいただきたい。付け加えると、試乗車は22インチの大径ホイール&ロープロファイルタイヤ。最近テストドライブした22インチの中ではピカイチの乗り味だ。
最後にキャビンの広さと静粛性についても触れておこう。というのも、キャビンの広さもまた乗る前と後では大違い。フロントシートはもちろん、リアシートの広さは想像を超えた。足元もそうだし、ヘッドクリアランスも十分。ルーフがクーペのようにさがっていながらあれだけの空間を設けているのはさすがである。
静粛性については、しばらく乗っていると気づく。というか、二人で乗っていると、助手席に乗せた人が必ず「このクルマ静かですね」というから驚いた。一人や二人の話ではない。
◆サッシレスの構造にこだわりを感じる
しかも、である。このクルマには窓枠というものがない。要するにサッシレスで、フロントドアに関しては窓ガラスをすべて下ろしてしまえばドアだけが残る。昔の2ドアハードトップのように。当然リアドアもそう。こちらは窓ガラス全部がドア内におさまるわけではないが、それにしても開放感は大きい。
で、よくよく考えると、そんな構造でこれだけの高剛性ボディと静粛性の高いキャビンをつくりだしているのだから恐れ入る。アウディ開発陣のこだわりは半端なさそうだ。
というのが、実際に走らせたQ8の印象。3回の試乗でQ8のクオリティの高さがわかったような気がする。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。『Car EX』(世界文化社 刊)副編集長、『アメリカンSUV』(エイ出版社 刊)編集長などを経験しフリーランスに。その後メンズ誌『LEON』(主婦と生活社 刊)副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの"サーフ&ターフ"。 東京・自由が丘出身
(レスポンス 九島辰也)
結論から言うと、アウディ『Q8』の走りは乗る前のイメージより数段よかった。試乗前はもう少し重ったるいと言うか、操作系に対しての反応が鈍そうに思えたからだ。
ところが、走り出すとあらゆる評価軸で高得点を得る。まずはエンジンパワー。340psの3リットルV6ターボはこれまでも他のモデルで動かしてきたが、スタートから高速域までよりシームレスで気持ちよく加速するように思える。表面的なスペックは何も変わっていないが、ますます磨かれた印象だ。最近もアウディ関係者から耳にしたが、公表されずともモデルごともそうだが、パワートレーンは年次改良されているらしい。
次にハンドリングだが、ステアリング操作に対するリニアなフィーリングや思いの外クイックな反応は好印象。SUVというよりスポーツサルーン的な感覚だ。ワインディングでクイクイ向きを変える動きはじつに楽しい。
そして、そこに大きく貢献しているのが、リアステア。要するにステアリングに対して低速では逆位相、高速では同位相にリアタイヤが切れる。これでけっこうなタイトコーナーもクルリと回転するのだ。全長5m、全幅2mに届きそうな巨体を小さく感じさせるのはそのおかげである。
◆乗り心地と静粛性は、さすがアウディ
そんなスポーティな動きを可能にしておいて乗り心地が良いのも特筆ポイント。エアサス装備のドライブモードを“コンフォート”にすればそのまま高級サルーン。特にリアシートの乗り味は数段変わるからぜひお試しいただきたい。付け加えると、試乗車は22インチの大径ホイール&ロープロファイルタイヤ。最近テストドライブした22インチの中ではピカイチの乗り味だ。
最後にキャビンの広さと静粛性についても触れておこう。というのも、キャビンの広さもまた乗る前と後では大違い。フロントシートはもちろん、リアシートの広さは想像を超えた。足元もそうだし、ヘッドクリアランスも十分。ルーフがクーペのようにさがっていながらあれだけの空間を設けているのはさすがである。
静粛性については、しばらく乗っていると気づく。というか、二人で乗っていると、助手席に乗せた人が必ず「このクルマ静かですね」というから驚いた。一人や二人の話ではない。
◆サッシレスの構造にこだわりを感じる
しかも、である。このクルマには窓枠というものがない。要するにサッシレスで、フロントドアに関しては窓ガラスをすべて下ろしてしまえばドアだけが残る。昔の2ドアハードトップのように。当然リアドアもそう。こちらは窓ガラス全部がドア内におさまるわけではないが、それにしても開放感は大きい。
で、よくよく考えると、そんな構造でこれだけの高剛性ボディと静粛性の高いキャビンをつくりだしているのだから恐れ入る。アウディ開発陣のこだわりは半端なさそうだ。
というのが、実際に走らせたQ8の印象。3回の試乗でQ8のクオリティの高さがわかったような気がする。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。『Car EX』(世界文化社 刊)副編集長、『アメリカンSUV』(エイ出版社 刊)編集長などを経験しフリーランスに。その後メンズ誌『LEON』(主婦と生活社 刊)副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの"サーフ&ターフ"。 東京・自由が丘出身
(レスポンス 九島辰也)
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