【ダイハツ ロッキー 新型試乗】4WDがFF以上に快適な理由は「リアサス」…島崎七生人
SUVの『ロッキー』なら、日常だけでなくプラスαで多用に乗りこなしたい……と思うユーザーも多いだろう。そうした時のいい選択肢になるのが4WDモデルだ。
試乗車は「G」グレードの4WDモデル。スペックを確認しておくと、FWDの同グレードに対し車重が+70kgとなり、WLTCモード燃費FWDの18.6km/リットルに対し17.4km/リットルとなるなどの差がある。
またリアサスペンションは 形式上はFFと共通のトーションビーム式だがデザインはまったく別物。さらにアンダーボディ構造も専用設計で、リヤデフをボディパネルに直付けし、サイドメンバー側面シルエット(リヤデッキ面)の高さを80mm下げたのだそう。
これによる実用面でのメリットは大きく、写真でも示したとおり、ワンピースのトリムで深く掘り込まれたアンダーフロア部分は、よくある申し訳程度ではなく、十分に実用になるスペースが確保されている(深さ135mm、幅775mm、奥行き705mm)。
もちろん走りも、より安定しているのはもちろん、FF車以上に快適なドライバビリティをモノにしている点も注目したい。大きく影響しているのは車重の差と、リヤサスペンションの設計の違いだろう。同じ17インチタイヤ装着のFWDに較べ、路面からのショックの伝わりかたがかなり緩和されているのがわかる。
また足のバタつきもより少なくタイヤがより路面に追従してくれるのは、リヤのトーションビーム自体が、FWD車がストレートな形状なのに対し4WDではドライブシャフトを跨ぐために曲線的な形状になっているため(中空スタビライザーも専用品かどうかは未確認)、微妙かつ明らかに、よりしなやかな動き(働き)を見せているからと考えられる。
パワートレーンはFWDと共通だが、3気筒の1リットルターボ+CVTは4WDでもまったく不満なく走らせられる。もともと闊達だから、たとえ乗車人数や荷物が増えてもパワー感の落ち込みは少ないはずだ。メーター内のインジケーターを見ていると、オンロードでもフロントをメインにコーナリングや加速時など、折々でリヤにも適宜、駆動力を振り分けているのがわかる。
最低地上高は185mmと余裕があり、コンパクトで軽量なボディにより機動性の高さを生かして、SUVらしさを幅広く堪能できるモデルだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
試乗車は「G」グレードの4WDモデル。スペックを確認しておくと、FWDの同グレードに対し車重が+70kgとなり、WLTCモード燃費FWDの18.6km/リットルに対し17.4km/リットルとなるなどの差がある。
またリアサスペンションは 形式上はFFと共通のトーションビーム式だがデザインはまったく別物。さらにアンダーボディ構造も専用設計で、リヤデフをボディパネルに直付けし、サイドメンバー側面シルエット(リヤデッキ面)の高さを80mm下げたのだそう。
これによる実用面でのメリットは大きく、写真でも示したとおり、ワンピースのトリムで深く掘り込まれたアンダーフロア部分は、よくある申し訳程度ではなく、十分に実用になるスペースが確保されている(深さ135mm、幅775mm、奥行き705mm)。
もちろん走りも、より安定しているのはもちろん、FF車以上に快適なドライバビリティをモノにしている点も注目したい。大きく影響しているのは車重の差と、リヤサスペンションの設計の違いだろう。同じ17インチタイヤ装着のFWDに較べ、路面からのショックの伝わりかたがかなり緩和されているのがわかる。
また足のバタつきもより少なくタイヤがより路面に追従してくれるのは、リヤのトーションビーム自体が、FWD車がストレートな形状なのに対し4WDではドライブシャフトを跨ぐために曲線的な形状になっているため(中空スタビライザーも専用品かどうかは未確認)、微妙かつ明らかに、よりしなやかな動き(働き)を見せているからと考えられる。
パワートレーンはFWDと共通だが、3気筒の1リットルターボ+CVTは4WDでもまったく不満なく走らせられる。もともと闊達だから、たとえ乗車人数や荷物が増えてもパワー感の落ち込みは少ないはずだ。メーター内のインジケーターを見ていると、オンロードでもフロントをメインにコーナリングや加速時など、折々でリヤにも適宜、駆動力を振り分けているのがわかる。
最低地上高は185mmと余裕があり、コンパクトで軽量なボディにより機動性の高さを生かして、SUVらしさを幅広く堪能できるモデルだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
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オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
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