【トヨタ カローラ 新型試乗】“カローラ新時代”を実感するスタイルと走り…島崎七生人

トヨタ カローラ 新型(S)
◆全幅1745mmは先代『プリウス』と同数値

まるでAppleのCMか!?と思わせられるようなTVコマーシャルがオンエア中だが、12代目となる新型『カローラ』は、さまざまな面で“大改革”を感じさせる出来栄えだ。

何といっても注目はスタイリング。すでに街中でも見かけるが、溌剌として見える佇まいが、さり気なく際立って、『カローラ』が新しくなったことを実感する。

個人的には先代に較べAピラーの傾斜が強まってしまったことだけが残念だが、グローバルモデルに対し、全幅を45mmも切り詰めた(全長も短い)にもかかわらず引け目を感じないばかりか、フェンダーフレア、ボディサイドの抑揚で平板に見せず力量感まで伝わる仕上げになっていて小気味いい。

ちなみに1745mmの全幅は先代『プリウス』と同数値。日本国内の実情でも“受け入れられている”と判断があって落とし込まれた数値らしい。

◆乗り味、静粛性に新時代を実感する


インテリアは先行の『カローラスポーツ』とほぼ共通デザイン。インパネ形状も共通だが、試乗車にはオプション設定の9インチサイズのディスプレイオーディオがセットされていた。

確かに表示が大きいのは見やすく助かるが、ハウジングが角張った頑丈そうなデザインであるため、なおさら、インパネ中央で“”そびえ立った”印象でやや重々しく思えた。こればかりは、今風のタブレットを立て掛けたような、もう少し見た目の軽さが感じられるほうがいいのでは?

それとシート表皮には『カローラスポーツ』に設定のある“サドルタン”など、こちらのセダンにも設定がほしいところ。選択肢が広く選べるといい。


運転席は自然に安定した運転姿勢を保持してくれ、後席も快適な乗車姿勢を作り、頭上、足元にも十分な余裕がある。トランクスペースはセダンとして申し分ない容量だ。

試乗車は1.8リットルのガソリンエンジン(2ZR-FAE型=140ps/17.3kgf・m)+Super CVTーi、7速スポーツシーケンシャルシフトマチック付き搭載車。非ハイブリッドであるが、走りっぷりは爽快そのもの。モヤッとしたところがなく歯切れよく走れる。

乗り味、静粛性も十分にチェックされており、ここでも『カローラ』が新時代に進化したことが実感できる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

(レスポンス 島崎七生人)

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