【アウディ Q8 新型試乗】クーペというより“SUVサルーン”と呼びたい…島崎七生人
◆質実剛健な『Q7』に対し、雰囲気重視な『Q8』
なるほど同じ出自の『Q7』に対しよりスタイリッシュなのはわかる。だが、アウディが言う“SUVクーペ”ではなく“スタイリッシュSUVサルーン”と表現したほうが、よりこのクルマらしいのでは……と勝手に思った。
2995mmのホイールベースは『Q7』と共通。けれどサッシュレスドアと無粋なパーティションをもたないスッキリとしたガラスエリアは、このクルマのキャビンを実にスマートに見せている。Cピラーも傾斜しているがその度合いはほどほどで、それこそ先行するライバルメーカーのSUVクーペほどデザインに走り過ぎた雰囲気ではない。
とはいえ車幅いっぱいのガーニッシュに灯体を組み込んだリヤビューは洒落ている。要するに『Q7』と較べるとアチラがより質実剛健なのに対し、『Q8』はより雰囲気を重視した佇まいなのである。
◆もはや「リムジン級」なリヤシート
一方でインテリアは、最新のアウディ流のデザインでまとめられてはいるが、SUVらしさという点では、やや高めのポジションがそう思わせる……そんな程度。タッチスクリーン類が埋め込まれた光沢パネルをメインに、控えめな出ディテールと、ある程度の物理スイッチが残され操作性がいい点に好感が持てる。
フロントシートはスポーティな形状で、運転姿勢をしっかり保持してくれるもの。そしてリヤシートの広さこそ、サルーン(というよりリムジン級)と呼びたいこのクルマの大きな魅力だ。シート自体は腰のある着座感で、スライド機構を使いリヤモーストにした場合の足元の余裕は快適そのもの。頭上も下手なセダンを凌ぐ空間が確保されている。
また後席を使った状態でもラゲッジスペースは605リットルの容量があり、クラスに相応しい荷物の積載能力を持つ。サイドトリムがシンプルな形状だがら、スーツケースや箱状の積載物も積み込みやすいだろう。後席は40:20:40の分割可倒式になっている。
◆余裕の動力性能が生み出す悠然とした走り
走りは悠然としたものだ。試乗車はM+S仕様のウインタータイヤを装着していたが、2200kgの車重もあり、カドの取れた穏やかな乗り味となっていた。
アダプティブエアサスペンションはダンパーの減衰力と車高を自動調整する機構をもち、高速走行時にはまるでサルーンそのものといった路面をピタッと捉えた走りっぷりをみせる。前述のとおりM+Sタイヤながら静粛性は高く、ドアミラー(Aピラー?)から立つ風切り音が目立つほど(試乗車個体の現象か?)。
搭載エンジンは3リットルのV6(340ps/51Nm)で、これにマイルドハイブリッドを組み合わせ、エンジンを停止してのコースティング機能ももつ。ドライブモードも選択可能だが、アクセルワークに対し常に余裕のある動力性能を発揮してくれるのが魅力だ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
なるほど同じ出自の『Q7』に対しよりスタイリッシュなのはわかる。だが、アウディが言う“SUVクーペ”ではなく“スタイリッシュSUVサルーン”と表現したほうが、よりこのクルマらしいのでは……と勝手に思った。
2995mmのホイールベースは『Q7』と共通。けれどサッシュレスドアと無粋なパーティションをもたないスッキリとしたガラスエリアは、このクルマのキャビンを実にスマートに見せている。Cピラーも傾斜しているがその度合いはほどほどで、それこそ先行するライバルメーカーのSUVクーペほどデザインに走り過ぎた雰囲気ではない。
とはいえ車幅いっぱいのガーニッシュに灯体を組み込んだリヤビューは洒落ている。要するに『Q7』と較べるとアチラがより質実剛健なのに対し、『Q8』はより雰囲気を重視した佇まいなのである。
◆もはや「リムジン級」なリヤシート
一方でインテリアは、最新のアウディ流のデザインでまとめられてはいるが、SUVらしさという点では、やや高めのポジションがそう思わせる……そんな程度。タッチスクリーン類が埋め込まれた光沢パネルをメインに、控えめな出ディテールと、ある程度の物理スイッチが残され操作性がいい点に好感が持てる。
フロントシートはスポーティな形状で、運転姿勢をしっかり保持してくれるもの。そしてリヤシートの広さこそ、サルーン(というよりリムジン級)と呼びたいこのクルマの大きな魅力だ。シート自体は腰のある着座感で、スライド機構を使いリヤモーストにした場合の足元の余裕は快適そのもの。頭上も下手なセダンを凌ぐ空間が確保されている。
また後席を使った状態でもラゲッジスペースは605リットルの容量があり、クラスに相応しい荷物の積載能力を持つ。サイドトリムがシンプルな形状だがら、スーツケースや箱状の積載物も積み込みやすいだろう。後席は40:20:40の分割可倒式になっている。
◆余裕の動力性能が生み出す悠然とした走り
走りは悠然としたものだ。試乗車はM+S仕様のウインタータイヤを装着していたが、2200kgの車重もあり、カドの取れた穏やかな乗り味となっていた。
アダプティブエアサスペンションはダンパーの減衰力と車高を自動調整する機構をもち、高速走行時にはまるでサルーンそのものといった路面をピタッと捉えた走りっぷりをみせる。前述のとおりM+Sタイヤながら静粛性は高く、ドアミラー(Aピラー?)から立つ風切り音が目立つほど(試乗車個体の現象か?)。
搭載エンジンは3リットルのV6(340ps/51Nm)で、これにマイルドハイブリッドを組み合わせ、エンジンを停止してのコースティング機能ももつ。ドライブモードも選択可能だが、アクセルワークに対し常に余裕のある動力性能を発揮してくれるのが魅力だ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
連載コラム
最新ニュース
-
-
メルセデスベンツ『CLE カブリオレ』に「AMG 53」、電動ターボで449馬力
2024.05.07
-
-
-
日産が新型ミニバン『タウンスター・エバリア』を発表…EVも設定
2024.05.07
-
-
-
[VW ゴルフ 50周年]重量増加スパイラルに逆行した第7世代
2024.05.07
-
-
-
初代レオーネクーペや4WDのエステートバンなど…2024年春季スバルレオーネオーナーズクラブ渡良瀬ミーティング
2024.05.07
-
-
-
トヨタ『4ランナー』新型...最新技術と高い耐久性の両立
2024.05.07
-
-
-
メーカーと販売店が野球で対決、トヨタ自動車 VS 茨城トヨペット 5月27日
2024.05.07
-
-
-
オールフェアレディZミーティングに1500台が集結!世界最大級のイベントでZ誕生55周年を祝う
2024.05.06
-
最新ニュース
MORIZO on the Road